発売前から大人気のデリカミニ。エンジンはノーマルとターボの2種類を用意発売前から大人気のデリカミニ。エンジンはノーマルとターボの2種類を用意
三菱自動車が5月に発売する新型SUV系スーパーハイトワゴンの軽自動車「デリカミニ」が、2ヵ月弱で約7000台の受注を集めたという。発売までもう待てない! ということで、すでに実車を何度も徹底チェックしている"新車購入の神様"と呼ばれるカーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏がその全貌を徹底解説する!!

渡辺 今年1月13日、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された改造車の祭典「東京オートサロン2023」に参考出品され、大きな話題を呼んだ三菱の新型軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」。同日から予約注文を開始し、3月5日の時点で約7000台の受注を集めたそうです。

――ほお! その数字はスゴいんですか?

渡辺 三菱の今年1月の国内販売(登録車と軽自動車の合算)は8106台です。2月は速報値で8257台です。付け加えると、昨年1月~12月の国内販売は9万555台で、単純計算で国内の月販平均は7546台でした。

現在の三菱からすると、2ヵ月弱で約7000台という受注台数は、好調な滑り出しと言えます。私は三菱の屋台骨を支える可能性を感じています

デリカミニが掲げるテーマは「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」デリカミニが掲げるテーマは「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」人気のスーパーハイトワゴンで、スライドドアも搭載の無双ぶり人気のスーパーハイトワゴンで、スライドドアも搭載の無双ぶり
――ちなみに3月6日、自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が発表した2月の車名別新車販売台数の総合ランキングでトップに輝いたのは、ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」でした。

渡辺 N-BOXは2月の販売台数が1万9652台をマークし、国内販売では、6年間にわたり連続のトップです。まさに"横綱相撲"と呼べる強さを誇ります。デリカミニもSUV的なスタイリングではありますが、N‐BOXと同じスーパーハイトワゴンです。

今後、"絶対王者"として国内販売トップに君臨するN‐BOXの牙城をどこまで崩せるのか見ものですね。

――デリカミニの正式発売は5月だそうですが、「発売まで待てない!」という声も耳にします。渡辺さんはすでにデリカミニの実車を何度もチェックされています。ズバリ、どんなクルマですか?

渡辺 デリカミニはeKクロススペースの改良モデルと考えてください。もちろん、顔は相当違いますが、車内の広さやシートアレンジは基本的に共通なので、三菱の販売店でeKクロススペースの試乗車や展示車を見れば、デリカミニの概要はわかりますよ。

野性味が伝わってくるリア。4WDのサスは専用チューニングが施されている野性味が伝わってくるリア。4WDのサスは専用チューニングが施されている好評だったeKクロススペースのインパネをブラッシュアップ好評だったeKクロススペースのインパネをブラッシュアップ
――内装はどうです?

渡辺 インパネの基本デザインはeKクロススペースと同じですが、新型デリカミニはカップホルダーなどが収まる中央の部分をアイボリーで仕上げており、ワイド感が強調されていますね。

――車内の広さは?

渡辺 eKクロススペースと同じですが、シート生地は異なりますね。撥水加工が施されて通気性に優れ、小さなデコボコを伴ったエンボス状にしています。

シート生地には適度な伸縮性があり、座り心地はすこぶる快適です。シートの座り心地は、eKクロススペースよりも優れています。


――ほかに違いは?

渡辺 4WDに関して言うと、サスペンションのセッティングとタイヤのサイズがeKクロススペースの4WD仕様とは異なり、最低地上高が10mm増しています。つまりデリカミニの4WDは、足まわりとタイヤが独自の設定です。悪路の走破性能や乗り心地が向上していると思いますので、今から試乗が楽しみです。

シートは撥水加工が施されているため、水汚れを気にせず使い倒せるシートは撥水加工が施されているため、水汚れを気にせず使い倒せるご覧のように後席を倒せば、荷物もガシガシ積載できるご覧のように後席を倒せば、荷物もガシガシ積載できる
――なるほど。4月8日には新型デリカミニをお披露目するイベントがあるそうで?

渡辺 はい。「デリカミニアウトドアフェス」というユーザー向けイベントをアウトドア複合施設「モリパーク アウトドアヴィレッジ」(東京都昭島市)で開催します。

新型デリカミニのテレビCMの発表、スペシャルゲストを招いたトークショー、アウトドアレジャーシーンを演出した車両展示、親子で楽しめるアウトドア体験のワークショップなどを用意しているそうです。

入場は無料ですが、事前に三菱自動車の公式ウェブサイトから応募し、当選した人(40組 約150名)限定の特別招待コンテンツも用意されているということなので、興味のある方はチェックしてみるといいかもしれません。

――デリカミニをナマで見たい、触れたい人は大注目のイベントであると?

渡辺 そのとおりです!

●渡辺陽一郎(わたなべ・よういちろう) 
カーライフジャーナリスト。自動車専門誌『月刊くるま選び』(アポロ出版)の編集長を10年務める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員