突然社内システムの責任者になるも、引き継ぎも雑で勝手がわからず、顔も知らない上司に叱られる 突然社内システムの責任者になるも、引き継ぎも雑で勝手がわからず、顔も知らない上司に叱られる

今年の新入社員は入社以来、コロナに振り回されっぱなし。社会人になって6ヵ月がたち、やりきれない不満で爆発寸前の彼らの声を集めてみた!

■リモート研修を終えてフワッとしたまま配属

入社とほぼ同時に緊急事態宣言が発出。それ以降、コロナに振り回され続けている今年の新入社員たち。そんな彼らのモヤモヤを聞いてみよう! まずは研修について、不動産関係の新入社員の声だ。

「入社して最初の2週間は、在宅でオンライン研修を受けました。その後すぐに配属される予定でしたが、1ヵ月延期に。その間は、指定されたネット上の動画を見て感想文を書くという課題が与えられました。会社全体から『新入社員に構ってられるか!』という雰囲気を感じましたね」

テレビ局の新入社員も、お粗末な研修にため息を吐く。

「毎日1本テレビ番組を見て感想を書くだけ。ウチの会社は研修中に人事が適性を見て配属先を決めるのですが、今年は行きたい部署をアピールするタイミングがその感想文しかなくて......。配属先はもはやガチャだと、同期全員が半ば諦めていました」

そして、不十分なまま研修期間が終わり、現場に放り込まれた人もたくさん。

「配属されても1ヵ月間出社させてもらえず、『家で読んどいて』と先輩に渡された資料を読むだけの日々が続きました。正直何をやっている部署なのかしばらくわからなかったです」(人材)

商社の新入社員は、もうすでに疲弊気味の様子だ。

「社内のシステム管理部に配属されたのですが、その後すぐに直属の先輩が辞めてしまい、出社10回目くらいの自分が責任者になってしまいました。何か問題が発生すると、顔も名前も知らない別の部署の上司から何度もテレビ電話がかかってきます。相手はカメラをオフにして怒ってくるので『誰だよ』と思いながら毎回謝るばかりです」

■飲み会禁止で上司と距離が縮まらない

新入社員の多くから挙がった悩みに、上司との人間関係がある。今年の春に私立中学の教員になった女性は。

「飲み会は当然禁止。せめてお昼休みに距離を縮めようと思いましたが、マスクを外して会話するのは厳格に禁止されているので、昼食もおのおのが無言で食べています。いまだに職場の先生方のプライベートな話は一切わかりません」

続いて、機械メーカーの新入社員の声。

「例年はこの時期になると上司に怒られ始めるらしいんですけど、まだ優しく注意されるくらいです。気を使ってくれているんだと思うんですが、『ずっとこの半人前扱いなのかな』と不安になります」

一方、あるコンサル会社の新入社員は悪化した関係が修復できずに悩んでいる。

「1週間に一度しか出社しないなか、いやみな上司に理不尽に詰められたときに目の前で泣いてしまいました。ヤバい新人だと思われてるんだろうなぁ......。その後挽回する機会もなく、いまだに気まずいままです」

こうした日々を送っていれば、不満やストレスだってたまるもの。しかし、研修のほとんどがリモートで行なわれた彼らには、仕事の愚痴を話せる同期も少ない。

「同期とはいまだに敬語で話してます。仕事帰りに居酒屋に行って上司の悪口で盛り上がる、みたいな『ハナ金』に憧れます」(前出・コンサル)

同期LINEで飲み会の参加者を募っても既読スルーがほとんど。飲みニケーションに飢えている 同期LINEで飲み会の参加者を募っても既読スルーがほとんど。飲みニケーションに飢えている
「同期を呼び捨てにするタイミングを失ったまま、周りは名字にさんづけで呼び合っています。私はあだ名にしやすい名字だったので、生まれて初めて名字に感謝しました」(前出・機械メーカー)

「どんな私生活を送っているのか見られたくないのでSNSは同期に教えていないくらいの距離感です(苦笑)。飲みにも誘えず、大学時代の友人とばかり遊んでいます」(出版)

最後に、今回取材した新入社員たちが口をそろえて言っていたのは、「来年入ってくる新人が怖い」ということだ。

「職場の雰囲気になじめないまま、来年入社する後輩が先に先輩に好かれたらと思うと......。いっそこの飲み会がない状態がずっと続いてほしいですよ」(IT)

この世代が同僚や先輩、後輩と飲み会を開き「コロナのツラかった話」で盛り上がれる日がいつか来ますように!