日産 サクラ 価格:254万8700~304万400円 昨年6月にデビューしたサクラ。累計販売台数は4万2000台以上。昨年末に受注を再開。現在、納期は最短で3ヵ月程度という 日産 サクラ 価格:254万8700~304万400円 昨年6月にデビューしたサクラ。累計販売台数は4万2000台以上。昨年末に受注を再開。現在、納期は最短で3ヵ月程度という

軽のレベルを超越した室内。9インチのディスプレイと7インチのメーターを統合したインターフェースディスプレイが目を引く 軽のレベルを超越した室内。9インチのディスプレイと7インチのメーターを統合したインターフェースディスプレイが目を引く

G7広島サミットで取り上げられた、走行中にCO2を排出しないZEV(ゼロエミッション車)。実は国内の自動車メーカーが放つZEVはバラエティ豊かで、かなり面白い。では、いったいどんなクルマがあるのか? そして、その実力と魅力とは?

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■昨年売れに売れた2台の軽EV

排ガスを発生させないZEV(ゼロエミッション車)に注目が集まっている。その理由は補助金。経済産業省からCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)。さらに自治体からも補助金が別途交付される場合も。ZEVは最新技術マシマシなので、どうしても値段が高い。

だが、CEV補助金を利用すれば軽EV(電気自動車)は最大55万円、EVが85万円、FCEV(水素燃料自動車)は255万円が交付される。

てなわけで、今回は粒ぞろいの国産ZEVを厳選紹介する。まずは昨年のクルマ関連の賞を総ナメにし、軽EV旋風を巻き起こした日産サクラと三菱eKクロスEVの兄弟車から。この2台の軽EVはアライアンスを組む2社が総力を結集し、世に送り出したEV普及の〝ゲームチェンジャー〟。

eKクロスEV 価格:254万6500~308万1100円 三菱ならではの個性的な顔面がキラリと光る。eKクロスEVは、兄弟車の日産サクラと比べると、ややカジュアルな乗り味に感じられる eKクロスEV 価格:254万6500~308万1100円 三菱ならではの個性的な顔面がキラリと光る。eKクロスEVは、兄弟車の日産サクラと比べると、ややカジュアルな乗り味に感じられる

コックピットはデジタルメーターやナビ画面、シフトセレクター周辺は専用となるが、それ以外はほぼeKのガソリンモデルと同じ コックピットはデジタルメーターやナビ画面、シフトセレクター周辺は専用となるが、それ以外はほぼeKのガソリンモデルと同じ

自販連(日本自動車販売協会連合会)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)、JAIA(日本自動車輸入組合)が発表した集計によると、昨年度のEV国内販売の台数は前年比3倍超となる7万7238台をマーク。

この数字の半分を占めたのがサクラ(3万3097台)とeKクロスEV(7657台)の兄弟車。国内のEV販売が好調というより、軽EVが売れに売れたというほうが正確である。

では、軽EVが日本市場にマッチングしたポイントはどこか? まず挙げられるのがその価格。航続距離は日常使いのみと割り切り、あえて180㎞に。この戦略により高額な電池代を抑えることに成功し、国の補助金などを使えば200万円以下というお手頃価格を実現した。

もちろん、サクラとeKクロスEVの魅力は価格だけではない。乗ればわかるが、軽自動車に対する概念が覆される。モーターによる滑らかさと余裕の加速、そしてボディ剛性の高さが織り成すハーモニーは唯一無二。爆売れも納得である。

日産 アリア 価格:539万円 静粛性が高く、乗り心地も上質。加速は鋭いが、決して暴力的とかヤンチャな印象ではなかった。むしろ次世代の高級車って感じ 日産 アリア 価格:539万円 静粛性が高く、乗り心地も上質。加速は鋭いが、決して暴力的とかヤンチャな印象ではなかった。むしろ次世代の高級車って感じ

EVらしい近未来感のあるコックピット。クルマを起動させると、即座にエアコンの操作パネルが浮かび上がってくるのが面白い EVらしい近未来感のあるコックピット。クルマを起動させると、即座にエアコンの操作パネルが浮かび上がってくるのが面白い

EVのパイオニアである日産のフラッグシップにも触れておきたい。アリアはSUVタイプのEVで、走り出すとその爽快さと遮音性の高さに驚く。

室内空間の注目はパネルと融合した空調などのコントローラー。タッチ式だが、触覚提示技術により、手応えを感じるからマジで不思議。高速道路ではハンズオフドライブも可能で、未来感鬼盛り。ただし、オーダーストップ中なのが残念無念。

トヨタ bZ4X 価格:600万~650万円(サブスクとリース) スバル ソルテラ 価格:594万~682万円 トヨタとスバルのコラボEVがbZ4Xとソルテラ。基本性能はほぼ同じだが、販売方法は異なる。bZ4Xはトヨタのサブスク「KINTO」とリース販売のみ。ソルテラは通常の販売方式で購入できる トヨタ bZ4X 価格:600万~650万円(サブスクとリース) スバル ソルテラ 価格:594万~682万円 トヨタとスバルのコラボEVがbZ4Xとソルテラ。基本性能はほぼ同じだが、販売方法は異なる。bZ4Xはトヨタのサブスク「KINTO」とリース販売のみ。ソルテラは通常の販売方式で購入できる

続いて紹介するのは、4月にソフトウエアのアップデートが発表された、トヨタとスバルが共同開発したEV。トヨタがbZ4Xで、スバルがソルテラ

昨年5月にデビューしたが、わずか1ヵ月でリコールを発表して出荷停止に。その影響もありメディアの露出は激減。存在感が薄いという声も一部にあるがクルマの出来は別。

bZ4Xとソルテラの走りは非常に洗練されており、加えて安心感も高い印象。ソルテラはハンドルから手を離すことなくギア操作が可能となるパドルシフトを備える。

トヨタ ミライ 価格:710万円6000~860万円 流麗な4ドアクーペのようなFR(後輪駆動)フォルム。ちなみに秀逸な自動運転レベル2を搭載。高速道路ではハンズオフが可能 トヨタ ミライ 価格:710万円6000~860万円 流麗な4ドアクーペのようなFR(後輪駆動)フォルム。ちなみに秀逸な自動運転レベル2を搭載。高速道路ではハンズオフが可能

中央には12.3インチの超ワイドディスプレイが鎮座。メーターはフル液晶。室内の圧倒的な先進性と高級感は他の追随を許さない 中央には12.3インチの超ワイドディスプレイが鎮座。メーターはフル液晶。室内の圧倒的な先進性と高級感は他の追随を許さない

大トリは20年12月に発売されたトヨタのFCEV・2代目ミライ。走行中は水のみを排出する〝究極のエコカー〟。航続距離は問答無用の850㎞。しかも走りはスポーティ。正直言って初代の見た目はアレだったが、2代目はマジでカッコいい。あとは水素ステーションの数が増えるのを祈るのみ!

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