「いらない」と思っているのはどの世代? 大宴会は復活する? Zoom飲み会はまだある?「いらない」と思っているのはどの世代? 大宴会は復活する? Zoom飲み会はまだある?

コロナ明け初の飲み会シーズンが到来! 忘年会も復活していきそうだけど、それってうれしいこと? 嫌なこと? 世の会社員500名へのアンケート調査を通して、ポストコロナ時代の忘年会事情と本音を探ります!

■ビジネスシーンでは大規模忘年会も復活!

まずは忘年会の有無について(Q1~4)。調査の結果、「今年、仕事関連の忘年会がある」(Q1)と答えたのは41.8%。半数近くが参加予定だ。

また「コロナ禍はなかったが今年はある」と答えたのが29%。ビジネスシーンの忘年会が復活傾向にあることは間違いなさそう。ちなみにプライベートの忘年会について(Q3)は「コロナ禍はなかったが今年はある」が21%にとどまり、ビジネスシーンに比べると復活の勢いは緩やかだ。

20~60代の男性会社員100名ずつ、計500名にインターネット上でアンケートを実施した20~60代の男性会社員100名ずつ、計500名にインターネット上でアンケートを実施した

では、その規模感は?「予定されている仕事関連の忘年会のうち、最大規模のもの」(Q2)を尋ねたところ、過半数が「20人以下」と回答した一方で、「100人以上」も約10%存在。コロナ禍ではありえなかった、大規模な宴会も復活するようだ。

「60人規模の部署横断的な大忘年会のほか、20人程度の会もすでに決まっています。師走の金曜日は大忙しになりそう」(32歳・金融)

次に、コロナ禍で広まった、Zoomによるオンライン忘年会はどうなる!? まずは「オンライン忘年会は楽しかった?」(Q5)と聞いてみたところ、「楽しかった」派が91人、「つまらなかった」派が84人と、ほぼ半々に分かれる結果に。

そこで、コロナ明けの今年はオンライン忘年会をやるのか尋ねると(Q6)、なんと10%の人が「する予定」と回答。わざわざオンライン形式を選ぶ理由は?

「ここ2、3年オンラインで飲み会を行なうようになって、物理的な距離に関係なく皆で集まり忘年会ができることに気づいた。地方や海外の仲間も含めて楽しめるように、今年もオンライン忘年会を開催する予定です」(36歳・空間デザイン)

新たなスタイルとして、オンライン忘年会は今後も残っていきそうだ。

一方で、昔ながらの忘年会文化「余興」の有無は?(Q7)。今年の忘年会で「余興がある」と回答した人は11.4%のみ。余興という文化はだんだんと消えていくのだろうか。

「グローバルな人材がいる部署にいたので、コロナ以前の忘年会では同僚のインド人たちとダンスを披露しました。練習で週末が潰れたのは正直イヤでしたが、それによってチームのメンバーたちと距離を詰められたので、そういう文化やチャンスがなくなってしまうのはちょっと寂しい」(28歳・システム開発)と懐かしむ声がある一方、こんな声も。

「コロナ禍のオンライン忘年会の余興として、新人社員たちでBTSを踊り、大スベリ。リモートでダンスを合わせるのが難しかったです」(28歳・広告)

■忘年会はいる? いらない?

そもそも「忘年会はあったほうがいい?」(Q8)という質問の回答を見ると......「仕事もプライベートもなくていい」がなんと42.4%! 半数近くが、とにかく忘年会は不要と考えていた。

さらに仕事関連の忘年会に関しては、計74.8%の人が「なくていい」と回答。4人に3人が、職場の忘年会を「いらない」と思っていることが発覚した。Q1で4割以上の人は仕事の忘年会があると答えていたことを踏まえると、イヤイヤ出席している人がほぼ確実にいることになる。

ここで興味深いのは、年齢が高くなるほど「プライベートの飲み会だけでいい」と回答していること。20代、30代では28~29%だが、40~60代だと33~37%に増加するのだ。

では、仕事関連の忘年会が不要だと思う理由は?(Q9)。1位は「業務時間外まで会社の人と関わりたくない」(44.4%)で、2位は「お金がかかる」(34.2%)。時間やお金を無駄にしたくないと考えるコスパ感覚の反映だろう。

さらに3位に「上司に気を使って疲れる」(29.4%)が入ったかと思えば、「部下に気を使って疲れる」も12%。それぞれコメントを見てみると、

「憂鬱(ゆううつ)です。上司と会話をすると気を使って胃が痛くなるので、食べることに集中したい」(27歳・IT)という20代がいる一方で、

「ハラスメントのボーダーが難しい。飲み会が盛り上がり若手が心を開いて接してきてくれても、過度にセクハラ・パワハラを気にしてオロオロしてしまう。適度な距離感のあんばいをつかめない様子を見て『おじさん』というレッテルを貼られるのも嫌だ」(41歳・飲食)という上司世代の40代も。

お互いに気を使い合う場なら、「なくていい」と思うのも仕方なし?

また、「復活自体はいいけど、全員強制参加っぽい空気はやめてほしい」(39歳・鉄道)という声に呼応するように、「参加を強制しないよう、社内の一斉メールやSNSを通じて『参加希望者は連絡ください』と告知するようにしている」(38歳・広告)との工夫をする人も。とにかく人に配慮をしながら杯を交わすのがトレンドだといえそうだ。

ちなみに「コロナやインフルエンザなどの感染が怖い」を理由に挙げた人も11.5%存在。Q2とQ4の結果を比較しても、仕事関係の忘年会は大所帯になりがちなので、抵抗感がいまだに強いのだろう。

ただもちろん、忘年会に対して前向きな層もいる(Q10)。理由を見ると1位は「息抜きになるから」(57.1%)。上司や部下がいようと、過度に気を使わないタイプは忘年会を楽しみにしているよう。

また2位「職場の人と距離が詰められる」(45.2%)、3位「1年間の仕事を振り返るのが楽しい」(29.4%)と、忘年会を通して仕事や職場環境をより充実させようと考える人も。

「同期が全員忘年会に対して後ろ向きだからこそ、自分が上司に取り入るチャンスだと思っています」(25歳・マスコミ)

ちなみに「恋愛・セックスにつながるから」と答えた人は2.4%のみ。忘年会から職場恋愛......なんて、アプリで出会える時代にはもう過去の話?

最後に、忘年会の予定がある人に対し「いつまで飲みたい?」という質問(Q11)に対し、「1次会で帰りたい」が59.7%、「2次会で帰りたい」が30.8%。「終電を逃して飲みたい」「朝まで飲みたい」は合計しても9.4%。

忘年会で楽しい気持ちになっても、終電を越えて誘う際は、相手の意向をしっかり確認したほうがよさそう。余興や出し物といった文化こそ消えかけているものの、大規模宴会とオンライン忘年会が併存するという新たなスタイルが確立されつつあるようだ。

*グラフの構成比は小数点第2位を四捨五入したため、足し合わせても100%にならない場合があります