【第1位】ヤマハ XSR125 価格:50万6000円 1位に輝いたXSR125(手前)には兄弟モデルが存在。それが写真奥のMT-125(左)とYZF-R125(右)。基本的にエンジンと骨格は共通も、見た目は大きく異なる 【第1位】ヤマハ XSR125 価格:50万6000円 1位に輝いたXSR125(手前)には兄弟モデルが存在。それが写真奥のMT-125(左)とYZF-R125(右)。基本的にエンジンと骨格は共通も、見た目は大きく異なる

"びんびん"とは何か? 男心を刺激するにも程がある珠玉のバイクのことである。今年、各バイクメーカーからブッ放された魅惑のマシンの中から、7台の受賞車を独断のみで決定。選考委員長は取材の鬼、モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏!!

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■ヤマハの原二が1位に輝いたワケ

――それでは青木委員長、早速発表をお願いします。

青木 発表します。栄えある第1位はヤマハのXSR125に決定しました!

――近年、爆売れを続ける原付二種(125cc)クラスの新型ですね。

青木 はい。日本自動車工業会によると約10年前と比べ、原二の出荷台数は30%以上増え、ニッポンのバイク市場の約33%を占めています。

――多くのライダーが沼る、チョー激戦区に投入されたヤマハの新型ってどんなバイク?

青木 新型は魅惑のフルサイズボディに加え、10月から毎月立て続けに3機種が市場に投入されました。先陣を切ったのは、10月16日発売のYZF-R125。

続いて11月10日発売のMT-125、そして大トリを飾ったのが12月8日発売のXSR125。見た目こそ違いますが、エンジンと基本骨格は共通という3兄弟なので、まるっとすべて表彰したいところですが、1台を選ぶならXSR125で決まり! 

――その理由は?

青木 XSR900やXSR700という兄貴分がそうであるように、ヤマハが誇る往年の名車をオマージュしたスタイルを踏襲しつつも、現代的な先進装備を持つ、いわゆる〝ネオレトロ〟と呼ばれる激アツの人気スタイルに仕上がっているからです。

――ところで、ヤマハはなぜ3台も連続投入した?

青木 ライダーの若返りを本気で考えた結果ですね。

――ん? どういうこと?

青木 現在、新車・中古車を問わず、バイクは値が張ります。そこで若者やビギナーがもっと手軽にバイクライフを始められるよう、ヤマハはお手頃価格の125㏄クラスに本腰を入れ、ラインナップを充実させたってわけです。

――試乗した感想は?

青木 まず、車体が大柄で上質感がある。前後のタイヤサイズは大型モデルも採用する17インチで、ハンドリングは軽快ながらも落ち着きがあり、乗り心地も125㏄とは思えないほど快適です。

倒立式フロントフォークや専用設計の多機能デジタルメーター、LEDの灯火器類などクラスを超えた装備は圧巻! 開発チームも「妥協なしに造りました!」とドヤ顔でした。

――でも、125㏄って非力なイメージがあります。

青木 ところが、このヤマハの〝シン・125㏄3兄弟〟は全域で力強く、アクセル操作にレスポンス良く反応します。これは可変バルブ機構を搭載しているからで、7400回転で低中速用から高速向けのカムに切り替わる。上級スポーツモデルに採用されてきた技術を惜しみなくブチ込んだ、まさにびんびんモデル!

【第2位】ホンダ CL250 価格:62万1500円 アップハンドルがもたらす余裕ある乗車姿勢、手頃な価格、そして「どこでも映えるバイク」として、多くの若者ライダーを魅了 【第2位】ホンダ CL250 価格:62万1500円 アップハンドルがもたらす余裕ある乗車姿勢、手頃な価格、そして「どこでも映えるバイク」として、多くの若者ライダーを魅了

――そろそろ2位を。

青木 びんびんさならホンダのCL250も負けていません! シンプルな車体構成で、オールマイティに使えるのがポイント。前輪は不整地も走れるように19インチと大きく、おおらかなハンドリングを生み出している。

単気筒エンジンは市街地で多用する低中速トルクが太くて扱いやすい。90年代後半に大ブームとなったストリートバイクの気軽さとファッション性を兼ね備え、若者ライダーに大人気!

【第3位】カワサキ ニンジャZX‐4R/RR 価格:112万2000円/115万5000円 ジャパンモビリティショーに出展され、ファンを感涙させたZXRカラーを踏襲したニンジャ40周年記念車が12月23日に発売!! 【第3位】カワサキ ニンジャZX‐4R/RR 価格:112万2000円/115万5000円 ジャパンモビリティショーに出展され、ファンを感涙させたZXRカラーを踏襲したニンジャ40周年記念車が12月23日に発売!!

