確定申受付中の今、節税のウラ技としてちょっとしたブームになっているのが「ふるさと納税」だ。
これは、居住地以外の地方自治体への寄付金のことで、2000円以上寄付をすると、一定額まで、原則として所得税と合わせて2000円を除く全額が控除されるというもの。
人気の理由を、分かりやすく税理士の久保直人さんに説明してもらった。
「例えば、宮城県の綾町(あやちょう)に1万円寄付をしたとすると、確定申告で8000円の節税ができます(※目安として、独身サラリーマンで年収230万円以上の人が該当)。しかも寄付をすることで、綾町から5000円相当の特産品がもらえるんです」
つまり、実質2000円の寄付金で、5000円相当の特産品をゲットできてしまうということ。
前出の綾町のHPを見てみると、1万円の寄付で「綾牛ステーキ」「綾ぶどう豚食べ尽くしセット」「完熟マンゴー」「綾産米」など29点の特産品のなかから選択できる。
他市町村でも、北海道紋別市は寄付金1万円以上で「オホーツクの流氷」「紋別産のカニなどの海産物」など5点から選択。鳥取県米子市は寄付金1万円以上で「大山ハムのセット」「大山地鶏のセット」など64点から選択と、かなり豪華な特典がもらえる。
おもしろいところでは、神奈川県三浦市は寄付金3万円以上で「クルーズ利用券」、大阪府池田市は寄付金1万円以上で「ビリケンさんグッズセット」、岐阜県各務原市は寄付金1万円につき「自衛隊岐阜基地オリジナルグッゼセット」など、地方色豊かな特産品も目につく。
いくつもの自治体に寄付しても、実質2000円
この「ふるさと納税」、複数の地方自治体に寄付をしても、限度額以内なら自己負担額の2000円は変わらない。例えば、年収600万円の人が3ヵ所に1万円ずつ寄付をして、それぞれの自治体から5000円相当の特産品を受け取ったとすると、実質2000円で1万5000円の特産品をもらえることになる。
ただし、収入や家族構成によって軽減される限度額が違ってくるので、正確な数字は、寄付の翌年に住んでいる市町村に問い合わせよう。
※独身のサラリーマンの場合の控除限度額の目安 ・年収300万円で1万5000円 ・年収400万円で2万1000円 ・年収500万円で3万1000円 ・年収600万円で3万9000円
寄付という“いいことした感”を味わえる上、実質2000円で特産品がいくつもゲットできる「ふるさと納税」。これから寄付する人は、来年の確定申告で控除を受けることになるのでご注意を。
(取材/浜野きよぞう)