自分のブログなどに商品やサービスのリンクを貼り、閲覧者がリンク先を訪れて購入したり登録したりすると報酬を得られるアフィリエイト(成功報酬型広告)。

その手軽さから副業としても人気を集めたこのビジネスは今、どうなっているのか?

本業のプログラマーをしながら、約10年のアフィリエイター歴を持つD氏(32歳)が説明する。

「僕は、PCや携帯向けにゲームサイトをつくっていました。そこに広告をペタペタ貼り、訪問者がクリックするとゲームの会員登録画面などに飛ぶ仕組みです。報酬は携帯ゲームの広告で会員登録1件につき300円。PC専門学校の広告だと資料請求1件で1000円。訪問者を増やすために2ちゃんねるにリンクを貼ったり、ドメイン名を人気サイトに似せて、間違えて訪問させる仕掛けもつくりました。最高月収は60万円です」

ところが……。「2年前からサイトの訪問者数が激減して、稼げなくなりました」

その理由について、『ど素人でも稼げるネット副業の本』(翔泳社)の著者・中野貴利人(きりと)氏が明かす。

「大手検索サイトの仕様が変わったのです。グーグルも12年4月に大きく改変し、自分のサイトの検索順位を意図的に上げる“SEO”が難しくなりました。以前は、自分で偽ブログを量産してリンクを貼りまくる裏技が通用しましたが、今は“無価値なサイト”と見なされます」

今、アフィリエイトで稼ぐ秘策は?

となると、もうアフィリエイトで稼ぐのはムリ?

「いえ、市場自体は毎年105~110%も伸びています」(中野氏)

アフィリエイトは、自分のサイトにどれだけ人を集められるかがカギ。検索サイトの仕様が変わった今、どうすればいいのか?

「裏技が効かなくなり、努力した人が、より稼げる環境になりました。例えば、犬好きを集めようと『ドッグフード』をテーマにサイトをつくってもすでに先行者がいます。そこで、検索されやすいワードを組み合せて『パグ専用無添加ドッグフード』などとすると検索上位に入りやすくなります。もちろん、市場調査も大切です」

ほかにもこんな秘策がある。

「アフィリエイターは男性が多いので、化粧品など女性向けのアフィリエイト広告は手薄。そこに特化したサイトをつくるのも狙い目です。ただグーグルで検索上位に定着するまでは数ヵ月かかり、その間は収入0円でサイトの更新を強いられることも……」

孤独な作業をガマンできるか?

(取材・文/奥田圭三郎 頓所直人 興山英雄)