おみやげ市場向けに「ジャイアントポッキー」も発売。1990年には自販機も存在した

「創刊48周年の若者雑誌」という存在の矛盾(笑)を抱える「週刊プレイボーイ」が、さらなる歴史を築いていくため、同じ「1966年生まれ」に聞いた愛され続けるための智恵とは――?

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「持つとこ2センチ」という革命的なアイディアにより、大ヒットとなった「ポッキー」。1966年の販売以来、ロングセラー商品として今も愛される理由はCMにもあるという。

全国展開されると、子供たちが楽しそうにポッキーを食べるCMの効果もあり、目標の3倍以上の売上げを誇る商品に成長。その後もファン層拡大に成功していく。

ポッキーブランドマネージャーの伊藤征樹さんがその秘密を明かす。

「発売当初のユーザーが年齢を重ねたことで、購買層が20代中心になったことを受け、10年目に『いちごポッキー』を発売し、新たに子供たちにポッキーを広めることができました。その一方で、大人向けには『ポッキービター』や『アーモンドクラッシュポッキー』を投入。子供と大人、両方向けの層に新製品を出し続けてきたことが、ポッキーがロングセラーとなっているひとつの要因と考えています」

そこでのCMやプロモーションの巧みさも見逃せない。夜のお店にポッキーを広めた「ポッキー・オン・ザ・ロック」

「これは当時の札幌支店長と開発部課長がバーに行った際、お店がポッキーをマドラー代わりに出してくれたことが発端だと聞いています。冷えておいしい。面白い。キャンペーンにしよう!と」

一方、女子大生ブームのなか、国鉄とコラボしたのが「旅のおともにポッキー」キャンペーン。テレビCMには、松田聖子、菊池桃子、本田美奈子、南野陽子らを起用し「ポッキーを食べるシーン」を広めた。

「登場するタレントさんが豪華なのは、CM、広告、マーケティングの重要性をいち早く理解していた創業社長・江崎利一の考えのもと、テレビ番組『スター誕生!』のメインスポンサーに名乗りを上げたことが始まりです。

当時の裏話ですが、当社はスタ誕から芸能界入りしたタレントのCM起用の優先権を持ち、そのため山口百恵さんをはじめ、岩崎宏美さん、ピンク・レディー、小泉今日子さんらをいち早く起用できました。当社のCMが登竜門であるような流れも、こうして生まれていったのです」

ロングセラーでもユーザーを高齢化させない!

その後もモーニング娘。、松浦亜弥、石原さとみ、仲間由紀恵、柴咲コウなど豪華な顔ぶれが登場し、現在のCMキャラクターは嵐の二宮和也。今年も新たにLINEとコラボしたポッキーを売り出すなど、売り場に刺激を与えるキャンペーン文化は継続され、そうした努力によって、ロングセラー商品にありがちなユーザーの高齢化から逃れている。

「ポッキーは、食べて癒やされ、元気になる。分け合って盛り上がる。週プレさんは、グラビアで癒やされ、回し読みで盛り上がり、男っぽい記事で元気が出る。ポッキーと週プレに求められるニーズは共通しているように思います。お互い50周年目前。頑張っていきましょう」

パッケージに観光名所の写真が入った「旅にポッキー」(81年のパッケージ)

「ポッキー・オン・ザ・ロック」キャンペーンに使われたポスター(77年)

(取材・文/佐口賢作)