とにかく面倒だ!と、この時期はげんなりする人が多数。サラリーマンなら尚更そんなの関係ないし…となってしまう。  

だが今ドキ、特定支出控除だってバカにならない(記事はこちら→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/11/44805/)。そこで「確定申告なんて怖くない」を合言葉に、美人税理士の野田美和子先生がわかりやすくタイプ別に節税シュミレーション! 今回は…。

【地方テレビ局の女子アナ・みさきさん(25歳)の場合】

皆さん、おはよーございま~す、今朝は、桜のつぼみもほころび始めたここ、ゆめが丘に来ていま~す…なんて、朝の番組のロケ中継、やってま~す。

私、東北の地方局アナです。うちの局、スタジオ組と違って、ロケ組はヘアメイクもスタイリストもつきません。だから、テレビに出る時のほとんどの衣装は自前。毎日となると、そこそこ安くて、テレビ映りがよくて、視聴者の方に品よく見えるお洋服が大量に必要。ローテーションも大変です(笑)。スカート丈とか、先輩アナのチェックもクリアしなきゃならないですしね。

2ヵ月に1度ある社主催のスタイリング講習会とヘアメイク講習会は必ず参加。あと、上司から話し方のスキルアップを指摘され、自腹でアナウンス研修会にも参加しています。

そんな裏の苦労をテレビ視聴者の皆さんにお知らせする必要はないのですが、お給料で服ばっかり買っているので、お小遣いが少なすぎ。ストレス解消に飲みに行きたい! カラオケで絶叫したいの?!(アナ雪が得意)

中途採用で見つけた今の職場、契約社員のステイタスでも、日々の仕事は充実しています。街を歩いて「みさきちゃーん」なんて名前を呼ばれると、涙が出るほど嬉しい。スタイリッシュで元気なみさきをこれからもお見せし続けるために、確定申告をうまく使う方法を教えてください!

衣服代や講習代を経費にできる

【野田先生のアドバイス】 ぜひ「特定支出控除」を利用して確定申告をしましょう。「制服や事務服など勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用」や「職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出」が経費と認められています。みさきさんの場合は両方当てはまりますよ。

約308万円の年収だと、約56万円以上の特定支出がある場合、控除が受けられます。特定支出控除を受けるには会社の証明が必要です。堂々とそれをもらって確定申告をしてみましょう! そして毎朝、明るい笑顔を届けてくださいね。

【データ】 《みさきさんの年収》 308万4000円(契約社員)

《みさきさんが控除できる経費》 ・衣装代…60万円 ・アナウンス研修費…36万円 合計 96万円

【特定支出控除で戻ってくる金額】 2万900円

*各シミュレーションは、会社員のケースでは、労働保険、協会けんぽの社会保険に加入、個人事業主のケースでは、国民健康保険、国民年金を一定額支払っているものとして計算しています。

(取材・文/梅田小太郎 戎小次郎)

●野田美和子 税理士。学習院大学文学部卒業。2009年に独立開業し、東京都渋谷区に事務所を開設。幅広いクライアントを持ち、税務・会計・経理のサポートを行なっている。臨時の週プレ顧問税理士

■週刊プレイボーイ12号(3月9日発売)「今すぐ来年の準備開始! セコセコ申告で税金を取り戻せ!」より(本誌では、他にもケーススタディで“初めての節税”を簡単レクチャー!)