牛丼屋やファミレスでサクッと一杯の“ちょい呑み”が流行中。さらに、そのブームの影響か今、酒屋で買ったお酒をその場で飲む「角打ち呑み」が若い世代、それも女子の間で人気となっている。

酒場や酒販店について詳しい、利き酒師ライターの山内聖子氏がこう明かす。

「若い店主のいる角打ちには、若い女性客が集まるという法則があります。例えば、渋谷にある創業明治40年の平野屋酒店。一昨年に若い5代目がクラフトビールを楽しめる角打ちを開業し人気です」

早速伺うと、店内はまるで外国のパブのような雰囲気。そして、冷蔵庫に陳列されたビールの数に驚かされる! 5代目店主の平野明良さんに話を聞いてみた。

「ずっと同じことをやっていたら先細りになるのは目に見えていましたので店舗打ちを考えました。どうせやるなら自分の好きなベルギービールに特化した店をつくりたいと思い、この形にしたんです」

なんと、そのベルギービールの品ぞろえは100種類以上。フルーティで飲みやすいものから重厚なものまで、店主のお眼鏡にかなったビールがずらり。他にも日本やアメリカのクラフトビールなど世界各国のビールも並んでいる。

気になる客層は近所の常連さんの他、付近にオシャレな店も多いせいか、待ち合わせの前にサクッと飲みにくる女性も多いとのこと。

「角打ち呑み」の人気を裏付ける店が登場

そして、そんな「角打ち呑み」の人気を裏付けるような店が登場した。昨年、オープンした日本橋のcisca(シスカ)。ミニストップが手がける、コンビニ業界初の角打ちスタイルで酒が飲める店だ。

商品ラインアップは通常のミニストップよりも高級感重視。オーガニック食品など女性に喜ばれそうな品もそろえている。もちろん、お酒もワインから日本酒、ビールまで豊富。缶詰やスナック菓子などのおつまみもたくさん!

「ただ買って飲めるだけではなく、氷やソーダがついた水割りセット300円があったり、つまみは温めて皿に盛りつけてくれたりと気が利いています。カップ酒にいたっては“熱めにしますか?”と温度を気にして燗(かん)にしてくれるのが嬉しいですね。これからコンビニ業界で拡大しそうな予感がします」(前出・山内氏)

若者向けの新スタイルに加え、ついにはコンビニが参入するなど多彩になっている角打ち業界。今後、競争は激化していきそうだ。