"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマはQR決済が日本でも普及するか? 前編では、「クレジットカードですら怖がるのに、いきなり口座からお金が引き落とされるQR決済が普及するのは難しいのでは」と語り、中国でQR決済が普及した理由として、「QR決済の引き落とし口座であるアリババの口座にお金を入れておくと、年利が4%つく」「中国はそもそも庶民がクレカを持てない」ことを挙げた。
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ひろ あと、そもそも論として、カード決済にしろQR決済にしろ、"クレカを通す"のってどうかと思うんですよ。QR決済も銀行口座からの引き落としじゃなくて、クレカ決済になっているやつがあるじゃないですか。
すると、国としてキャッシュレス化を進めているけど、VisaとかMastercardとか海外の会社に日本人が使うお金の数%とかが手数料として支払われることになる。これって、日本としてどうなのかなあとか思ったりします。
ホリ それ、国とか関係ある?
ひろ だから、国としてJCBを押せばいいと思うんですよ。中国は銀聯(ぎんれん)カードを国として押してたりするわけで、日本もせっかく独自の国際ブランドがあるんだから、それを育てたほうがいいと思うんですよ。
日本は消費増税で騒いでいますけど、消費税は日本政府が日本のために使いますよね。でも、カード手数料はアメリカに払うだけで、日本には帰ってこないですから。
ホリ いずれにしても、今は人手不足が叫ばれているんだから、QR決済とかを導入しないと、そのうちお店は回らなくなるよ。
ひろ レジ打ちとか、もはや人がやる必要ないですもんね。
ホリ そう。今はコンビニなんかでも外国人店員が多いけど、途上国からの出稼ぎもあと数年したら来なくなるでしょ。んで、少子化だし、リア充アピールできる影響で、レジ打ちとかをやるのがアホらしくなっている若者は増えていると思うから。
ひろ "リア充アピール"ってどういう意味っすか?
ホリ インスタなんかを見ていると、みんなが楽しそうに過ごしているわけじゃん。しかも、芸能人並みのビジュアルがなくても「17Live」(ライブ配信アプリ)とかで稼げるような人も出てきている。そういう状況では、自分の仕事のつまらなさが可視化されて、レジ打ちとかホールとかで働く人が減ってくるってこと。
ひろ なるほど。あと、今の主要なQR決済って、自分で金額を入力する必要があるんですよね。それが煩わしいって声もあるみたいです。
ホリ 中国とかだと、メニューに全部QRコードがついているんだよね。だから、食べたいメニューのQRを読み取ればいい。テーブル番号もQRコードに入れられるので、レジ打ちの必要もないし。
つまり、これまでみたいなお会計がいらなくなる。しかも、これって技術的にはすでに可能なんだよ。んで、料理をセルフサービスにしたらホール店員すらいらなくなる。
ひろ それはいいっすね。ただ気になるのはセキュリティ面ですよね。例えば「誤送金がちゃんと元に戻るのか?」とか。そういった部分に不安を感じる人への説明が少ない気がするんですよ。
そもそも、クレジットカードですら不正利用されたら戻ってくることを知らない人が多いですし。ってことで、日本のQR決済をやっている会社はそういうところまで注力していかないといけないでしょうね。
ホリ まあ、そのへんは今後、きちんとやっていくんじゃない? ていうか、現実は、そんな悠長なことは言っていられない状態なんだけどね。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)