「値上げ遅れ」の返礼品には、茨城県守谷市の「スーパードライ350ml缶 24本」「クリアアサヒ350ml缶 24本」もある「値上げ遅れ」の返礼品には、茨城県守谷市の「スーパードライ350ml缶 24本」「クリアアサヒ350ml缶 24本」もある

■オススメのポータルサイトは?

ふるさと納税の締め切りが近づいている。ふるさと納税とは、毎年12月31日までに自治体に寄付をすれば、その額から2000円を引いた分が来年の所得税・住民税から控除され、その上返礼品ももらえるおトクな制度である。

「控除される税額の上限は収入や家族構成によって変動しますが、年収300万円以上の人なら絶対にやるべきです」

そう語るのは、ファイナンシャルプランナーの藤原久敏(ひさとし)氏だ。自身の寄付額上限の目安については『総務省ふるさと納税ポータルサイト』で簡単に算出できる。例えば年収600万円で共働きか独身なら、寄付額上限は7万7000円。この場合、7万5000円が税金から控除されるわけだ。

ふるさと納税は確定申告が必要になり、面倒だというイメージがあるかもしれないが、その手続きは簡略化できる。

「通常は自治体から送られてくる、あるいはふるさと納税をしたサイトからダウンロードできる『寄附金受領証明書』を確定申告書と合わせて税務署に提出する必要があるのですが、『ワンストップ特例制度』を使えばこの手間を省けます。

これは、確定申告が不要な給与所得者で、かつ、ふるさと納税の寄付先が年間で5自治体以内の人が使える制度です。条件に当てはまる方は、寄付した自治体に簡単な申請書を送るだけでOK。確定申告をする必要はありません。

ちなみにワンストップ特例制度を使うなら、申請書を各自治体に送付しなくてはいけません。1月10日必着なので早めに送りましょう」(藤原氏)

ふるさと納税のポータルサイトはいくつかあるが、多くの選択肢からじっくり選びたいなら利用者数と掲載自治体数1位の『ふるさとチョイス』が無難だ。一方、おトクさを追求するなら最大30%還元が狙える『楽天ふるさと納税』などが選択肢に入る。

最も重要なのは寄付先選びだが、物価が上がりつつある今、せっかくなら少しでもトクできる寄付先を見つけたい。そこで返礼品選びに役立つキーワードが【訳アリ】【値上げ遅れ】【必需品】である。

「【訳アリ】はお肉や果物などの返礼品に使われる常套句(じょうとうく)。サイズが不ぞろいなどの理由で通常の商品として卸すことができないものを指しますが、味や品質は流通しているものと比べても遜色ありません」

ちなみに、同じくおトクなものが多いのが【緊急支援品】。これはコロナで打撃を受けた生産者を守るため、自治体が用意した特別な返礼品のことである。

「返礼品の中身については総務省から『ふるさと納税返礼品の還元率は寄付額の30%以内』という通達が出されているため、通常は1万円の寄付なら返礼品は3000円以内相当のものに限られます。

ところがここには"抜け道"があります。キモは、総務省が示す還元率は市場価格ではなく、自治体の調達額を元に算出されるという点。なので、自治体が市場価格よりも安く調達できれば、魅力的な返礼品を提供できるわけです。【訳アリ】や【緊急支援品】に高還元率の返礼品が多いのはこのためです」

このほか【値上げ遅れ】にも要注目だ。返礼品自体の価格が値上げされても、寄付額にそれが反映されるのにはタイムラグがある。つまり、事実上返礼品の還元率が3割を超えている自治体が一部存在するのだ。

そして最後に、今年人気を集めているのが【必需品】である。ふるさと納税比較サイト『ふるさと納税ガイド』の福田航太氏が解説する。

「今年11月に返礼品として日用品を選んだ人の割合は、前年同月比149%と増加しています。お肉や魚介といったぜいたく品ではなく、お水やティッシュなど日々の生活に欠かせないものをもらって家計の助けとする人が増えたのでしょう」

■寄付枠が余ったときの裏ワザ

ここからは全国自治体が用意する返礼品の中から、識者オススメの品を紹介しよう。まずはおトク度が高い【訳アリ】から。

「魅力的な返礼品を豊富に取りそろえていることで有名な大阪府泉佐野市の『牛たん 大暴れ盛り1.4㎏』を推します。形が不ぞろいなので訳アリになっていますが、加工を知り尽くしたキャリア45年の肉コンシェルジュが自家製酵素で熟成し味つけを行なった逸品。12月末まで一部のサイトで通常より250g増量中、還元率は驚異の140%になっています」(福田氏)

お肉と並んで人気なのが海の幸。

「千葉県勝浦市の『B級銀鮭切り身大容量約2.8㎏』はリピーター続出で満足度が高い人気返礼品です。形が不ぞろいなどの理由で訳アリとなっていますが、正規品と同じ工場で加工していて味ももちろん一緒。絶妙な塩加減でご飯が進みますよ。

また、海の幸なら高知県芸西(げいせい)村の『カツオのたたき1.5㎏』もオススメです。寄付金額たったの8000円という驚愕(きょうがく)のコスパで、本場高知県のカツオのたたきが味わえます」(福田氏)

続いて【必需品】に移ろう。

「茨城県境町(さかいまち)の『お米4種食べくらべ20㎏』は、【訳アリ】のおトクな返礼品です。コシヒカリを含めた有名ブランド米が4種も送られてくるのでぜいたくな味比べを楽しめます」

必需品では、トイレットペーパーやボックスティッシュも人気があるという。

「静岡県沼津市の『トイレットペーパーダブル108ロール』はブルーベリーやミックスベリーなどの香りを選べる人気の返礼品です。またボックスティッシュなら、1万2000円でもらえる『クラリスボックスティッシュ60箱』(栃木県小山市)が良いでしょう」

最後は【値上げ遅れ】の返礼品をご紹介。

「お酒を飲む方にオススメなのが茨城県守谷市の『アサヒスーパードライ350ml缶24本』。年内はプラス2本の特典までついています。同じく守谷市の返礼品には、発泡酒の『クリアアサヒ350ml缶24本』も。いずれも10月に、店頭価格ベースで6~10%程度の値上げがありましたが、寄付額は据え置きとなっています」

冷凍食品も全般的に値上げの傾向にあるが、寄付額を変えていない自治体がいくつかあるという。

「鹿児島県いちき串木野(くしきの)市の『鹿児島黒豚生餃子合計144個』は、鹿児島県産黒豚と国産野菜を使用したジューシーな餃子で、おかずにもお酒のつまみにも使えます。また、人気の冷凍食品といえばハンバーグも外せません。

福岡県新宮町(しんぐうまち)の『圧巻の22個 デミハンバーグ』は1万円と高コスパの上、調理が簡単、そしておいしいと三拍子そろった人気の返礼品です」

最後に、ふるさと納税を最大限活用するためのテクニックを紹介しよう。

「欲しい返礼品を組み合わせると、寄付上限額にわずかに届かず枠が少し余ることがあります。そんなときにオススメなのが、福岡県飯塚市の『素材こだわりの紅はるか芋甘納豆』。

九州産の紅はるかをひと口サイズにカットして蜜漬けをした芋甘納豆です。味が良いのはもちろんですが、寄付額が1000円なので上限額の調整にピッタリですよ」

年末は駆け込みの寄付により、返礼品がなくなることも多いそう。利用はお早めに!

*情報は12月13日時点のもので、内容が変更になっている場合があります
*「ふるさと納税」の寄付に消費税はかかりません