現行モデルは5代目。3列シートの7人乗りモデルとして、2020年11月に日本市場で発売開始。22年11月に限定モデルを発売 現行モデルは5代目。3列シートの7人乗りモデルとして、2020年11月に日本市場で発売開始。22年11月に限定モデルを発売

米のセレブ御用達の高級SUVがキャデラックのエスカレードである。1999年に初代がデビューしてから"フルサイズSUVの頂点"に君臨している。その魅力とは? 左ハンドルのダイナマイトボディを徹底チェックした!!

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■とにかくデカい威圧感もハンパない

世界中でSUVの販売が好調だ。その中で特に話題を集めているのが高級SUV。昨年、史上最高の販売台数を記録した高級スーパーカーブランドのランボルギーニは全世界で9233台を売った。

しかし、その販売の中心を占めているのはスーパーSUVのウルスで、実に6割となる5367台(前年比7%増)を販売。要するにランボルギーニの大躍進を支えているのはSUVなのである。

ちなみに現在、メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、ボルボ、アウディ、さらにはベントレー、ロールス・ロイス、フェラーリまでもがSUVを用意している。

そんな高級SUV市場で輝きを放ち続けているのが、キャデラック自慢のフラッグシップSUVのエスカレード。アメリカではもちろんのこと、世界中のセレブを魅了する一台でもある。言うまでもないが、キャデラックは世界的な高級ブランドである。

キャデラック エスカレードスポーツ 価格:1800万円 国産車のゴツ顔と異なり、顔面は問答無用の超ド迫力。しかも、ボディは山脈のようにデカい。正直、いかつさは最強レベル キャデラック エスカレードスポーツ 価格:1800万円 国産車のゴツ顔と異なり、顔面は問答無用の超ド迫力。しかも、ボディは山脈のようにデカい。正直、いかつさは最強レベル

今回、試乗したのはキャデラックのエスカレードスポーツ。ボディもインテリアも全部が黒く、それが売りのモデルなのだという。

このエスカレードスポーツの実車を目の当たりにした率直な感想はとにかくデカい。というか、異次元のデカさである。

それもそのはず。ボディサイズは全長5400㎜、全幅2065㎜、全高1930㎜。骨格はラダーフレーム構造の本格派で車重は2740㎏! まさにレベチのワガママボディである。しかも全身ブラック仕上げ。注目の的になること請け合いだ。

ドアを開けると、格納されているステップが自動で出てくる。乗り降りに役立つ。磁性流体ダンパーやエアサスを標準装備 ドアを開けると、格納されているステップが自動で出てくる。乗り降りに役立つ。磁性流体ダンパーやエアサスを標準装備

シートを含めラグジュアリーな仕上がりの内装。前席にはヒーターやマッサージ機能も。センターコンソールには冷蔵庫を内蔵 シートを含めラグジュアリーな仕上がりの内装。前席にはヒーターやマッサージ機能も。センターコンソールには冷蔵庫を内蔵

ドアを開け、ステップをよじ登るようにして、運転席に滑り込むと、ゴージャスにも程があるレザーインテリアと、自動車業界初という湾曲型38インチ大型インフォテインメントシステムが目に飛び込んできた。スンゲェー。

3列のシートレイアウト。ちなみに2列目シートはセパレート式で、シートヒーターやスライド調整機構などを標準装備 3列のシートレイアウト。ちなみに2列目シートはセパレート式で、シートヒーターやスライド調整機構などを標準装備

ボディサイズから考えれば当たり前だが、室内は問答無用に広い。そのため、カンバセーションエンハンスメントという対話補助機能を装備する。ザックリ言うと、乗員の声をマイクが拾い、スピーカーから流れる。そんな機能を用意するほどに3列の室内は広いのだ。

走り出すと着座位置が高いこともあり視界は良好! 運転は決して苦にならないが、ボディはやっぱりデカい。なので、横幅に関しては常に意識してしまった。

そんなダイナマイトボディを持つエスカレードスポーツだが、高速の合流では6.2リットルV8のOHVエンジンがほえ、瞬く間に制限速度へ。乗り心地はまるで遊覧船のよう。静粛性も高く、シートも適度な軟らかさ。実にゴージャス!

6.2リットルのV8OHVガソリンエンジンを搭載。最高出力は416PS、624Nmを誇る。ATは10速。遊覧船のごとくふわりと走る 6.2リットルのV8OHVガソリンエンジンを搭載。最高出力は416PS、624Nmを誇る。ATは10速。遊覧船のごとくふわりと走る

そして、高速道路での試乗では前方のクルマが次々と道を譲ってくれる(笑)。車間距離を十分に取って走っていたのだが、気がつけば「モーゼの十戒」のワンシーンのごとくサッと道が開けてしまう。

実際にエスカレードを見ればわかるが、ゴツ顔が売りの国産のSUVやミニバンがオラつく学生だとすると、エスカレードは超一流の格闘家が放つ威圧感をデフォルトで備える。フツーに考えて後続車にそんなクルマが来たら嫌だわなぁ(笑)。

米のセレブなどはこのエスカレードに運転手付きで乗る。ちなみに骨格はラダーフレーム構造を採用する、ガチ系の4WD 米のセレブなどはこのエスカレードに運転手付きで乗る。ちなみに骨格はラダーフレーム構造を採用する、ガチ系の4WD

というわけで、自動車専門誌の編集長のキャリアを持つカーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏に、エスカレードのどこがスゴいのかを聞いた。

「昔から世界を代表する高級ブランドのひとつがキャデラックです。その最大の特徴はアメリカらしいビッグなボディにクロームメッキを多用し、V8のOHVで優雅に走ること。要するに古き良きアメリカンラグジュアリーの現代版であり、その最高峰がエスカレードというわけです」

この巨大にも程があるボディ、そして他の追随を許さない圧倒的な存在感こそがエスカレードスポーツのストロングポイントなのだという。

「これだけド派手ならどこを走っても目立ちます。注目を浴びたい人にはピッタリ。だからセレブ御用達なのです」

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