今回試乗したDS4は、今年3月に生成AI「チャットGPT(バージョン3.5)」をブチ込まれた最新モデルで、爆誕ホヤホヤ 今回試乗したDS4は、今年3月に生成AI「チャットGPT(バージョン3.5)」をブチ込まれた最新モデルで、爆誕ホヤホヤ

欧州自動車大手ステランティスの高級ブランド・DSオートモビルの主力モデルが話題を集めているという。てなわけで、カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏が、噂のおフランスカーを公道試乗!!

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■1.6リットル直4ターボとモーターのPHEV

――今回取り上げるのは、仏DSオートモビルのDS4です。そもそもDSって?

渡辺 かつてのDSは、仏シトロエンがラインナップする上級車種でした。誕生はトヨタの初代クラウンと同じ1955年ですが、シトロエンDSは内外装のデザインから走りまで、すべてが独創的かつ先進的でした。

外観は宇宙船のような丸みのある形状で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は3mを軽く上回る。そのため車内はとても広かった。

――ほおほお。

渡辺 注目すべきはハイドロニューマチックという技術で、油圧ポンプから送り出されるオイルによりサスペンション、ブレーキ、ステアリングなどを制御しました。

当時のシトロエンは、他社に比べるとすさまじい技術を備えており、その象徴がDSでした。ただしメカニズムが凝っていたので、日本での修理費用は超高額だったそうです。

――そんなDSはいつまで生産されたんスか?

渡辺 1970年代の中盤まで生産されました。その先進的な発想を受け継いだブランドが今のDSです。当初はシトロエンの個性派モデルでしたが、現在は独立して、欧州自動車大手ステランティス自慢の高級ブランド「DSオートモビル」となりました。

DSオートモビル DS4 エスプリ・ド・ヴォヤージュ E-テンス 価格:695万6000円 2種類の星というかダイヤモンド的な形で構成されているフロントグリル。たぶんこういう顔面をエレガントと呼ぶのだろう DSオートモビル DS4 エスプリ・ド・ヴォヤージュ E-テンス 価格:695万6000円 2種類の星というかダイヤモンド的な形で構成されているフロントグリル。たぶんこういう顔面をエレガントと呼ぶのだろう

――今回試乗したモデルは?

渡辺 現在のDSはコンパクトなDS3、主力のDS4、DS7、DS9と4車種から選べます。今回はDS4エスプリ・ド・ヴォヤージュE-テンスに試乗しました。

――DS4は話題の生成AI「チャットGPT」も搭載しているそうですね?

渡辺 DSのボイスコントロール機能にチャットGPTが備わり、「オーケー、アイリス!」と呼びかけた後でしゃべると、カーナビの目的地設定やエアコンなどの操作だけでなく、DS4と対話しながら運転もできます。

ボディの各所に鋭く立体的なラインが入っており、まるで彫刻作品。製造が大変そうだ ボディの各所に鋭く立体的なラインが入っており、まるで彫刻作品。製造が大変そうだ

玄人筋から美しいと評判の後ろ姿。トランクはハンズフリーの電動タイプ。荷室は390リットル 玄人筋から美しいと評判の後ろ姿。トランクはハンズフリーの電動タイプ。荷室は390リットル

――ふむふむ。それにしても外観は、「個性爆発!」という感じの仕上がりです。

渡辺 フロントマスクやボディの側面に、鋭角的なキャラクターライン(クルマの基本的形状を構成する線)が入ります。日本人だと「アクが強い!」と感じるかもしれませんが、DS4は2022年にパリで開催された第37回国際自動車フェスティバルで、「世界で最も美しいクルマ」に選ばれています。

シフト上部にある5インチのタッチ式ディスプレーでもインフォテインメントシステムの操作を行なえる。近未来感ギンギン シフト上部にある5インチのタッチ式ディスプレーでもインフォテインメントシステムの操作を行なえる。近未来感ギンギン

シートはレザータイプ。ダッシュボードとドアトリムがまとうのはナッパレザー シートはレザータイプ。ダッシュボードとドアトリムがまとうのはナッパレザー

――内装はいかがです?

渡辺 インパネは立体的で、中央にはカーナビの地図などを表示できる10インチのタッチスクリーンが装着されています。デザイン優先の結果だと思いますが、私はシルバーの内装パーツがサイドウインドーに映り込むのが気になりましたね。

――日本車との違いはどこ?

渡辺 特にシートですね。座り心地が柔軟で、体が少し沈んだところで確実に支える。ドイツ車のような体を拘束するような印象はありませんが、正確な運転が行なえて長距離移動でも疲れにくい。

――運転した印象は?

渡辺 全幅は1830㎜と少しワイドですが、全長は4415㎜に収まり、街中でも扱いやすい。また、全高を1495㎜に抑えているので、立体駐車場も使えます。

――パワーユニットは?

渡辺 直列4気筒1.6リットルをベースにしたプラグインハイブリッドです。12.4kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、1回の充電で60㎞以上のEV走行が可能です。

1.6リットル直4ターボ+モーターのプラグインハイブリッド。上質で爽快な加速がタマらない 1.6リットル直4ターボ+モーターのプラグインハイブリッド。上質で爽快な加速がタマらない

――へぇー。

渡辺 エンジンは1.6リットルターボ+モーターなので加速性能には余裕がある。ちなみにガソリンエンジンに置き換えると3.5リットル前後の性能ですね。

――スゲェ!

渡辺 ステアリング操作に対して進行方向が正確に変わるため、車両との一体感も味わえますよ。

――どんな人に推します?

渡辺 クルマの美しさや先進性、味わい深さを大切にする人でしょうね。個性的な外装色も選べますので、他人と違うクルマに乗りたい人にもピッタリだと思います。

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