交際前、交際中にハラスメントという言葉が頭をよぎることはあった? コロナで増えた? 減った?交際前、交際中にハラスメントという言葉が頭をよぎることはあった? コロナで増えた? 減った?

ハラスメントに対する目が厳しくなり、コロナによって出社機会も減ってしまったここ数年。職場恋愛に対する考えも変わってしまった? アンケートや当事者のエピソードからその最新事情を探ってみました!

■職場恋愛の最新事情に迫る!

職場でのハラスメントに対する厳しい目やコロナの影響でリモートワークが増えた昨今。気になるのは、その影響を受けて、職場恋愛がどうなっているのかということ。最新事情を探るべく、アンケートを実施した。

*【Q1】20代から40代の会社員男性5000人、【Q2~Q9】この5年以内に職場恋愛(不倫やワンナイトでない)をした20代から40代の会社員男性200人に聞きました

まずは20代から40代の会社員男性5000人に「この5年以内に職場恋愛をしたことがあるか」(Q1)を聞いたところ、4人に1人ほどが「している」「していたが別れた」「して結婚した」と回答。この数字は多いようにも感じるけど......。解説してくれたのは、恋愛問題に詳しい日本合コン協会会長の田中絵音氏。

「既婚者に出会いのきっかけを調査すると『職場』が長きにわたり不動の1位です。なので、特別驚くような結果ではありません。普通の企業で普通に生活をしていたら、だいたいが職場と家の往復になる。自発的に出会いを求める行動をせずに過ごしていたら、職場での出会いが多くなるのは当然です」

さて、こうした前提を踏まえて、実際に職場恋愛を経験した男性の声を聞きつつ、識者に最新事情の解説を加えてもらおう。

【指導係から恋愛に発展したケース(29歳・愛知県・金融)】

「新入社員に入社から2年間指導係がつく制度があり、私が指導したのが、4つ下のその後輩でした」

――どのようにして、恋愛に発展した?

「仕事で成果を出してくれたときに、仕事終わりに飲みに誘ったのがきっかけです。2年間の指導係の期間終了後も定期的に飲みに誘うようになり、休日に出かけるようにもなって交際を開始しました」

――最初に飲みに誘うとき、セクハラなどの思いはよぎらなかった?

「向こうから連れていってくださいと言われていたので。言われていなかったら状況は違ったかもしれません」

このケースに解説を加えてくれたのは、最新の恋愛事情に精通する恋愛婚活ラボ所長の伊藤早紀氏。

「アンケート結果を見てもわかるように3割の男性がハラスメントを意識したとあります(Q5)。とはいえ、7割が男性側から誘ったとあり(Q6)、自分から動かないと恋愛に発展する可能性は薄い。

ハラスメントにならないように気をつけたいのは、業務の具体的な改善など、会議室で済む話で飲みに誘わないこと。『モチベーションが湧かない』など、後輩女性の中でも整理ができていないようなモヤモヤした悩みがありそうなら、飲みながら相談する必然性はあります。

ただし、飲みも、一度行けたからといってすぐに恋愛に発展させようとしないこと。相手の様子をよく観察しながら、距離を縮めていく。マッチングアプリでの出会いはそのときに決めないと次いつ会えるかわからない短期戦ですが、職場恋愛は中長期戦。焦って勝負を決める必要はありません」

【社内サークルの先輩女性と交際して結婚したケース(29歳・東京都・メーカー)】

「相手は会社の登山部の3つ上の先輩。10人くらいのメンバーで登山キャンプに行くことがあり、その際に思い切って食事に誘いました」

――成功したと思う条件は?

「(今の奥さんが)失恋したタイミングだったのが大きかったと思う。恋愛対象でないところからスタートして、食事にも誘ってもらううちに恋愛に発展していった」

――大変だったことは?

「仲のいいサークルだったので、関係を崩したくなく、みんなに恋愛関係がバレないようにするのがしんどかった。社内では顔を合わせることがないように気をつけました」

このケースを田中氏が分析してくれた。

「アンケートで、3割近くの男性が先輩女性と交際している(Q3)ことからもわかるように、セクハラ・パワハラ案件のリスクが少ない、先輩との恋愛関係がこれからも増えていきそう。先輩に好かれるには、頼りがいがあるなどより、かわいげがあるほうがいいでしょう。

一方で、ふたりきりになったとき、後ろから車が来たら肩を寄せてあげるとか、ちょっと男らしい一面が見えるとより魅力的に感じます。上手になつく方法はとにかく挨拶をして若さをアピールをする。『元気でかわいなあ』と思ってもらうことです。また、少年っぽさのアピールも効果的でしょう」

恋愛関係を隠すことについて、解説してくれたのは伊藤氏。

「アンケートでは、半数近くが黙っていた(Q7)とあるように、周りとの関係性を崩したくない、別れたときに周りに報告しなくてはならない、などの意識が働くのだと思います。ただ、今はSNSなど"バレるキッカケ"が多くなっている。隠しきれないなら逆にオープンに公表してしまったほうが潔い印象です」

【同じ職場の同期と結婚したが、離婚してしまったケース(31歳・福岡県・メーカー)】

「新卒の同期で同じ商品開発チームでした。仕事の悩み相談を受けていたら仲良くなってごはんに行ったりするのが半年くらい続いた。その後、自然と交際する流れになりました」

――ではなぜ、別れる流れに?

「ぶっちゃけると、向こうのほうが仕事がデキるようになってしまって、社内での評価もどんどん上がっていった。そうなると、家庭内での立場も低くなり安らげる場所がなくなっていったので、という感じです」

――職場恋愛のアドバイスはある?

「結婚にまで至るのであれば、職場のみんなも祝福してくれるのでいいと思います。結婚式もかなり盛り上がります。ただし、別れた後のこともあるので、普通の恋愛よりは覚悟が必要です」

解説を加えてくれたのは、伊藤氏。

「別れた後、一生同期会に参加できなくなるなどのリスクもあります。相当メンタルが強くない限り、同じ会社内で何度も恋愛できるものではないので、それも理解した上で、後悔しない相手を選ぶことが重要です」

このようなデメリットもあるが、経験者の半数以上はメリットがある(Q8)と回答している。田中氏が職場恋愛のススメで締めくくってくれた。

「『仕事が忙しくて会えない』が別れにつながるカップルも多い中、職場恋愛だと社内で顔を合わせざるをえないので、ケンカして疎遠になってフェードアウトということもない。

『本当に大変なとき、その人がどんな行動を取るか』を仕事を通じて前もって知ることができるのも結婚を考えると、かなり重要です。コロナ明けの今こそ動いてみる大きなチャンスだと思いますよ」