テング酒場のチキンカツカレーライス(500円)。大ぶりのチキンカツは食べ応え十分でサクサクジューシー。どこか懐かしい味でありながらスパイスがほのかに効いたカレーと相性ぴったり!

居酒屋大手チェーン「ワタミ」の店舗大量閉鎖など暗いニュースが多い居酒屋業界。

しかし、明るい話題もあった! 居酒屋のランチカレーが今、ひそかなブームなのだ。ここに復活の鍵があるかも? 

■居酒屋のカレーが救世主となる?

先日、居酒屋チェーン「ワタミ」が国内100店舗を閉鎖した昨年に続き今期も赤字が拡大し、さらに約85店舗を閉鎖する見込みと発表。居酒屋業界は最大手のチェーンまでもが大苦戦している状況だ。

しかし、一方で希望の光ともいえる前向きな情報をキャッチ! サラリーマンの食事情に詳しい定食評論家の今柊二(こん・とうじ)氏はこう語る。

「最近、サラリーマンの間で居酒屋のランチカレーがひそかなブームなんです。もともと“まかない”から生まれたケースが多い居酒屋カレーは専門店にはない手作りの味が出ていて、特に独身の若い男子に人気。さらに、そういうお店は夜もにぎわっていることが多いんですよ!」

むむっ。ここに居酒屋復活の鍵があるかも? 早速、調査を開始!

「まずオススメしたいのが、チェーン居酒屋・テング酒場のチキンカツカレーです。揚げたてサクサクのチキンカツが3枚ものっていて、ボリューム満点。程よくスパイスの効いたカレーと相性抜群で、これがなんと500円。カツカレーがワンコインで食べられるなんてすごいですよね」(今氏)

もつ煮がランチカレー開発の原点

というわけで、テング酒場を経営するテンアライド取締役・下村一郎氏に話を聞いてみた!

「もともとは夜に提供しているもつ煮がランチカレー開発の原点です。もつ煮に使っている野菜や豚の背脂、鶏皮などを煮込んで作ったベーススープがあるのですが、これをカレーにも使えるのではないかと思い、新たなメニューとしました。チキンカツにしたのは豚肉よりもコストを抑えられるから。安くておいしいほうがいいですもんね。とはいえ、売価を安く抑えているので、原価は厳しいのが本音(笑)。全部手作りですので」

チェーン居酒屋のカレーなんてどうせレトルトでしょ!と思ったけど、しっかり手作りのようだ。味もルーにタマネギの食感がしっかり残っていてウマい!

ちなみに、夜も繁盛している?

「おかげさまで毎月、前年比120%以上の黒字を記録するなどランチの売り上げの伸びとともに夜も順調に売り上げが伸びています。明らかにランチカレーは売り上げを伸ばすためのキーになっていますね」

実際に金曜の夜、渋谷の道玄坂店に伺うとサラリーマンや学生で大混雑! ランチカレーだけでなく夜のメニューも超リーズナブルで、人気が出るのも納得だ。

発売中の『週刊プレイボーイ』23号ではこの他にもランチカレーで注目の居酒屋を厳選紹介、そちらも読んでいただきたい!

(取材・文/山内聖子 撮影/しらいしまさよし)

■週刊プレイボーイ23号(5月25日発売)「低迷する居酒屋業界復活の鍵は“ランチカレー”にあった!!」より