ブームに関わる会社に投資して、大儲けを狙え! ブームに関わる会社に投資して、大儲けを狙え!

■大本命・チーズティーで一攫千金を狙う

日本を席巻したタピオカブームに陰りが見えている。タピ活女子たちが作る行列も、ピーク時と比べればずいぶんとこぢんまりしてきた。

とはいえ、このブームを通じて財を築いた人もいるに違いない。私(ライター・イトウも「自分でタピオカ店でも開いていれば今頃......」なんて嘆くひとりだ。そんなよもやま話をしていると、編集ミズノがこうささやいた。

「神戸物産って知ってます? この会社が運営する『業務スーパー』で販売している冷凍タピオカが爆発的に売れて、そのおかげで神戸物産の株は爆上がりしたんですって。ということは、自分でお店を開くのは無理でも、タピオカの次のブームに関わる会社に投資すれば、余裕で大儲けできるかもですよ!」

早速神戸物産について調べてみると、18年11月~19年7月期の連結決算は純利益が前年同期比17%増。今年の株価上昇率は57%になっている! 株価にこれほど影響があるとは。若者だけのブームと侮ってはいけないようだ。

主に業務用食品の販売を手がける「神戸物産」。今年8月15日、株価は年初来高値となる6380円を記録した 主に業務用食品の販売を手がける「神戸物産」。今年8月15日、株価は年初来高値となる6380円を記録した

巷(ちまた)ではすでに「プリッチ」だの「鴛鴦茶(えんおうちゃ)」だの"ポストタピオカ覇権争い"が勃発中だが、次の大流行をいち早くキャッチアップし、その関連株を買えば大儲け、という話にも真実味を感じる。

聞くところでは、今のところポストタピオカの大本命と目されているのは「チーズティー」らしい。台湾茶や紅茶などの上にチーズフォーム(ホイップ状にしたチーズ)を注いだ飲み物である。

では、チーズティーがはやるとどんな企業が儲かるのか? われわれは早速原宿の人気チーズティー店へと向かった。

「ポストタピオカ」最有力候補のチーズティー!! 台湾茶や紅茶などの上にチーズフォーム(ホイップ状のクリームチーズ)を注いだ飲み物。中国・台湾発祥といわれており、日本でも取り扱うお店が急増中! 「ポストタピオカ」最有力候補のチーズティー!! 台湾茶や紅茶などの上にチーズフォーム(ホイップ状のクリームチーズ)を注いだ飲み物。中国・台湾発祥といわれており、日本でも取り扱うお店が急増中!

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イトウ 並ぶこと30分。ようやく買えましたね。すごい人気!

ミズノ 週末の夕方とはいえ、こんなに並ぶなんて。すでにチーズティーブームは始まっているのかもしれませんね。では、チーズティーがはやるとどんな企業が儲かるのか考えましょう!

イトウ そもそもなんですが、ポストタピオカ候補はだいたい飲み物自体は普通のミルクティーですよね。見方によっては"ミルクティーブーム"が続くわけで、キリンの「午後の紅茶」とかがより飲まれるようになるのでは?

ミズノ (Yahoo!ファイナンスをチェックしながら)でもキリンホールディングスの株価がタピオカブームで上がった形跡はないですね。それより、タピオカもチーズティーも台湾発祥のお店が多いけど、日本では真っ先に原宿に店舗を出すことが多い。ということは、今後も原宿の地価はさらに上がるのでは?

イトウ 原宿の不動産を買えってこと? そんなお金ありません! それより、チーズティーの上にのっかってる加工チーズの製造企業が狙い目なのでは?

ミズノ このチーズってそもそもどこが作っているのかな?

■ポストタピオカ投資の極意を学ぶ!!

