低価格の中国産が台頭、日本でも国産が定着し、「キムチ宗主国」韓国が没落していく…

「キムチといえば韓国」「韓国といえばキムチ」も今や昔?

昨年のキムチの貿易赤字額が過去最大に達した韓国。今やキムチの輸入量は輸出量の10倍を超え、とても宗主国とはいえない状況に。日中韓で激変するキムチシーンを追った。

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年間国内消費量1600万t。「キムチ宗主国」を自任する韓国のプライドがずたずただ。

1月17日、韓国の関税庁が2017年のキムチ貿易による赤字額が過去最悪の4728万ドル(約52億円)になったと公表した。

韓国紙の東京特派員が言う。

「韓国は長年、キムチの世界普及とブランド化に力を入れてきました。10年には当時の李明博(イミョンバク)大統領の肝煎(きもい)りで、『世界キムチ研究所』を設立。李大統領は元ビジネスマンだっただけに、キムチを世界に売り込み、重要な輸出品に育てようとしたのです。そのため、これまでに韓国政府は世界キムチ研究所に1千億ウォン(約101億6千万円)もの予算をつぎ込んできました」

その結果、キムチは今では世界63ヵ国に輸出され、キムチワッフル、キムチジュース、キムチサンドなど、韓国人ですら「何、それ?」とびっくりするような現地メニューが各国で生まれるまでになった。

まさに韓国はキムチの世界化の野望を遂げたはずだったのだが――。

それなのに、なぜ、韓国はキムチでがっぽり稼ぐどころか、過去最悪の赤字を垂れ流すハメになってしまったのか?

「韓国でキムチ貿易が赤字に転落したのは中国産キムチのせいです。味ではまだまだ韓国産に及びませんが、中国産キムチはとにかく製造コストが安く、韓国産の約7分の1とも。韓国は中国などに対して『本場の味』を売りに年間2万4千tものキムチを輸出していますが、逆に中国からはその10倍以上に当たる約27万5千tを輸入している。

今や韓国の市場で流通しているキムチもほとんどが中国産。いくら『味では絶対に負けていない』といっても、ことキムチ貿易に限れば、韓国は中国に完敗したというべきでしょう」(韓国紙特派員)

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(取材・文/焼肉太郎)