「副業」と聞くと、パソコンに向かったり、部屋の中で作業をしたりと、なんとなくインドアなイメージを抱きがち。しかし、自然と触れ合いながら、ちょっとしたお小遣い稼ぎができることをご存知だろうか? 気軽に始められる、大自然の中の“お宝”を探せ!
■1回の仕事で2回収入が得られる魅力
まず、体力のあるアウトドア好きにオススメなのが「薪(まき)拾い」の仕事。自動車修理業の傍ら、夏の休日は薪拾いに精を出すJ氏(36歳)が話す。
「最初は、農業支援サイトなどに『伐採を手伝います』と登録しておくことによって、声がかかるんです。高齢の地主さんからの依頼が多いですね。季節は7~9月。日当は1万5000~2万円ほど。うっそうとした山林に伐採に行きます」(J氏)
伐採はいいけど、薪はどこで拾うのだろうか?
「実は、伐採で日給をもらった上に、切った間伐材をタダでもらうんですよ。事前の確認が必要ですが、地主さんも間伐材を持て余すので、『持っていっていいよ』というケースが多い。これを薪に加工して売れるので、サイドビジネスとして2倍おいしいわけです」(J氏)
商品化のポイントは、薪をひと冬寝かせて“乾燥済み”にすることだという。
「切りたての生木は煙が出るし、火つきが悪いので人気がありません。軽トラック1台分で350kgほどの生木を乾燥させると280kgほどに減りますが、良質の薪になるので10kgが1000円ほどで売れます。販売先は薪ストーブのショップや、ピザ屋さんですね」(J氏)
でも、軽トラなんて持ってないんですけど……。
「軽トラは友人に借りてもいいし、中古なら買っても安いですよ。チェーンソーも1万~2万円で買えます。ただし、薪を積み上げたり、作業するスペースがないと、ちょっと難しいですね」(J氏)
海辺を散歩しながら“お宝”探し!
■ゴミ同然の流木もお金に変わる
そして、もうひとつは「流木拾い」。伐採や薪の加工は素人にはハードルが高そうだし、軽トラを準備してまではちょっと……、という人にも気軽に始められるのが魅力だ。
やることは、早朝などにビーチを1時間ほど歩くだけ。もちろん、海の近くに住んでいないと難しいが、そもそも、なんでゴミ同然の流木がビジネスとして成り立つのだろうか?
「毎日ビーチを歩いていると、潮の流れで流木が集まるポイントがわかってくるので、その辺りを重点的にチェックしています。拾い集めた流木は、大型で白っぽいものは家具の素材としてネイチャー家具の工房に持ち込み、小型のものは近所の熱帯魚ショップに持ち込みます。ものによって、ひとつ2000~5000円くらいになりますね」(会社員K氏・26歳)
そう、なんの価値もなさそうな流木には、観賞魚の水槽に入れるオブジェとしての需要があるのだ。もちろん、自然に流れてくるものなので所有権もない。
「流木は癒やし系の商品ですから、当然、形の良いものに人気が集まります。大きさは、水槽に入れやすいように20cmぐらいのものがベスト。自然らしさが好まれるので、人工的な切り口だと値段が下がります」(K氏)
さらに淡水の熱帯魚用ならば、流木をグツグツ煮て塩分やアクを抜いておくことによって、より商品価値が高まるのだという。
「どういうものが売れるかわかってきたので、最近、自分でネット通販のショップもつくりました。元手0円で月に5~6万円の稼ぎが目標です」(K氏)
元手もかけず、知識もほとんど必要ないアウトドア系サイドビジネス。自然を満喫しながら、お小遣いを手に入れられるかも?
(取材/奥田圭三郎、頓所直人、興山英雄)