"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された事件を、両氏はどう見ているのだろうか――?
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ひろ カルロス・ゴーンが逮捕されちゃいましたね。自らの報酬を過少に申告した容疑だそうで。
ホリ 東京地検特捜部が動いているけど、いきなり刑事事件にする必要はない案件だと思う。つーか、こんなに巨額の報酬をもらっている人が、特捜部のストーリーのような報酬隠しをすると思う?
ひろ だから、日産自動車の経営陣によるクーデター説が唱えられていますよね。
ホリ それに司法取引が使われたって話だけど、この制度って悪用すれば、人を簡単におとしめることもできるんで、俺はわざわざ衆議院法務委員会に出席して問題を提起したんだよ。
でも、当時は安保法制ばかりに注目が集まっていて、みんなスルーしてた。まあ、日産の経営陣にとって、一番楽できるやり方がこれだったってことだと思うんだけど。
ひろ そうでしょうね。
ホリ あと、人権を無視した日本の"人質司法"がクローズアップされているよね。「罪証隠滅および逃亡の恐れがあるとき、保釈しなくてもいい」という人質司法は、世界的には非常に古い人権意識の産物なんだよ。
ゴーンは弁護士が事情聴取に立ち会えないし、家族との面会もままならない状況らしい。この際だから、国際問題化して日本の人質司法改善のきっかけにしてほしいよ。
ひろ ゴーンの話は抜きにしても、改善すべきってことですよね。
ホリ そだね。
ひろ クーデターって意味では、日産の経営陣って映画『七人の侍』の農民みたいですよね。
ホリ どういうこと?
ひろ 『七人の侍』って、農民たちが自分たちで解決できない問題に対して、よそ者(七人の侍)が助けに来ても、最初は冷ややかに見ていて、結果を出し始めたら大喜びするじゃないですか。
んで、救世主のように崇(あが)めるけど、ある程度うまくいき始めると、「こいつらがいなくても、俺たちだけでやっていけるんじゃね?」って、よそ者を追い出す。
ホリ まさにゴーンさんは七人の侍なわけだ。
ひろ ですです。だから今回の件で、日本の会社を投資して助けようとする外国人はだいぶ減ると思うんですよ。
ホリ なんせ、特捜部がいきなりやって来るんだから。怖すぎるよ。
後編⇒カルロス・ゴーン逮捕を見たホリエモン×ひろゆき「そりゃ、日本の会社の経営をやろうとする外国人は減るよな」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)