"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは、日本でキャッシュレス決済が普及しない理由。前編では、店側がキャッシュレスを嫌がる理由を、堀江氏が「半分くらいは脱税目的だと思う」と指摘。ひろゆき氏も「税務署が率先してキャッシュレスを広めてくれれば、脱税が減って税収が増える」と語った。
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ホリ 役所の人の話によると、最近、マイナポイント目当てにマイナンバーカードを作る人でごった返しているらしい。こういうのがきっかけでいいから、キャッシュレス決済が広まるといいんだけど。
ひろ 現金には雑菌やウイルスが付着しているわけで「現金=危険」というイメージを普及させるのもいいかもしれませんね。日本の異常なマスク信仰を見ていると、マスクのためなら密になってでも行列に並ぶ人がたくさんいるじゃないですか。なので、キャッシュレスも普及するかも。
ホリ なんか、それも難しそうだよね。これだけキャッシュレス決済が使える場所が増えているのに、現金を消毒してまで使うようなヘンな人もいるから。
ひろ え、現金を消毒しているんですか?
ホリ うん。地方のホルモン屋さんに行ったら「現金は消毒しています」とか店頭に書いてあった。新型コロナ騒動でもう少しキャッシュレスが進むかと思っていたんだけど、まだまだ道のりは遠いな。
ひろ 新しいものをかたくなに覚えない層が多いのが日本の弱さですよね。
ホリ あと、ITリテラシー不足もある。牛丼チェーンの松屋がモバイルオーダーを開始したんだけど、そもそも今まで対応していなかったとか遅れすぎだから。
ひろ ですよね。
ホリ スマホがあれば簡単にできることだし、決済もそこで完結するから券売機すらいらなくなる。券売機に並ぶ必要もないし、回転率も上がる。便利なことずくめなのに手をつけようとしなかった。どうすりゃ、キャッシュレス決済をする人が増えるんだろうか。
ひろ 10万円の給付金を電子マネーで配っちゃえばよかったんですよ。それで電子マネーを使えない人は諦めてくださいみたいな。キャッシュレスとは関係ないですけど、給付金を配るのとCOCOA(新型コロナウイルス接触感染確認アプリ)のインストールをセットにするとか、新しいことを普及させるための方法って、いろいろとある気がしますけど。
ホリ だよね。普通に考えるとあのアプリはインストールしたくないよ(笑)。
ひろ キャッシュレス決済を使うとお得になったり、あるいは現金を使うと損をする仕組みの導入が必要なんですよね。
ホリ LINE Payで入金とかできたらめっちゃラクなんだけどな。LINEはメッセンジャー機能もあるから送金もしやすい。まあ、LINEもPayPayと同じグループになったから、そのうち融合するんだろうけど。
ひろ キャッシュレス決済をやっている人は増えているみたいなので、今後、少しずつ定着はするんでしょうけどね。
ホリ コロナをきっかけにして、キャッシュレスの圧倒的な便利さに触れてもらいたいね。それで完全なキャッシュレス社会になってほしい。もう現金なんて持ち歩きたくないよ。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『堀江貴文vs.外食の革命的経営者』(ぴあ)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)