「『毎月決まった金額を会社からもらう』という思い込みのなかで生きている人が多い。もっと自分がお金を多く取れる世界もある、ということに気づいていないんですよ」と語る小林昌裕氏

年々注目が高まっている「副業」。エン・ジャパンが今年5月に行なった調査では、20代~40代の正社員の88%が「副業に興味あり」と回答。しかし、実際に副業経験があるのは32%で、また、副業を認めている会社が13%なのに対して禁止している会社は55%と、まだまだ日本社会に浸透しているとは言い難い。

だが、終身雇用制度が崩壊し、安定した昇給や老後の年金が期待できないなか、税金ばかりが高くなり、使えるお金は年々確実に減っていっている。

『ふがいない僕が年下の億万長者から教わった「勇気」と「お金」の法則』の著者、小林昌裕氏はもともと年収350万円ほどのサラリーマンだったが、26歳のときに不動産投資を開始。その後、さまざまな副業を実践しだすと、数年で副業月収が1000万円を超えるまでに成長。

現在は「収入の柱を増やし、人生を選べるようになる」という目標を掲げる「副業アカデミー」の代表を務め、副業を始めようとする人々のサポートをしている。小林氏に聞いた。

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──26歳のときに副業への意識が高まったのはなぜですか?

小林 もともと、自分は転職した2社目の会社で65歳まで勤め上げるつもりだったんです。しかし、定年まで働いていくらもらえるかを計算したときに、ゆとりのある生活をするには、どう考えても4000万円くらい足りないことが見えてしまった。

加えて、飲み会で40歳くらいの課長に「君はまだ若いからいいけど、自分は月のお小遣い3万円だよ」って言われたことがあったんです。その方はおそらく年収750万円くらいの方で、社会的に見ればけっこう高いほうだったんですけど......サラリーマンはローンも組めるし、社会的信用もあるから尊いのは事実なんですが、現実を知ってしまうと「何かやらないといけない」という危機感に襲われました。

でも、本業を辞める勇気はなく......そんなときにロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん 貧乏父さん』という本に出会って、不動産投資を始めたんです。

──副収入目的でマンションやアパートを経営する人は最近増えてますが、一方スマートデイズ社とスルガ銀行が引き起こし、多くの被害者が出た「かぼちゃの馬車騒動」などが原因で「リスクの高い、ギャンブル的なもの」と考える人も多い印象です。

小林 僕自身もともと臆病な性格なので、最初は小さな区分マンションを数百万円で買うところから始めました。本業をやりながら、手取りで5万円くらい残るワンルームだったんですが、ちょうどその頃はリーマン・ショックの翌年で、幸運にもいい物件を安く買えたんですよね。そこから少しずつ慣れていって、もう2部屋買って、1年後には1棟買いして......と徐々に増やしていきました。

──かなり堅実なんですね。

小林 副業が天才にしかできなかったら僕も無理でしたけど、凡人でも勇気を出して負える範囲のリスクであれば、月5万、10万の収益は必ずつくれるんです。

でも、「お金は毎月決まった金額を会社からもらうもの」という思い込みのなかで生きている人が多い。それはある意味、居心地のいい「コンフォートゾーン」でもあるんですが、もっと自分がお金を多く取れる世界もある、ということに気づいていないんです。

──とはいえ、週5で働きながら副業をやるのは体力的にもしんどいと思います。

小林 確かに、副業しない場合と比べて肉体的には疲れますが、とはいっても一日1時間なんです。それが続けられれば副業だけで半年で収益30万円いくことも可能だし、半年間毎日努力できる人は、人生も変わっていく。

極端なたとえ話をすると、もし自分の奥さんや子供が人質に取られたとして、「単月副業月収が10万円を達成しなかったら殺す」って言われたら、死に物狂いで達成させますよね? でも、とりあえず今はなんとか暮らしていけているので、みんなやすきに流れてしまうんです。

──確かに日本は貧しくても食べてはいける国ですしね。

小林 でも、将来に対して危機感を持っていれば、副業をやらざるをえなくなると思うんです。稼げるお金や年金もそうだし、人口ピラミッドを見れば今後の日本がいかにリスクに満ちているかがわかる。

──とはいえ、それでも決断できない人が大半な気が......。

小林 おっしゃるとおりです。ダイエットにたとえると、「痩せたい」と思う人が100人いても「痩せよう」と思う人は20人で、行動に移せるのは10人。

継続できる人はさらに減って、最終的には2、3人しか残らないんです。でも、逆に言えばこの人たちは必ず結果を出しますし、副業やダイエットに限らず、家庭も円満になると思うんです。

──どういうことでしょう?

小林 今回、タイトルに「『勇気』と『お金』の法則」と入れたんですが、副業もダイエットも家族も結局全部同じで、勇気を持って決断して、向き合い続けていけるかどうかだけだと思います。そういう意味では、この本はお金を稼ぐためというより、幸せのつかみ方の本なんです。

──最後に小林さんが副業未経験の週プレ読者にオススメする副業を教えてください!

小林 (1)実働系(2)投資系(3)情報発信系と段階を経ていくのがいいと思います。

(1)の実働系はウーバーイーツや物販。特に物販は絶対に収入がつくれて、リスクもほとんどありません。ヤフオクやタオバオで商品を仕入れて、Amazonで売るなどの方法で、月5万~10万の差益は必ずつくれます! 

(2)の投資系は、株やFXなどで運用することで劇的にお金を増やす方法です。ギャンブル的に思われがちですが、この分野も方程式があって、訓練すれば上手になれますよ。なくなってもいい余剰資金が、株なら100万円、FXなら30万円あればぜひ挑戦してほしいですね。もちろん不動産も権利収入を目指すという意味でオススメです。

(3)の情報発信系は会員制ビジネスやコンサル、ブログアフィリエイトなど。自らの情報発信によって集客します。最近ならYouTuberも該当しますが、いきなりは難しいですね。

──ウーバーイーツや物販は非常に地道なんですね。

小林 結局、コツコツ努力するのが最大のコツ。でも、そうやって日々のレベルをちょっとずつ底上げできれば見える世界は絶対変わるし、一日1時間の努力を継続できる人が先に行けて、やがて人生を変えられるんだと思いますね。

●小林昌裕(こばやし・まさひろ)
1982年生まれ、東京都出身。「収入の柱を増やし、人生を選べるようになる」を理念とする「副業アカデミー」代表。明治大学リバティアカデミー「金融マネジメント入門」講師。2009年にサラリーマンをしながら不動産賃貸経営を始め、区分マンション・都内シェアハウス・地方一棟マンションなどを保有して年間の家賃収入が3000万円を突破。また、不動産賃貸経営以外にも20余りの副業を実践し年間収益が1億円を超え、2014年にサラリーマンを卒業。現在は副業アカデミーの運営をしながら、さまざまな大学・企業・団体での講演などを通じて、あらゆる人の収入の柱を増やすために幅広く活動中

■『ふがいない僕が年下の億万長者から教わった「勇気」と「お金」の法則』
(朝日新聞出版 1400円+税)
都内のメーカーに勤める40歳の務は、年収500万円の平凡なサラリーマン。発達障害の息子を持ったことで共働きだった妻がパートとなり、夫婦関係はギクシャクした状態に。また、地方に残した老親の介護費用で、家計は逼迫していた。そんなある日、務は若い億万長者の男・小谷と出会う。彼との対話で務の考え方は変わり始め、小さな一歩を踏み出したことで、人生は大きく動き始める―。小説とコラムによる「勇気」と「お金」の物語

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