ダラダラと飲み会が続き、せっかくの休みも二日酔いでフイに……。そんな最悪の経験は誰にでもあるはず。
とはいえ、上司から「あと一杯」と言われたらなかなか断りにくいのも事実。そこで、数々の酔客を長年観察してきた飲み屋の店員さんたちに、「上司に気持よく、さっさと帰ってもらう方法」を教えてもらった。
まずは、新宿ゴールデン街のバーテンダーK氏が語る、酔った人が帰るタイミング。
「ひとつ目は自分の許容量を超えて飲んだとき。つまり寝てしまって強制シャットダウン状態になったときなどです。一緒にいる人間が担(かつ)いでタクシーで帰らないといけないのは大変ですけど、暴れたり、警察沙汰になるよりマシでしょう。僕も、めんどくさそうなお客さんにはあえてお酒を濃くして寝かそうとするときがありますよ(笑)」
つまり、思いっきり酔わせてしまうのもひとつの手ということか。ふたつ目は?
「酔った上司がその場を面白くないと感じたときです。だから上司がまったく興味のない、音楽など自分の趣味の話を満面の笑みで一生懸命してみるのもいいでしょう。本当に楽しそうに語ると、上司もなかなか怒りづらいものです。円満な解決法ではありませんが、酒乱の方は翌日あまり覚えていないなんてことも多いので、ひとつの手として覚えておいて損はないでしょう」(K氏)
一番効果的な“逃げ方”は、店員さんに協力してもらう?
楽しんでいるフリをして、相手を退屈にさせる。高等テクニックだが使えそうだ。一方で、トークが苦手な人は、とにかく「店を出る」方向に話を持っていけばいいという。
「例えば、おいしいラーメン屋の話などをして、シメを食べに行く流れにすると解散にもっていきやすいです。
『まだラーメンは早い!』と返された場合はカラオケですかね。カラオケボックスは会話がしづらく、説教などの苦痛や酔った上司が赤の他人にカラむというリスクからは逃げられます。誰かが歌っている間に上司が寝たりすれば、途中で解散もあり得ますよね。とにかく、今いる場所を変えることが重要です!」(K氏)
さらに、居酒屋店員のS氏が過去に見た、上手な“逃げ方”を教えてくれた。
「上司への根回しでうまく帰るお客さんがいましたね。来店早々、上司に『22時までで、私どうしても……』と帰らなければならない時間を伝えていたんです。そして、時間が来たら『楽しいんでもう少し残ります!』と。その後30分もいれば、上司も上機嫌で、先に帰っても気まずくないですよね。上手でした(笑)」
そして、切り札がコレ。
「伝えてもらえれば『制限時間2時間になりました』や『閉店なので』とこちらから場を打ち切ることも可能です」(S氏)
酒乱上司のいる人は、ぜひとも覚えておこう。
(取材/黄孟志)