LCCの「ピーチ・アビエーション」「バニラ・エア」の統合が発表された。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、高止まりする日本の航空運賃を斬る!
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ホリ てか、国内の航空会社は運賃が高すぎるんだよ。そのくせROI(投資した資本に対して得られた利益)はめちゃ低い。結局、利用者から得た利益が人件費や、飛行機メーカーのボーイングやエアバスに持っていかれてるだけ。本来ならもっと安くできるんだよ。でも、利用者は置き去りにされたまま。ホント誰得なんだろ?
ひろ そうはいっても、選択肢が限られているので使わざるをえないんですよね。
ホリ 本来であればJALが破綻したときに救済するんじゃなくて、一度潰しておくべきだった。そうすればLCCがガンガン参入して、価格も下がっていたと思う。
ひろ でも、JALを救ってしまったので、既得権益の巣窟のまま。
ホリ ちなみに、空港は民営化してかなり良くなってきているんだよ。この前、福岡空港を使ったんだけど、昔は無味乾燥としたやる気のない飲食店ばかりだったのが、リニューアルしつつあってどんどん良くなってる。
ひろ 競争相手がいないと腐っていくのは世の常ですからね。高速道路のサービスエリアも民営化してから格段に良くなったじゃないですか。既得権益と許認可がセットになっていたら、そりゃ腐りますよ。
ホリ 腐りすぎだよ。
ひろ 一方で、需要と供給の関係で、人気のない地方路線は安くなっていくんですかね?
ホリ いやあ、逆に地方は手段が限られているから、こちらも使わざるをえないんじゃない。つまり、高止まりする。
ひろ 「福岡―宮崎」とか「羽田―名古屋」みたいな微妙な便は安いみたいですよ。アメリカ大陸を移動するとなるとバスは現実的な移動手段ではないですけど、日本は国土が狭いから「移動できればいい」って人は高速バスとか新幹線以外の電車になるんじゃないですかね。そうやってバスとか電車が安くて便利になったら、対抗策として飛行機も安くなる場合もあるかとは思いますけど。
ホリ 日本は実質的に高速バスがLCCの役割を果たしているよね。今、「ウィラー・エクスプレス」のバスとかすごい快適になっている。
ひろ 確かに高速バスは、Wi-Fiが飛んでいたり、値段は安いままでサービスが良くなってますよね。とはいえ、快適であっても時間はかかる。
ホリ そうだね。日本のLCCはANAとJALが寡占したままで、まともな価格競争も起こらず落ち着くことになってしまったからね。今回の統合もLCCというよりは、ANAのセカンドブランドって感じだし。
ひろ へたに国内を飛行機で移動するより、海外へ飛行機で行くほうが安くなるってのは、やっぱりヘンだと思いますけどね。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)