今回試乗したモデルの価格は1644万円だが、オプション全盛り状態だったので総額は2000万円超。冷や汗をかきながら試乗した 今回試乗したモデルの価格は1644万円だが、オプション全盛り状態だったので総額は2000万円超。冷や汗をかきながら試乗した

2018年からニッポン市場で愛されてきた、ポルシェ自慢のSUV、3代目カイエンが改良を受けて話題を集めている。どこがどう変わったの? つうわけで、高速道路や一般道で徹底チェックした!

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■V8ツインターボの最高出力は474馬力!

3月12日にポルシェが発表した2023年の通期(1~12月)決算によると、売上高と営業利益はダブルで過去最高をマーク。絶好調な業績を支えたのは世界新車販売で、昨年のポルシェは前年比3%増となる32万台超で過去最高! オマケに3年連続30万台超えも達成した。

ニッポン市場でもポルシェの販売はアゲアゲ! JAIA(日本自動車輸入組合)によれば、昨年のポルシェの新車販売台数は過去最高となる8002台(前年比11.2%増)を記録。売れ筋は1000万円以上というセレブ価格にもかかわらず、飛ぶように売れた。

そんなポルシェの稼ぎ頭のひとつが今回紹介するSUVのカイエン。実は2002年に初代がデビューした際、一部の専門家やファンから、「ポルシェにSUVはいらん!」とか「スポーツカーブランドのポルシェは死んだ!」と容赦のない大ブーイングを浴びせられたという。

しかし、フタを開ければ世界中で爆売れ! 今やポルシェの屋台骨を支える大黒柱カーのひとつに成長し、外野のブーイングを見事黙らせた。

ズバリ、カイエンの魅力は?

「大人4人がゆったりと座れるポルシェです。家族カーとして使いやすいため、ロングセラーとなっています」(販売店関係者)

ポルシェ カイエンSクーペ 価格:1644万円 2018年からニッポン市場で発売されている3代目カイエン。今回の改良は内外装はもちろん、エンジンまで変更する激アツぶり ポルシェ カイエンSクーペ 価格:1644万円 2018年からニッポン市場で発売されている3代目カイエン。今回の改良は内外装はもちろん、エンジンまで変更する激アツぶり

というわけで、ポルシェのドル箱モデルの魅力に迫るべく、最新のカイエンを試乗してみた。

具体的には昨年4月にマイチェンを受けた3代目カイエンSクーペ。この改良モデルの注目はパワーユニット。改良前はV6の3リットルだったが、V8の4リットルツインターボに変更、最高出力は背の高いSUVながらギンギンの474馬力を誇る。ほかにはどこが変わったのか?

「ヘッドランプが変更された関係で、フロントマスクなどに手が入っています。もちろん、室内もブラッシュアップされています」(販売店関係者)

魅惑のデカボディのため取り回しに気を使う。狭い道やコインパーキングなどではヒヤヒヤした 魅惑のデカボディのため取り回しに気を使う。狭い道やコインパーキングなどではヒヤヒヤした

荷室の容量は625リットル。後席を倒せば1540リットルまで拡大し、不満はない。グラマラスな後ろ姿がそそる 荷室の容量は625リットル。後席を倒せば1540リットルまで拡大し、不満はない。グラマラスな後ろ姿がそそる

実車を前にした率直な感想は、デカッ! それもそのはず。全長は4930㎜×全幅1983㎜×全高1678㎜、車重は2250㎏という爆裂デカボディの持ち主なのだ。一方で、フロントマスクや外観の至る所にポルシェの象徴ともいえる911のにおわせが仕込まれており、男心をシッカリ刺激してくれる。

デジタル化されたモニターがバーンと目に飛び込んでくるコックピット。未来感がハンパない。ちなみにスタートボタンはプッシュ式 デジタル化されたモニターがバーンと目に飛び込んでくるコックピット。未来感がハンパない。ちなみにスタートボタンはプッシュ式

コーフンを抑えながらコックピットに滑り込む。乗降性は思っていたより悪くない。とはいえ、背の高さを感じないといったらウソになる。

事実、見晴らしがいい。運転席に腰かけてインパネを眺める。水平基調のデザインは実に機能的。シートのホールド性も高く、ハンドルに手を置くと、ポルシェのクルマに乗ってる感がハンパない。

4リットルのV8ツインターボに8速ATを組み合わせる。最高出力は474馬力、最大トルクは600Nm 4リットルのV8ツインターボに8速ATを組み合わせる。最高出力は474馬力、最大トルクは600Nm

だが、474馬力のV8ツインターボを堪能すべく、発進しようとして途方に暮れた。シフトレバーが見つからなかったからだ。実は改良によりシフトレバーは小さくなり、デジタル化されたメーターの左端に配置されていたのだ。最新モデル恐るべし!

いざカイエンを動かして驚いた。見た目は魅惑のデカボディだが走り出すとその印象はガラリ。スポーツカーのようにボディ全体がビシッと引き締まっていたからだ。

そして、高速道路の合流でアクセルを踏み込むと、カイエンSクーペが隠し持つ獣性がモロ出しに! その加速は豪快のひと言。最高に楽しい。正直、SUVなので高をくくっていたが、マジで速かった。

試乗後、確認したら時速100キロ到達は4.7秒、最高時速は273キロ! しかし、速度が出てもボディ剛性の高さもあり不安はなかった。

家族カーとして使え、その気になればスポーツカー顔負けの走りも味わえる。この二刀流こそが、カイエンが世界で愛される理由のようだ。

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