"ホリエモン"
こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は「三菱スペースジェット」の事業凍結について語る。

* * *

ホリ 国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」が事業凍結されるみたいだけど、ホンダジェットを利用している身としては思うところがあるわ。新型コロナウイルスの流行で、飛行機の納入先である航空会社の経営が厳しいため、需要が見込めないという判断なんだろうけど。

ひろ うーん、国産飛行機を採算ベースに乗せるのは難しいんですかね? 例えば国産飛行機を自衛隊がバカスカ買うとか?

ホリ いや、旅客機なので自衛隊は用途がないよ。そもそもF-2戦闘機とかは国産だから。何が違うのかっていうと、戦闘機はFAA(アメリカ連邦航空局)の認可を取る必要がないの。

ひろ だったら、自衛隊で技術開発したものを、民間に転用したほうがコストは安いような。

ホリ コストの問題じゃなくて認可の問題。今回の凍結で「開発費が巨額」という話があったけど、実は採算の問題じゃなくて、認証が取れないことが大きな原因なんだよ。日本企業はYS-11という旅客機以来、旅客機を造れてないのが現実。まあ、正確にはホンダジェットがアメリカで小型機を造って、FAAの認可を取れてはいるけど。

ひろ 認可が取れたホンダジェットと、事業が凍結されることになった三菱スペースジェットって何が違うんですか?

ホリ 旅客機は世界マーケットだから、FAAの認可が取れないと商売にならんのよ。んで、その認可を取るにはノウハウが必要。そして、そのノウハウがあるのは、ボーイングとエアバス、エンブラエルとボンバルディアくらいしかない。

ひろ 認可ってことは、条件や細かなルールがあると思うんですけど、そのとおりに造っても認可されないんですか?

ホリ そもそも、その「条件」がわからないんだよ。そこも含めてのノウハウだから。

ひろ うは。それはひどいっすね。

ホリ 「ひどい」ではなくて「細かい」が正しいんだけどね。そして、その細かさが利権となっている感じもある。

ひろ となると、とりあえず造って、指摘されたところを直す作業を繰り返す感じなんですか?

ホリ そうね。三菱スペースジェットは、ノウハウ不足で6度も納入を延期しているから。ホンダジェットがアメリカで製造しているのは、そういったノウハウの部分もあるんだと思う。

★この続きは明日(11月22日)配信します

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(実務教育出版)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)

★「ホリエモン×ひろゆき 帰ってきた!なんかヘンだよね…」は土曜・日曜日更新!★