"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、居酒屋・和民の焼肉店への転身について語る。
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ホリ 新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費者の行動変容を受けて、あの「和民」が居酒屋から焼肉店へシフトチェンジするみたいだね(笑)。
ひろ 居酒屋って、大勢が大声でガヤガヤしゃべったりする場所なので、コロナ禍では避けられていましたよね。でも、焼肉店にすれば、「換気しまくりなので安全」ってこともあるんでしょうね。
ホリ あと、最近は「焼肉ライク」っていうひとり焼肉専門店の快進撃が続いているのも影響していると思う。ちなみに、ライクは「牛角」の創業者でもある西山知義さんが手がけている事業なんだけど、和民もこの動きに続こうとしているんだろうね。
ひろ 外食は、業種転換しても過当競争になるだけのような気がしますけどね。
ホリ だよね。それに居酒屋から焼肉店にシフトチェンジするためには大規模な設備投資などが必要。だけど「やれば必ず儲かる」わけではないので、実はリスクが高い転身だと思う。
ひろ 和民によると、360店舗のうち120店舗をこれから1年半かけて焼肉店へ変えていくらしいですね。
ホリ まあ、和民みたいな総合居酒屋は時代遅れだからね。これまでは駅前の好立地の大箱という業態が功を奏していたけど、SNS時代にはそれがあまり機能しなくなった。そしてコロナ禍によってそれが決定的になった。だけど、多くの居酒屋経営者たちは、このことを理解してないのよ。
ひろ 確かに駅前にあるチェーン店にはあんまり行かないっす。
ホリ そして、今や「和民」というブランドは、むしろマイナスイメージでしょ。
ひろ 知名度はあっても、ブランド価値の高い名前ではないですよね。「鳥貴族」みたいに「めっちゃ安いし質もそこそこ」なら、まだ知名度を生かせると思いますけど。
ホリ それを和民の経営陣はわかっていないんだろうね。
ひろ 何か驚きを提供するのであれば、ニュースバリューはあると思います。例えば2000円で食べ放題とか。ただ単に「焼き肉店をやります」といわれても厳しそうですよね。これが、マクドナルドが焼き肉店をやるんだったら、ある意味気になりますけど。
ホリ 店名も「焼肉の和民」にするらしいけど、新しいブランド立ち上げたほうがいいんじゃないの。てか、ブランディングの前に焼肉って業態はけっこう難しいのよ。
ひろ というと?
ホリ さっき言ったみたいに、設備投資も排気が大変でけっこうなコストがかかる。それに使える肉の部位が特定されているから、それ以外の部位をミンチとかいろんな用途に使わないと仕入れが割高になる。食肉業界は大変なのよ。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「和民が居酒屋から焼肉店に転身! 飲食業界の未来はどうなる?」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(実務教育出版)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)