エレベーター内で「クライアント案件」を平気でペラペラ…

新年度突入からおよそ2ヵ月! 新入社員の配属も決まったこの時期は、「新人のイラッとする行動」への対応に悩む先輩も多いのでは?

そこでまずは30代の先輩サラリーマン100人に「イラッとする新入社員の行動。注意せずに許せる? 許せない?」を聞いてみた。

結果、意外と「許せる」と回答する人も多かったが、詳しく聞くと「イラッとはするけれど、嫌われたときのデメリットも多そうなので誰かが注意してくれるのを待ったほうが得」との考えがほとんどのよう。確かに今の新人って繊細そうだし、SNSなど陰でグチとかこぼしたりしそうで怖いけど…。

しかし、『大人力検定』の著者・石原壮一郎氏は真っ向から反論する。

「一人前になったサラリーマンが心から慕うのは新人時代に自分を大人にしてくれた先輩だというのは世の常! 注意を人任せにして後輩を従えることもできない先輩は、当然、出世コースにも乗ることはできません!」

『気配りの正解』の著者・後田(うしろだ)良輔氏も口をそろえる。

「今の新人世代はとにかく恥をかくのが大嫌い。だから頭ごなしに怒るのではなく、うまく注意することで、『この人のおかげで、恥をかかずに済んだ』と感じさせ、後輩を従えることもできるわけです」

というわけで、早速正しい対応術をこのふたりに教えてもらおう!

■ほかの人が乗っているエレベーター内で仕事の話をしてくる(100人中36人が許せない)「新人と参加した、あるプロジェクトの顔合わせ。クライアントの会議室で打ち合わせ後、先方に見送られエレベーターに乗ると、『大きい案件になりそうですね。今後どう展開しましょう?』と大声で話し始めました。関係者や競合、誰が聞いているかわからないのに。状況を考えろよ……とイラッ!」(32歳・商社)

《そのとき、どうすべきか》「その場で注意するとエレベーター内に響き渡るため、後輩を傷つけるばかりか、自分までも『他社のビル内で説教をする状況を考えられない人間』に成り下がってしまうので注意。とはいえ、無視したり、そのまま話を続けさせるわけにもいきません。まずは『このエレベーターのスピード心地いいね』などとまったく関係ない返事をして、後輩に『?』と思わせてでも会話をストップさせる。クライアントの会社を出た後で、『公共の場で重要な話をするのは控えよう』と優しく伝えてあげるのが正解です」(石原氏)

取引先の相手に「SNSやってますか?」

■取引先の相手に「SNSやってますか?」と聞いてつながろうとする(100人中58人が許せない)「普段から『Facebookで◯◯の社長とつながっている』などと人脈を自慢したがる後輩。営業で時間をつくっていただいた相手、重要な取引先の部長、誰彼構わず『SNSでつながりませんか?』と聞きます。彼はSNSでかなりプライベートな投稿をしているので、会社としての印象が悪くならないか不安です。この調子だと仕事の連絡もSNSで送りかねないし……よけいな心配の種を増やすのはやめてくれ」(35歳・電機メーカー)

《そのとき、どうすべきか》「相手が実は喜んでいたり、その後、いい関係性を築ける可能性があったりと、必ずしもマイナスな行為ではないため注意が難しいシチュエーション。しかし、新人であるだけに放っておくのはリスクが大きい。ここは『御社のSNSポリシー的に問題ありませんか?』ともっともらしいワードを使って規則の話を持ち出し、ビジネスシーンでプライベートのノリのまま行動するのは危険だという意識づけをしてあげるといいでしょう」(後田氏)

■仲介役の立場なのに、まず先輩を先方に紹介しようとしない(100人中63人が許せない)「新人が『学生時代の先輩が、ウチの会社の人間を紹介してほしいと言ってきて……』と相談をしてきたので、一度顔合わせをすることに。しかし、先方が現れると新人は自分から話を開始。いつになっても私を紹介せず、結局こちらから挨拶。その後もよくわかっていないくせに仕事の話を自分から進める始末。なんなんだ!!」(32歳・広告)

《そのとき、どうすべきか》「きっと先方も気まずい思いをしていたでしょう。しかし、その場で注意するのは雰囲気を悪くするのでNG。こういうケースに今後出くわした場合、最初の挨拶のタイミングで『申し遅れました、秘密兵器の◯◯です』などと、場を盛り下げない形で自分から名乗りましょう。そして後から『仲介するときは最初に紹介をするものだ』と教えると『フォローしてもらえた』と思わせることができますよ」(後田氏)

6月5日発売の週刊プレイボーイ25号では、まだまだある「新人のイラッとする行動」とその対応方法を掲載。そちらもお読みください。

(取材・文/黄孟志 イラスト/福田嗣朗)

■週刊プレイボーイ25号(6月5日発売)「新入社員のイラッとする15の行動 そのとき、先輩としてどうすべきか!?」より