"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、「テスラ」のエアコン事業参入。前編では、ひろゆき氏が「ベンチャーの家電メーカーも国内から出てきそうですし、大手の白物家電メーカーが逆転する展開は難しそう」と予想。堀江氏も、日本の家電メーカーの製品の使いにくさを指摘し、「シンプルでユーザビリティのあるものをずっと売り続けりゃいいのに」と語った。

* * *

ホリ まあ、今のままだとテスラにコテンパンにされそうだけど。逆に言えばチャンスだらけなんだよね。エアコンとかももっとシンプルにすればいいんだから。

ひろ エアコンって、つけっぱなしのほうが電気代が安い場合があるので、人間が細かい温度設定をやらないほうがエコで快適になったりする可能性ありますよね。

ホリ 電気代も含めて、今ならディープラーニングとか活用できるよね。てか、もしかしたらテスラはエアコンにバッテリーを内蔵して、安い夜間電力を充電して昼間に使うとかになりそうな気がする。このへんはテスラの得意技だから。

ひろ むしろ、テスラのエアコンはそれ狙いな気がしますね。

ホリ 「テスラ=自動車メーカー」だと思っているやつはバカだからね。そんな枠にとどまるわけでないことは、社名が電気黎明(れいめい)期の偉大なる科学者、ニコラ・テスラからつけられていることからもわかる。社名にもネーミングセンスを感じるよ。

ひろ 世界屈指の充電池屋さんですからね。

ホリ そそ。テスラのコアテクノロジーはバッテリーのマネジメントシステム。ちなみに、テスラの創業者であるイーロン・マスクが手がける宇宙企業「スペースX」もネーミングセンスが光っているよね。

ロケット「ファルコン」に使われているエンジンも「ケストレル」「マーリン」「ラプター」は全部戦闘機から来ていたりするし。

ひろ 自動車メーカーがEVの量産に踏み切るボトルネックが電池にあるっていうのをいち早く気づいて投資しまくっていましたしね。

ホリ そして、リチウムイオン電池の弱点が過充電であり、その制御がコアテクノロジーになりえることにも気づいていた。ここはソニーもサムスンも(GS)ユアサも失敗しているポイントだから。

ひろ テスラは早めに市場に打って出たので、そのへんの情報が先に入るから有利ですよね。

ホリ テスラがパナソニックと合弁でやっている電池工場「ギガファクトリー」も、テスラエリアとパナソニックエリアに分けられていて、その間には厳重なファイアウォールが敷かれているんだよね。

ひろ マジすか。パナソニックがうまく利用されて終わりにならなきゃいいんですが。

ホリ でも、たぶんそうなるでしょう。そして、テスラはエアコンだけじゃなく、バッテリーのマネジメントの派生からさまざまな事業展開をすることが考えられる。日本のメーカーも、この動きを見習って変わってくれるといいんだけど......難しいかもなぁ。

ひろ そうっすね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)

★「ホリエモン×ひろゆき 帰ってきた!なんかヘンだよね…」は土曜・日曜日更新!★