店頭の機械でQRコードを読み取り、メニューを選択すると食券が発行される

月額7800円で、対象メニューとなっているそば、おむすび、パンなどが食べ放題になるサブスクが「超おトク」と話題だ。

これは、小田急電鉄が3月8日からスタートした「EMot(エモット)パスポート」というサービス。『EMot』アプリで事前にチケットを購入し、店頭でスマホ画面を提示することで利用できる。

具体的には、ターミナル駅などに入っている小田急グループの「箱根そば」などで、そばなどをイートイン。「おだむすび」では好きなおむすびを2個、「HOKUO(ホクオー)」でも税込み300円未満の好きなパン2個を持ち帰れる。

さらに「HIBIYA KADAN(日比谷花壇)」などでは、対象の切り花から好きな花を3本受け取れる。花は期間中に5回までだが、そば、おむすび、パンは3時間空ければ、同じ日に連続して利用することもできるのだ。

小田急新宿駅「おだむすび」のおむすび2個

フードジャーナリストの、はんつ遠藤氏が解説する。

「これまでの飲食サブスクは、ラーメンなどワンジャンルのものがほとんどでしたが、小田急は、そば、おむすび、パンの複合型。ワンジャンルだとユーザーが食べ飽きてしまうことがあったのですが、複合型だとそれが解消されます。

そして、なんといってもコスパがいい。小田急線の新宿駅を使う人であれば、朝におむすびを2個買って昼食にして、夜にパンを2個買って翌日の朝食にする。これを普通に買うと800円から1000円になるので、週2回利用すれば元が取れてしまう。また、3時間空ければ利用できるので、頑張れば一日に4回使えます。驚きのおトクさです」

赤字にはならない?

「立ち食いそばやパン、おむすびの原価率は3割以下だと思うので、原価割れはしないでしょう。それに今回のサブスクは、利益を上げるというより宣伝効果を狙ったものです。新型コロナの影響で売り上げが厳しい飲食店を活気づけ、そして、小田急を使う人にはこんな楽しいことがあるというブランディングができるわけです。

ただ、サブスクは期間限定のものが多い。ある程度の宣伝効果が表れたらやめてしまう可能性もあります。だから、今のうちに恩恵にあずかっておいたほうがいいと思います」

デメリットは?

「このサブスクの最大のデメリットは、利用店舗が44店舗しかなく、しかもターミナル駅の小田急新宿駅や新百合ヶ丘駅が中心になっていること。小田急線沿線に住んでいても利用しにくい人はたくさんいると思います」

今後、こうした複合型のサブスクは増えていく?

「これがきっかけとなって増えていくと思います。例えば、フードコートなどは一番適していますし、地域限定で10種くらいのジャンルの飲食店がまとまってサブスクをやると地域が盛り上がり、ユーザーも飽きません。今はみんなで連携して乗り越える時期だと思います」

いろいろ選べる新型サブスク。楽しみが増えそうだ。