Makita【マキタ】充電式クリーナ。10.8Vの充電式クリーナ(CL108FD)の重さは1.0kg、ワンタッチスイッチで可動。バッテリ(BL1015)の充電時間は約22分。充電器(DC10SA)は冷却システムを搭載。1万9400円(税別) Makita【マキタ】充電式クリーナ。10.8Vの充電式クリーナ(CL108FD)の重さは1.0kg、ワンタッチスイッチで可動。バッテリ(BL1015)の充電時間は約22分。充電器(DC10SA)は冷却システムを搭載。1万9400円(税別)

ここ数年、建築現場用の充電式クリーナが家庭で大ウケしている。インパクトドライバー、チェンソー、ハンマードリルなどが主力商品の電動工具メーカーが作っている商品なのだが、ネットでもすこぶる評判がいい。

安くて、吸引力が強いといった意見に始まり、コードがなく小型なので手軽に掃除ができ、サブ機で買ったのに、メイン機になってしまったとか、もう高価な高級掃除機は必要なしと結論づける人も目立つ。

メーカーによっては、1万円もしないクリーナ(バッテリー・充電器は別売り)に、3500円でサイクロン型のアタッチメント(マキタ製品の場合)を追加することも可能で、あの"衰えぬ吸引力"を実現できる。ネットでは「ダイソン」ならぬ「マキソン」と呼ぶ人もいるくらいで、まさに家電メーカー製のクリーナーをしのぐ勢いなのだ。

実際、記者の家にもマキタの充電式クリーナがあるが、ネジなども余裕で吸い込んでしまい、ゴミ捨てのときに「こんなに埃(ほこり)を吸っていたんだ」と驚く。

また、バッテリーの充電時間も嘘みたいに短く、「あれ? いつからこんなに速く充電できるようになったんだ!」と、丸1日ぐらいかかっていたひと昔前を思い出す。ホントにすごいことになっている。

そこで、もともと産業用モーターの会社として発足し、2015年に創業100周年を迎えた株式会社マキタに、充電式クリーナがすごいワケを聞いてみた。

マキタの広報担当者がこう話す。

「今でこそ、ご家庭で使っていただいていますが、そもそもは工事や建築現場の職人さんが一日の終わりに、現場を掃除するためのものです。もちろん現場に電源はないので、職人さんの持っている電動工具用のバッテリを使い回しできること(電圧が同じ場合)を第一条件に、パワーがあり、疲れにくい操作性を兼ね備えているというコンセプトで作っています」

そのプロユースの道具が一般家庭にも注目されるきっかけとなったのは、大工さんの口コミだ。それがネットで話題となり、通信販売サイトでも広く取り扱われるようになった。マキタ広報は続ける。

「マキタは一般の方へ向けての広告はほとんどしておらず、これまで商品の宣伝は街の金物屋さんが中心でした。でも実は充電式クリーナは1982年から販売しているんです」

36年も前から製造し続けていたとは驚きだ。だが、当時のものは、お世辞にも軽いとはいえず、パワーも弱く、充電時間もやたら長かった。しかし時は流れ、電動工具業界のすべてを覆すバッテリー革命が起こる。

「2005年に、電動工具の動力源がこれまでのニカド電池、ニッケル水素電池を経て、リチウムイオン電池に変わったことで、充電速度、バッテリの持ち、パワーなどの性能が飛躍的に向上しました。

現場の職人さんたちもさぞかし驚かれたことでしょう。それに伴って2009年に充電式クリーナもリチウムイオン電池に移行し、エントリーモデルでいえば、パワーが最大で3倍になりました」

パワーアップを背景に充電式クリーナが家庭用として受け入れられるようになったわけだ。

■『週刊プレイボーイ』48号(11月12日発売)「電動工具メーカーが作る『スーパーマッチョ家電』の美学」より