イラスト作成、ライティング、コンサルティングにお悩み相談まで出品できる「ココナラ」。登録者は100万人を突破し、テレビCMも放映中

■ココナラは副業の足がかりになる!

昨年1月、政府が進める働き方改革の一環で、副業が実質的に解禁となった日本。一部では"副業元年"なんて呼ぶ声もあったが、そもそも自分にどんな副業ができるのかピンときておらず、副業2年になってもいまだただなんとなく過ごしている人もいるのではないだろうか?

とはいえ、今や終身雇用は崩壊しているという意見をしきりに聞く。本業だけではいつ食べていけなくなるかわからないし、オマケに10月には消費増税を控えている。副業も視野に入れながらお金やキャリアの見通しを立てていかないと、のちのち後悔することになってしまいそうだ。

そんな今こそ注目したいのが、「ココナラ」というサービス! ココナラは"スキルマーケット"をうたっており、自分が得意とする技術を、自分で自由に値段をつけて出品することができる(最低500円から。ただしカテゴリによって異なる)。

出品可能なスキルは非常に幅広く、Webデザインやプログラミングといったビジネス案件から、ちょっとした悩み相談のようなものまで。本業で培ったスキルを流用できるのはもちろん、「趣味・エンターテイメント」というカテゴリがあることからもわかるように、これまで自分が経験してきたことすべてが"サービス"に変わる可能性を秘めているのだ。

2012年の開設以降、ココナラには現在100万人以上が登録しており、累計取引件数は300万件超。お笑いコンビの和牛が出演しているテレビCMも話題だし、今、注目すべきサービスだといえる!

では実際、どういうユーザーがココナラを使いこなしているのか、具体的な例を紹介していこう。

まず、「料理イラスト描きます」(3000円)といったサービスを中心に出品し支持を集めている、hikoさんに話を聞いてみた。

「昼間はWebデザインの仕事をしているのですが、私は小さい頃から絵を描くのが好きだったんです。ココナラに登録したときはもう20代後半でしたが、やはりイラストの道を諦めきれず、自分の画力を人のために役立てたいと思ったんですよ」

hikoさん独特の柔らかいタッチの絵は好評で、全国各地の飲食店から依頼が舞い込んでいるとのこと。

「私の場合、絵を描くことが生活の一部になっていますので、ココナラで仕事をしているという感覚はあまりないのですが、やりがいは大きいですよ。会社の仕事でもお金はもらえますが、ココナラでは『自分の力で稼いでいる』ということを、より強く実感できるんですよね」

トップページではカテゴリ別ランキングのほか、「品質」「信頼性」の基準をクリアした

■ココナラがきっかけで会社を辞めて独立!!

イラストのような専門的スキルとは別に、自身の個人的な経験をココナラで生かしている人もいる。サラリーマン生活の傍ら、「好物を食べながら半年で22kg痩せた方法教えます」(500円)というサービスを約1800件も売り上げているダテキヨさんがいい例だ。

ココナラでは基本的に、サービスの購入者とは専用の"トークルーム"でメッセージのやりとりをする。ダテキヨさんは一日に20件売ることもあるらしいが、それだけたくさんの依頼を受けて本業に支障は出ないのだろうか?

「いえ、会社の休憩時間中にでも余裕でこなせます。というのも私は、サービスの購入者には最初に3つの質問に答えてもらっており、それ次第でどう対応すればいいかというフォーマットを用意しているんです。相手の回答に合わせて内容を多少アレンジするだけで済みますので、1回5分もかかりません」

そこまで体系化できているとはお見事! なお、ダテキヨさんいわくココナラでは効率も確かに重要だが、類似サービスの出品者との差がつきやすいポイントは、メッセージになるべく早めかつ丁寧に返信したり個別の相談に乗ってあげたりといった、相手への思いやりなのだという。

続いては、ココナラで"ぷれぜん仙人"と名乗っている園塚充弘さんのケース。学生時代から資料作りがうまく、就職後は電機メーカーの経営企画職でバリバリ働いていたという園塚さんが出品するのは、「大切な勝負で、勝てるプレゼン資料を作成します」と銘打たれた10万円のサービスだ。すでに80件以上の販売実績を記録しているが、どうしてこの値段でもヒットを飛ばせているのか?

「実は最初から10万円で請け負っていたわけではなく、昔はプレゼン資料1枚500円で引き受けていたんです。実際に売れた資料のサンプルをココナラのマイページに掲載し、『500円で買ってもらえるなら、次は1000円ではどうだ?』とだんだん単価を上げていくにつれ、むしろサービスの評判自体も上がっていきました。

ほかの似たようなサービスよりあえて値段を高くし、思い切って10万円まで上げたことで、ココナラでのポジショニングがうまくいったのだと思います」

ココナラのおかげで自己プロデュース力が磨かれたという園塚さんは昨年、会社を独立して個人事業主に。

「ココナラでの収入は全体の20~30%程度ですが、サラリーマン時代にココナラを始め、小規模ながらも"自分でビジネスをする"という体験ができたことが、今につながっていますね」

また、ユニークなところでは、いぬやまんさんの「笑いを取るメカニズム、お教えいたします」(500円)というサービスも人気だ。なぜこのようなサービスを?

「本業がコンピューターに関係だったので、ココナラでも当初はそれに関連するサービスを出品していたのですが、需要がなかったようで......。でも私は社内で研修講師も務めており、狙って笑いを取れる自信がありました。

それで"笑い"をテーマに出品してみたら、じわじわと売れるようになったんです。分析してみると購入者の8割は男性で、会社のスピーチでウケを求められていたり、そもそも雑談が苦手だったりする人がけっこういるのかもしれません」

■なんでもいいから出品してみると吉!

さらにココナラは、会社員の副業としてのみならず、元からフリーランス的に活躍している人が販路を拡大するためのツールとしても機能するようだ。

「TV出演の恋愛講師があなたのお悩みを解決します」(3000円)などのサービスを手がける谷川明日香さんはこう語る。

「私はもともと恋愛セミナーを開いていたので、もっと大勢の人にサービスを提供したくてココナラを利用しています。マイページをSNSに連携したら、すぐにお客さまが来てくれました」

ココナラきっかけで自分の知名度アップを果たせれば、そこから新たな仕事だって獲得できるはず。なんとも素晴らしい好循環ではないか!

しかし現実問題、「いやいや、俺にはココナラに出品できるサービスなんてないよ......」と諦めムードな人も少なくないだろう。だが前出のhikoさんが、次のようにアドバイスを送ってくれたぞ。

「少しでも人より得意なことや、最近興味を持っていることがあるなら、まずはスキルを磨くためにサービスを出品してみるのをオススメします。ココナラ内を検索して、もし自分が考えていたのと同じようなサービスが先に存在していれば、その時点で断念してしまう人もいるでしょう。

ですが、そこで粘り強く競合の分析をしてこそ、自分のサービスにまた別の価値をプラスさせることができるんです。逆に、ほかの人が出品していないサービスだったら、それはまだ誰も開拓できていない分野かもしれませんよね」

副業なんて遠い世界のもの。そう思っていた人だって、自分が持っているスキルや個性を見つめ直し、それをうまくサービスに昇華させることができれば、一気に収入が増えたり、やりたかったけど諦めていたことを実現したり、新たなキャリアパスが見つかるかもしれないということだ!