「ラーメンなら毎日でも!」という麺好きに朗報だ。ガッツリ系極太麺がウリの男の味方、関東一円に15店舗を展開する「野郎ラーメン」が、定額で毎日ラーメンを食べられるサービス「野郎ラーメン生活」を11月1日にスタートさせた。
野郎ラーメンの広報担当、黒木勝巳氏が説明する。
「専用アプリをダウンロードし、パスポートを月額8600円(税別)で購入していただくと、『豚骨野郎』(税込み780円)、『汁無し野郎』(同830円)、『味噌野郎』(同880円)の中から好きなラーメンを毎日1杯食べられるというサービスです。最も安い『豚骨野郎』でも12杯食べれば、元が取れる計算です」
野郎ラーメンは熱狂的なファンが多く、1週間に3、4回来店する超常連客もいる。
「そこで、超常連さんにもっと安く、気軽におなかいっぱいになってほしいと、このサービスを考えました。定額制サービスはコーヒー店などではありますが、ラーメン業界ではおそらく日本初のケースだと思います」(黒木氏)
780円の「豚骨野郎」を31日間食べると、支払総額は2万4180円になる。新たな定額サービスなら6割ほどの値引きとなる計算だ。なぜ、この値段設定に?
「野(8)郎(6)という語呂合わせです。採算を考えているわけではありません」
広報担当の黒木氏はそう言うが、フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏は、この値段設定は「赤字にならないギリギリのライン」を狙ったものだと指摘する。
「ラーメンの原価率は約30%。ですから800円(原価約240円)のラーメン31杯を8600円で提供しても、原価は賄(まかな)えます。それどころか、客によっては月に14、15杯食べたら、元が取れたと満足する人もいるはず。その場合、店側は利益も期待できます。
また客側は、月末でお金に余裕がないときでも、このサービスを利用していれば1日1杯は夕食にありつける。そして、このサービスが評判になれば宣伝にもなる。とにかく、よく考え抜かれた設定のサービスだと思います」
ほかにも比較的原価の低いメニューなら、十分成立しそうな「飲食定額サービス」。追随するチェーンは出るか?