4月21日、若者を中心に人気の焼き鳥店「鳥貴族」が、ロゴが似ているなどとして、秀インターワンの経営する「鳥二郎」を提訴した。
関西で起こっているというこのバトル。早速、現地へ急行してみた!!
平日19時、やって来たのは大阪の繁華街・お初天神。問題の「鳥二郎」の店舗を見つけて驚き! 同じビルの地下に「鳥貴族」、2階に「鳥二郎」が入っているというバチバチの立地なのだ。
まずは地下の「鳥貴族」に行ってみることに!
さすがの人気店。待ちが5組もあり、待つこと30分で入店。一番人気という「貴族焼」を注文してみると。
記者「う、うまい!!」
この大きさで2本ついて280円! それだけでなく、釜めしやお酒までオール280円均一。これは人気が出るのもわかる!! 気分よく退店し、いざ2階の「鳥二郎」へ。
入って目を疑った。
木を基調にしたボックス席、白熱灯のぼんぼりまで内装がまったく同じなのだ!
そんな店内は……ほぼ満席! 若いカップルから、サラリーマンまで客層はさまざま。ひと息ついてメニューを見ると、これまた目が点。
記者「メニューほぼ同じや」
名称や全メニューの金額が10円安いなどの違いはあるが、ラインアップやメニューのデザイン、書体なども激似。鳥貴族で頼んだ「貴族焼」ならぬ、「二郎焼」を頼んでみると、まるで高度な間違い探しをしているかのごとく、鶏の大きさや器の材質、味まで似ているのだ! まぁ、なかにはオリジナルの「二郎サラダ」なる、野菜の上に薄焼き卵と鶏肉をのせ、ソースとマヨネーズで味つけしたメニュー(美味)もあるが、だいたいは同じ!
“トリキ”がいっぱいなら“ジロウ”
お客さんに聞いてみると、
「え? 鳥貴族の系列やないの?“二郎”っていうくらいやからてっきり姉妹店やと思ったわ」(20代サラリーマン)
という初来店の人から、
「もうわれわれの間では地下の“トリキ”がいっぱいやったら“ジロウ”行こかってなるくらいなじみです」(30代サラリーマン)
という常連まで。ちなみに、鳥二郎は“トリジ”と呼ばず“ジロウ”と呼ぶのが“通”だそう。そこまで浸透しているのも驚きだ。
そんなわけで、気になる両社の広報を直撃してみた!
が……残念ながら両社とも「ノーコメント」。そうなると、さらに気になってくるのは裁判の行方。鳥貴族に勝ち目はあるのか? 商標に詳しい岩永利彦弁護士に聞いてみた。
「まずロゴの類似に関してですが、“鳥”の字の4画目にあたる○に囲まれている部分が“線”と“鳥の目のような点”ということで明確な違いを主張できます。鳥貴族と鳥二郎という名称の観念も“貴族”は高級な印象、“二郎”は大衆的な印象を受けますのでこちらも違いを主張できそうです」
メニューや立地に関してはどうでしょう?
「料理に商標権はないので、不正競争防止法の観点で訴えることになると思いますが、見た目が似ていると言い出すと、ほかの居酒屋の焼き鳥メニューすべてと比べることになりかねず、キリがありません。立地に関しても客が集まるところに出店したと言えばそれまでなので、厳しい争いになると予想されます」
ふむ。このバトルの行く末、今後も目が離せない!