「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」の頂点に輝いた日産・サクラは何位? 「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」の頂点に輝いた日産・サクラは何位?
今年も数多くの新車が登場した。その中から週プレ自動車班が22年に取材した注目のクルマをガチ厳選して一挙大公開。どんなクルマがランクインしたのか? 前編に続き、今回はベスト3を発表するぞ!!

■注目のクルマベスト3!

デスク それではベスト3の発表をどうぞ。

記者 3位は日産の7代目フェアレディZです。

3位 日産 フェアレディZ 3位 日産 フェアレディZ
デスク 14年ぶりのフルモデルチェンジが大きな話題を呼んだね。

記者 EVのパイオニアである日産ですが、スポーツカーに対する愛情を失っていなかったことが、この7代目フェアレディZで証明されました。

デスク エンジンは日産自慢のe‐POWER?

記者 いいえ、純ガソリン車です。3リッターのV6ツインターボで405馬力を発揮します。もちろん、FR(後輪駆動)で6速MTも用意しています。クルマ好きの心をたぎらせる一台ということもあり、受注が殺到し、納期は長期化しています。残念ながら受注は一時停止状態です。

歴代のフェアレディZと同じくインパネには3連メーターが輝く 歴代のフェアレディZと同じくインパネには3連メーターが輝く
デスク 年末に都内の一般道を試乗したんだよね?

記者 はい。9速AT車を試乗しました。もっと荒々しいクルマに仕上がっていると予想していましたが、滑らかなエンジンで乗り心地も抜群。安心感のあるクルマで、まさに大人のスポーツカーという印象でしたね。余談ですが、ボディカラーが黄色だった関係もあり街中での注目度はスゴいもんがありました(苦笑)。

デスク ちなみにお値段は?

記者 524万1500~646万2500円ですね。専門家に聞くと、「同様のエンジンを搭載する海外ブランドのクルマと比較するとバーゲンプライス」とのこと。

デスク そして、2位は?

記者 BMWのiXです。BMW初となる量産EVのi3以来、約7年ぶりに日本市場へ投入されたEVでもあります。

2位 BMW iX 2位 BMW iX
デスク えっと、i3ってどんなクルマ?

記者 BMW初の量産EVとして13年に生産を開始しました。約25万台を生産し、22年に生産終了したモデルですね。

デスク つまり、EVの草分け的存在のBMWが放った渾身の力作がiXってこと?

記者 はい。まず車内で目を引くのが、6角形のステアリングホイール。さらにメーターパネルとコントロールパネルを一体化させ先進性を高めています。操作ごとに異なる人工音の演出は未来感がありました。

インテリアで特に目を引くのが6角形のステアリングホイール インテリアで特に目を引くのが6角形のステアリングホイール
デスク 走りは? 

記者 EVはどれも静かなのですが、iXは特にロードノイズがビックリするほど小さいですね。走りもEVはスポーツカー真っ青の加速を売りにしているモデルが多いんですが、iXは重厚感のようなものがありました。

デスク 価格は?

記者 1075万~1740 万円です。

デスク それでは1位の発表を! 

記者 1位に輝いたのは、22年6月16日に発売された日産の軽EVサクラです。

1位 日産 サクラ 1位 日産 サクラ
デスク 22年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでイヤーカーに輝いたね。アライアンスを組む三菱との協業車だっけ?

記者 日産が企画と開発を主導し、三菱の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産しています。三菱のeKクロスEVはサクラの兄弟車となります。日産によると、現在サクラの累計は3万3000台以上とのこと。ちなみに21年の日本市場で発売された新車のEVは2万1139台(小型/普通車)ですから、まさに鬼売れです。

デスク サクラの爆売れは国や自治体の補助金だと分析する識者が多い。実際のところはどうなのかな?

記者 確かに補助金を使うと200万円を切る価格は大きな魅力だと思います。ただし、試乗するとわかりますが、クルマの出来が非常にいい。

サクラ自慢の室内。軽自動車とは思えぬ質感だ サクラ自慢の室内。軽自動車とは思えぬ質感だ
デスク 日産が出来のいいクルマを造れた背景にはなにがある?

記者 日産は累計販売60万台以上を誇る世界初の量産型EV「リーフ」を持つパイオニアです。

デスク リーフはいつデビューだっけ? 

記者 2010年12月です。

デスク つまり、これまでリーフで積み上げてきた知見や財産があると。

記者 はい。日産は、その知見や財産をサクラにすべて注ぎ込んだわけです。

デスク なるほど。

記者 今回のランキングに海外ブランドのEVを数多く取り上げましたが、誰がどう見ても富裕層向けの価格ばかりです。逆に言うと、だからこそ、先進装備満載を実現できるわけです。一方、サクラの価格は年末に値上げされましたが、それでも249万3700~304万400円です。

デスク 現状、世界的にEVは富裕層向けであると。そういう状況の中で日産はあえてEVの入り口にサクラを置いたわけね。それはなぜ?

記者 多くの人にEVの魅力を知ってもらい、ゆくゆくは上級モデルのリーフやアリアにステップアップしてもらおうというのが狙いです。

デスク 日産はEVの普及と将来を見据え、出血覚悟のサービス価格でサクラを世に送り出したと。それを可能にしたのはリーフで培った財産という認識でいいのかな?

記者 そのとおりです。もちろん、EVのパイオニアである日産が徹底的に市場を分析した上で、市販化したのは言うまでもありません。

デスク ちなみにサクラは生産を一時停止していたよね?

記者 12月22日より注文受付を再開しました。

デスク 23年のクルマ業界の展望は?

記者 実は新年から動きがありそうです。23年もクルマ業界に注目です!