新型はコンパクトな車体に、ヨンヒャク史上最強のパワーがブチ込まれた。4気筒の咆哮にアオキも大コーフン 新型はコンパクトな車体に、ヨンヒャク史上最強のパワーがブチ込まれた。4気筒の咆哮にアオキも大コーフン

7月15日、ニッポン発売となったカワサキの新型バイクの試乗会が千葉県のサーキットで行なわれた。そこで、モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏が全開ガチ試乗をカマし、その実力に迫った!

■すでに年間販売台数の半数以上が売れた!

今回の試乗で、アオキが何度も何度も絶頂へ達したのは4気筒エンジンだ。胸のすく高周波サウンド、そして1万から1万5000回転の範囲が特にエキサイティング! もちろん、レッドゾーンの始まる1万6000回転までパワーは衰え知らず。ヨンヒャク史上最高80馬力の鬼スペックはダテじゃないっ!

ただ、正直言うと、4気筒エンジンは部品点数が多い精密機械。当然、製造コストはかさむ。そのため、国内市場からは近年、各バイクメーカー自慢の名車が次々と姿を消した。価格を上げづらい普通二輪クラスでは、「もう二度とお目にかかれないかもなぁ」という諦めの声がバイク業界を占めていた。

しかし、そこはわが道を突き進む〝漢〟カワサキ。DOHC4バルブの並列4気筒エンジンを新開発! 2020年にニンジャZX-25Rを市場にブチ込み、ファンらのド肝を抜いた。そして、今度はヨンヒャク4発の登場だ。

カワサキ ニンジャZX‐4RR KRTエディション 価格:115万5000円 低く構えた戦闘的なスタイル。サイドエアダクトは走行風をエンジン周辺に導く。熱を放出しつつ、アグレッシブな姿も引き立てる カワサキ ニンジャZX‐4RR KRTエディション 価格:115万5000円 低く構えた戦闘的なスタイル。サイドエアダクトは走行風をエンジン周辺に導く。熱を放出しつつ、アグレッシブな姿も引き立てる

今春のモーターサイクルショーにニンジャZX-4RRが展示されると、クラス唯一となる4発、しかも前代未聞のハイパワーとあって大反響が巻き起こり、速攻で国内ラインナップに名を連ねた。

ちなみに年間予定販売台数は発表されていないが、「すでに受注は半数以上に達しています」とカワサキの担当者は手応えを口にする。ZX-25Rに続く大ヒットは、既定路線という感じだ。

最上級のRRはライムグリーンのスポーティバージョン。フルアジャスタブルなSHOWA製リアショックも装備 最上級のRRはライムグリーンのスポーティバージョン。フルアジャスタブルなSHOWA製リアショックも装備

背景色を白か黒に選択できる4.3インチカラー液晶メーター。自動調光機能も備え走行に必要な情報が見やすい 背景色を白か黒に選択できる4.3インチカラー液晶メーター。自動調光機能も備え走行に必要な情報が見やすい

実は発売直前にジャーナリスト向け試乗会が「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」(千葉県袖ケ浦市)で開催された。

今年一番の注目マシンをサーキットで走らせるとあって、各二輪専門誌は世界の舞台で戦ってきたレジェンドや現役トップのライダーたちを起用。その豪華なメンツにアオキもびんびんにたぎり全開走行で立ち向かったものの、当然ながら見事にブチ抜かれた(笑)。

ピットでは凄腕(すごうで)ライダーたちから、「もっと早くインについたほうがいい」「立ち上がり重視のラインで」というアドバイスをいただいた。

何が言いたいのかというと、アオキのようなサーキットの猛者でなくともZX-4RRは自分のベストを尽くす攻めの走りが、トップライダーたちと同じように(タイムに雲泥の差はあるものの)楽しめる。開発責任者の成岡翔平(なるおか・しょうへい)氏もこう語る。

「エキスパートからビギナーまで、それぞれにとって最適な一台かと」

確かに大きすぎないジャストフィットする車体、スリムな形状の燃料タンクは、マシンとの良好な一体感を実現。車体重量もZX-25Rからわずか5㎏増しの189㎏に抑えてある。

LEDテールライトを備えたリア回りはスリムでレーシー。サーキット走行時はリアフラップを脱着できる LEDテールライトを備えたリア回りはスリムでレーシー。サーキット走行時はリアフラップを脱着できる

4発ならではのクリアかつ迫力のあるエキゾーストノートを奏でる集合マフラー。バンク角を稼ぐためカチ上げに 4発ならではのクリアかつ迫力のあるエキゾーストノートを奏でる集合マフラー。バンク角を稼ぐためカチ上げに

ZX-4RRのネガティブな部分を挙げるとするなら、この重量増だろう。だが、この重量増はフロントブレーキをデュアル化し、タイヤサイズをワンサイズアップ、快適性を向上させた結果でもある。

そんな足回りをネチネチ味わうと、ラジアルマウントモノブロックキャリパーを持つブレーキは制動力やタッチが秀逸。前後のサスペンションもしなやかに動く。

勘違いしてほしくないのは、ZX-4RRは、サーキット専用のハードコアなモデルではないということ。乗り手や用途を選ばない、オールマイティな性格に仕上がっている。腕を磨きながら長く付き合えるマシンなのだ!

試乗を終えたアオキ(左)の直撃に、カワサキの開発陣は「一般道でも快適という点にもこだわった」と語る 試乗を終えたアオキ(左)の直撃に、カワサキの開発陣は「一般道でも快適という点にもこだわった」と語る

●青木タカオ 
モーターサイクルジャーナリスト。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み[第4版]』(秀和システム)など。『ウィズハーレー』(内外出版社)編集長。YouTubeチャンネル『バイクライター青木タカオ【~取材現場から】』を運営

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