大手のネット証券はほとんどミニ株制度を導入している(上が楽天証券、下がSBI証券)。ただし、手数料や取扱商品にはかなり差がある大手のネット証券はほとんどミニ株制度を導入している(上が楽天証券、下がSBI証券)。ただし、手数料や取扱商品にはかなり差がある
来年から始まる新NISAがおトクだと言われているけど、やっぱり投資って面倒くさいし、お金を失うのは怖い! そんなあなたに、3つのお手軽投資法を紹介するぞ。これで投資の肩慣らしを済ませておけば、新NISAが始まっても安心! *本記事の情報はすべて10月23日時点のデータです

■証券口座を開かず運用できる!?

まずは最もお手軽な「ポイント運用」から。これはクレジットカード払いやQRコード決済で得たポイントを各社のウェブサイトやスマホアプリから運用して、ポイント自体を増やすサービスだ。ポイント情報サイト『ポイ探』運営者の菊地崇仁(たかひと)氏が解説する。

「投資を始めようと思ったとき、意外と手間なのが証券口座を開くこと。その点、ポイント運用は口座を開く必要がない手軽さが売りです。クレジットカードのポイントや、dポイントをはじめとした共通ポイントが特定の金融商品に連動して増減するサービスで、用意されたコースから選べばお任せで運用してくれます」

例えばdポイントの場合、「日経平均」や「クリーン・エネルギー」など約10種類のコースから選べる。

「ほかにも楽天、Ponta、PayPayなどの共通ポイントや、セゾンカードの永久不滅ポイントなど、有名なポイントはだいたい運用できます。もちろん株式市場の動向によっては損をする可能性はありますが、ここで強調しておきたいのが、ポイントはそもそも身銭ではないということ。一時的に減ったとしてもそこはポイントと割り切って続ければ、いずれ投資の威力を実感できるはずです」

■損するのが怖いビギナーにぴったり!

続いては、ポイントを使って実際に金融商品を購入する「ポイント投資」だ。

「紛らわしいですが、こちらは株や投資信託自体を買うため、売却すればお金に換わります。証券会社にもよりますが、1ポイント1円として最低購入金額100円以上、1単位からで株や投資信託を買えるところもある。いずれにせよポイント運用と比べれば選択肢も幅広く、より実際の投資に似た体験ができます」

実際に株を買うとなれば元手となるポイントも一定数必要になるが、ためるコツは?

「買い物や公共料金、家賃などを還元率1%以上のカードで支払うだけで、そこそこまとまったポイントが得られるはずです。証券会社によっては投資信託の積み立てに対応するクレカを指定しており、これを利用すればさらにポイントがたまりますから、カードの新規発行を選択肢に入れてもいいでしょう。また、SBIやauカブコム証券なら、ポイントで買った投資信託を保有しているだけでさらにポイントがつきます。

実は、キャッシュレス決済のポイントは3~4割が期限切れで失効しているといわれます。それならポイントがつき次第、すぐ投資に回してしまおうというくらいの心構えで気楽に投資することをオススメしたいですね」

■手数料ゼロで1株から購入可能

最後に紹介するのが、超少額の元手で投資にトライできる「ミニ株(単元未満株)」だ。日本では個別株を買おうと思うと、多くの場合最低取引単位が100株となっている。例えばトヨタ自動車に投資したければ、最低でも26万1000円を用意する必要があるわけだ。これではいざ買おうと思っても、腰が引けてしまう人も多いのではなかろうか。

そこでぜひ利用してほしいのがミニ株取引だ。国内株を1株から購入できるサービスで、SBI、楽天、マネックス、auカブコムなどが行なっている。株主優待はもらえないが、配当は保有する株数に比例して受け取れる。

ポイント投資を利用するなら、自分が普段使っているポイントを軸に選ぶのがシンプル。特にこだわりがなければSBI証券が最も条件がいいのでオススメだポイント投資を利用するなら、自分が普段使っているポイントを軸に選ぶのがシンプル。特にこだわりがなければSBI証券が最も条件がいいのでオススメだ
ミニ株の最大のメリットは、数百万円必要な一流銘柄が買えること。例えば「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングに投資するには333万1000円必要だが、ミニ株を使えば3万3310円で買える。

各証券会社のポイント投資、ミニ株のサービス内容はさまざまだ。結論から言えば、これらが最も充実しているのはSBI証券なので、迷ったらこちらで開設するといいだろう。

今年の残り2ヵ月で肩慣らしをして、万全な態勢で来年を迎えよう!