早くも袋小路に陥ったわれわれは助けを求め投資家・坂本慎太郎氏の元へ赴いた。

ミズノ チーズティー店に行ってみて、いろいろ投資候補を考えてみたんですけども。

坂本 ブームになっているものを調べ、それと関連がある企業の株を買うというのは、実は割とポピュラーな投資方法です。発想は間違ってないと思います。

イトウ 最初に、ますますミルクティーが人気になるので飲料メーカーの株価が上がると考えたんですけど。

坂本 ミルクティーはすでに人気が定着している飲み物ですから、さすがにチーズティーの影響で売り上げが大幅に増えるとは考えにくいです。

それよりも、過去と比べて消費量が増えているものでいえば、例えばストローじゃないですか? 最近では環境に配慮した紙ストローも話題になっていますよね。紙ストローの需要は増していくはずですし、チーズティーなどのポストタピオカがそれを後押しする可能性もあります。

なのでストローメーカーのなかでも紙ストローのシェアを取りそうな企業を探す、という手はありますね。

イトウ はぁ~! ちなみに、タピオカやチーズティーのお店を運営する企業を調べてみたのですが、なぜかほぼ上場してなかったんですよ。

坂本 タピオカ屋は居抜きのお店も多く、低コストで出店できて利益率も高い点も注目されました。確かに稼ぎやすい業態かもしれませんが、ブームが終われば一瞬で儲けられなくなってしまいます。このような商売は、上場している大企業にとってはリスクとリターンが見合っていません。

ミズノ だから未上場の会社しか見つからなかったのか。あと、原宿の土地に投資できれば儲けられそうとも思ったんですが、資金がなくて。

坂本 直接土地を買わなくても、その地域の土地や不動産を保有する上場企業の株を買う、という手はあります。ただ、特定の企業が原宿の土地をたくさん持っているということはなかったと思います。なので、企業株を通じて原宿に投資するのは難しいですね。

ミズノ では、チーズティーの上にのっかってるチーズを作る企業があればそこに投資したいのですが。

坂本 あれはチーズを加工したものですよね。それならばチーズを作っている企業のIR(投資家向け広報)に問い合わせてみるのがよいでしょう。ホームページに載っている代表番号に電話してみると意外と親切に答えてくれるものですよ。

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坂本氏の話を聞き、早速ミズノとイトウはストローに使われる紙パルプの製造企業と、チーズを作っている企業を全力でリサーチ。延べ数十社に電話をかけて、各社にチーズティーに関連する製品を作っていないか聞いてみたものの、大半の企業はそもそも紙ストローや加工チーズを取り扱っていないという返答だった。

そのなかで、有効な答えをもらえたのが森永乳業。飲食店にクリームチーズを販売する同社は、それを使ったレシピとしてチーズティーも提案しているそうだ。これこそポストタピオカ株の大本命に違いない!

ストローでいうと、日本製紙も注目株だ。今年4月には紙ストローの販売を開始しており、徐々に飲食業界でも採用され始めている。

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ミズノ かくかくしかじかで、この2社こそポストタピオカ株の本命のはずです!

坂本 いい線いってるんじゃないですか? ただし問題は、加工チーズや紙ストローの売り上げが増えたとして、それが企業の業績にどれくらい影響を与えるかです。例えば売り上げ100億円の企業のうち、チーズやストローが1億円の売り上げにしかならなければ、株価への影響は非常に軽微でしょう。

イトウ 単純に売り上げが増えれば株価も上がって儲けられるというわけではないんですね。

坂本 そうです。基本的に大企業は多角的に事業を展開しているので、一部の商品の売り上げが少し伸びたくらいで大きく株価が変動することはありません。だから、検索するときに現在の時価総額が低い企業を探すのがポイントです。時価総額が低ければ、ひとつの製品が売れただけで大きな影響がありますから。目安として時価総額300億円以下、と覚えておきましょう。

ミズノ (Yahoo!ファイナンスをチェックしながら)森永乳業の時価総額は2097億、日本製紙の時価総額は2118億円でした......(10月8日15時時点)。

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読者の皆さま、申し訳ありません。決定的なポストタピオカ銘柄は見つけられませんでしたが、今回学んだ方法でこの後もチェックし続け、捲土重来を期します!(続く? いや、続けます!)

■今回得た教訓 
その1 ブームを読んで投資する手法自体は間違ってなかった!
その2 事業内容などわからないことがあったらIR(投資家向け広報)に聞いてみる
その3「規模が大きすぎない上場企業」を狙うべし