――3位はどうなる?

青木 カワサキのニンジャZX-4R/RRです。完全新作の4発(4気筒エンジン)にはド肝を抜かれました。甲高いサウンド、そしてクラス最高の77馬力が織り成すパワーのカタマリ感は実に官能的。車体はニーハン並みに軽く、加速はOhモーレツ! 

■ファンを悶絶させたカワサキの人気モデル

【第4位】スズキ Vストローム250SX 価格:56万9800円 Vストローム1050DEや、Vストローム800DEという兄貴分と共通のフロントマスクを与えられたこともあり、ファンらは狂喜乱舞 【第4位】スズキ Vストローム250SX 価格:56万9800円 Vストローム1050DEや、Vストローム800DEという兄貴分と共通のフロントマスクを与えられたこともあり、ファンらは狂喜乱舞

――4位をどうぞ。

青木 スズキⅤストローム250SXは外せない。スリムで足の長い車体に、スズキ伝統の〝油冷エンジン〟を新開発して搭載!

フロントには19インチの大径ホイールを備えており、オフロードの走破力はハンパない。くねくね道の続く峠もキビキビ走り、クラスを超えたクルージング力と快適性能を持ち合わせていて長旅の相棒にもなってくれる。

8個のLEDを3列に配置したヘッドライトは精悍! ライトウエイトアドベンチャーの楽しさを見事に体現し、ニーハンの価値を一気に上げてくれました。

【第5位】カワサキ Z900RS イエローボールエディション 価格:156万2000円 1972年に発売されたカワサキが誇る伝説の名車Z1を知る、おじさまたちの心に突き刺さるカラーリングもあり、売れに売れている 【第5位】カワサキ Z900RS イエローボールエディション 価格:156万2000円 1972年に発売されたカワサキが誇る伝説の名車Z1を知る、おじさまたちの心に突き刺さるカラーリングもあり、売れに売れている

――そして5位はなんだ?

青木 2017年末の発売から破竹の勢いで売れ続けるカワサキZ900RSに、イエローボールエディションが新登場!

Z900RSは1972年に発売された伝説の名車Z1をオマージュしたモデルで、キャンディグリーンとイエローのカラーは火の玉カラーと並ぶチョー人気色。重ね塗りを施す現代の最新技法で、艶やかさと重厚さを表現しながら、令和によみがえらせました。

さらにサイドカバーのエンブレムは「Z900RS」ではなく、Z1がそうだったようにあえて「900」に変更するなど、往年のファンならびんびん&悶絶ヨガリ泣き確実です!

【第6位】ハーレーダビッドソン X350 価格:69万9800円 「大排気量のV型2気筒エンジンを搭載してこそハーレー!」という声もあるが、過去には350㏄以下のモデルやスクーターも存在 【第6位】ハーレーダビッドソン X350 価格:69万9800円 「大排気量のV型2気筒エンジンを搭載してこそハーレー!」という声もあるが、過去には350㏄以下のモデルやスクーターも存在

――6位にいってください。

青木 〝中免(普通二輪免許)で乗れるハーレー〟として話題を呼んだX350です!

――10月20日に鳴り物入りで発売されましたが、最新の販売状況はどんな感じスか?

青木 発売1ヵ月で1000台もの受注が入りました。ハーレーダビッドソンジャパンは、導入数を大幅に増やし、空前の大熱狂に対応していくとのこと。人気びんびん!

【第7位】ホンダ EM1e: 価格:29万9200円 フル充電での走行距離は約53㎞を実現。青木氏が手にしているのは交換式バッテリー。このバッテリーは国内の二輪メーカーと規格を統一 【第7位】ホンダ EM1e: 価格:29万9200円 フル充電での走行距離は約53㎞を実現。青木氏が手にしているのは交換式バッテリー。このバッテリーは国内の二輪メーカーと規格を統一

――いよいよ7位です。

青木 ホンダの国内一般向けでは初のEVモデルとなるEM1e:です。これまで法人向けのリースで、ホンダは徹底的にデータを収集し、技術とノウハウを高めてきました。まずは最も手軽な原付一種で発売し、多くの人にEVに親しんでもらうのが狙いです。

アオキが高く評価したのは、車体から取り外して持ち運びのできる交換式バッテリー。こちらはカワサキ、スズキ、ヤマハと共通仕様にし、エネオスの交換ステーションなどでシェアリングできます。脱炭素実現への大きな第一歩ってことで、2023年の神セブンにランクイン!

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