身体を採寸するボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」で注目されるZOZOTOWN(ゾゾタウン)。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が考える、ゾゾタウンのビジネスの狙いとは?
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ひろ ZOZOTOWNの「ZOZOSUIT」が話題になってますね。身体を採寸するボディースーツで、しかも無料なので、注文が殺到しているみたいです。
ホリ センサーを内蔵していて、着ると身体の寸法をアプリに保存できるんだよね。
ひろ 服などのネット通販って「買ってみたけど、サイズが合わない」ときの返品コストが企業にとってけっこうな負担になっていると思うんですけど、それがなくなるのは大きい気がします。
ホリ 一部では「多少のサイズ差なんてそんなに気にしない」って声もあるみたいだけどね。
ひろ ええ。ハイブランドを着るのが目的な人はそうでしょうけど、一方で着回しや服の合わせ方のセンスを気にする人は、サイズのズレとかに敏感だと思うんですよ。んで、ゾゾのメインターゲットは後者じゃないかと。
ホリ でも、多くのファッションブランドの立場からすると「ピッタリなサイズの服」を提供することは、そこまで必要なことではないかもね。
ひろ ゾゾ的には、サイズ違いとかを恐れてオンラインショッピングに手を出さなかった層からの発注を期待して、新規顧客の増加を狙ってるんじゃないですかね。
ホリ まあ、あれだけのボディースーツを無料で配っているんだから、ゾゾ的には十分勝算があるはずだよ。
ひろ それに、お客さんを未来永劫(えいごう)囲い込めるなら安いもんですよね。だって、身長や腹囲などのプライベート情報をゾゾに預けてもいいと思ってくれる優良顧客じゃないですか。オンラインショッピングの店ってアマゾンとか楽天とかいっぱいありますけど、住所とかクレジットカードの番号とかを入力するのって、面倒くさいですよね。だから、消費者はできれば一ヵ所に絞りたいと思っているはずなんです。
ブランドは完全にゾゾに支配される
ホリ ゾゾが服以外に雑貨とか、ほかの商品を取り扱うってこと?
ひろ ゾゾが本とか家電とかを売り始めたら、スーツきっかけでゾゾを使い始めた人を含め、すべてのゾゾユーザーがアマゾンや楽天から離れる可能性は高いと思うんです。なので、日本のオンラインショッピングの覇権を握るかもしれない一手だと考えると、けっこうデカいかなと。んで、日本で成功したら、そのまま海外にも展開できますし。
ホリ 俺的には、蓄積されたデータをほかのファッションブランドに提供して効率的に在庫を管理するというビジネスに行くと予想してる。
ひろ 堀江さんは各ブランドへのビジネス展開ってことですね。
ホリ だって、各ブランドは統計データさえあればいいわけでしょ。服の生産はターゲット層の統計データを受け取って調整できるし、倉庫もゾゾに委託したほうが楽になる。そのうちゾゾの倉庫からリアルショップにも配送するようになるよ。
ひろ そうなると、ブランドは完全にゾゾに支配されますね。
★この続き、後編は明日配信予定!
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)