アイオニック5は24年11月8日に大幅改良モデルの販売を開始 アイオニック5は24年11月8日に大幅改良モデルの販売を開始
「脱炭素カーの大本命はEV」「世界のトレンドはEVだ」などと一部メディアが異様にワッショイしてきたEV(電気自動車)。ところが、ここにきてEV普及の勢いが急減速。これまで声高に「EVシフト」を掲げてきた世界の大手自動車メーカーも相次いで計画の撤回などを発表している。そんな曲がり角に立つEVをいまこそ応援したい! というわけで、週プレ自動車班が徹底取材の上、勝手に選んだ珠玉のEVを一挙大公開!!

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■韓国EVの出来映えがハンパねぇ!

週プレ自動車班が勝手に選んた栄えある1位は、2021年にデビューしたクロスオーバータイプのEV・韓国ヒョンデのアイオニック5だ! 

このアイオニック5は、22年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを見事戴冠した逸品カー。事実、世界累計販売台数は34万台を軽く突破しているという。

余談だが、ヒョンデが日本市場に参入したのは2001年。その当時はヒュンダイを名乗っていた。しかし販売が伸び悩み、09年に日本から撤退。そんなヒョンデが12年ぶりに日本市場に殴り込み、リベンジに挑む。その切り込み隊長を任されたのが、ヒョンデが誇る世界戦略車のアイオニック5である。

実車を目の当たりすると、外観も内装も近未来的。加えて、エコカーのEVらしくリサイクル素材などを使用しているのも好印象。

いざ走り出すとモーレツのひと言! 2t超のヘビー級ボディを忘れさせる鬼加速を披露。しかも、EVらしく路面を滑るように進み、室内はチョー静か。タイヤが路上を転がる音も風切り音もあまり気にならない。正直言うと、「コレ、ドイツ車なんだよ」と言われても思わず納得してしまう。そんな仕上がりだ。

ご存じの方も多いと思うが、ヒョンデ自動車グループは、23年の世界新車販売でトヨタグループ、フォルクスワーゲングループに次ぐ3位に立った自動車メーカーである。日本市場では韓国車というだけでネガティブに捉えるクルマ好きも多いと耳にする。しかし、食わず嫌いはマジでもったいない。

24年11月13日から「タイカンGTS」の改良モデルの予約注文を開始 24年11月13日から「タイカンGTS」の改良モデルの予約注文を開始
続いて2位はポルシェ初のEVタイカン。ドジャースの大谷翔平選手が背番号を譲ってくれた同僚投手の妻にタイカンをプレゼントし、24年大きな注目を集めたのは記憶に新しいところ。

ちなみに週プレ自動車班が試乗したタイカンのお値段は2317万2000円! 試乗モデルは21年11月にニッポン市場に導入されたタイカンGTSだ。スペックも鬼で、最高出力は通常の走行モードで517馬力。時速100キロ到達はたったの3.7秒である。「EVはエコカー」という常識が一瞬で吹っ飛ぶギンギンぶり。

実際に試乗すると、4ドアのEVだが、ポルシェのスポーツカーに乗っている感がビシバシ伝わってきた。見た目もそうだが、乗り味も完全にポルシェのそれ。楽しくないわけがない。高嶺の花EVにシビレっぱなしであった。

軽EVのサクラは24年5月30日に改良を受けた 軽EVのサクラは24年5月30日に改良を受けた
3位は日産のサクラ! EVのパイオニアである日産の会心作で、軽自動車の概念をひっくり返した超感覚EVである。

事実、走りは俊敏で、加速は鋭く力強い。それでいて乗り味はしなやか。内装の先進さのさじ加減も抜群だ。高速道路を走っても、軽とは思えぬ横風に対する強さと落ち着いた走りを披露する。サクラの開発トップが、「日産の持つ知見と技術という資材を全て投じた」と胸を張っていたのも納得である。

ただし、チョー気持ちのいい走りに浮かれ、高速道路をイケイケドンドン状態で突っ走ると、バッテリー残量にヒヤヒヤすることも。とはいえ、普段使いやチョイ乗りなら、サクラは最高の脱炭素カーである。

というわけで、ぐぁんばれEV!