中国では富裕層を相手にした転売ビジネスが大人気。その波は日本にも押し寄せ、iPhone6の発売日には“買い子”と呼ばれる元締めに雇われた中国人たちが列をなし、トラブルとなった。

しかし実は、日本から中国への転売ビジネスは最近始まったものではないという。中国のビジネス事情に詳しいジャーナリストの程健軍(チェン・ジェンジュン)氏が解説する。

「有名なのは時計です。日本製の時計、特にグランドセイコーやザ・シチズンといった高級製品は中国の富裕層に大人気。同じものは中国で安く売られているんですが、やはりみんな日本の店で直接買うか、日本の店のレシート付きの転売品を買いますね。中国の店では外側がホンモノでも中身が偽物とか、そういう被害が後を絶たないんですよ」(程氏)

賢い中国人は中国の店を信用していない、と。いずれにしろ、われわれ日本人には関係ない話かと思いきや……。

「いや、逆方向への転売ならチャンスがあります! 実は今、ひそかにアツいのが女性用の高級下着。中国で下着を買い付け、日本で売りまくれば“ブラジャー御殿”が建つかもしれません」(程氏)

ブ、ブラジャー御殿? でも、日本の女子が中国製下着を買うなんて聞いたことがない。

「客はお金持ちの奥さんが多いみたいです。日本で矯正下着などを買おうとすると、とんでもなく高いんですよ。ナイショで通販で買おうとすると、矯正下着1セットで30万円なんてのもあります。でも、あれって中国で買えば1万円くらいなんですよね」(程氏)

つまり、利ざやが29万円!

「まあ、それは極端なケースですが、日本で10万円の高級下着でも、中国なら3000円くらい。スーツケースいっぱい下着を買って、日本人熟女に売ったら数百万円儲かります。中国からネットで買うこともできますが、本気で儲けたいなら現地で直接買い付けること。『彼女が使う』とか『女装の趣味がある』と言えば、通関でも税金はかかりません」

それだけおいしい話ならば、たとえ変態扱いされてもやるという人が後を絶たなそうだが……。くれぐれも、自己責任でお願いします!

(取材/近兼拓史)

■週刊プレイボーイ41号「中国転売ビジネス ウソみたいな最新事情」(本誌では、iPhone発売時の中国人集団の暴挙、転売ビジネスの裏事情もリポート)