履歴書・面接ナシで、空いた時間に働ける「スキマバイト」の市場が急拡大している。若年層が多いように感じるが、『メルカリ ハロ』の調査によると、20代の利用者は30%程度にとどまり、30代が約24%、40代が20%、50代以上が18%と、幅広い年代に支持されている。そこで今回は、20代女性ライターがスキマバイトアプリ『タイミー』『メルカリ ハロ』に登録し、バイトを体験してみた! 【実際にやってわかったスキマバイトのリアル 第3回《高時給編》】
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■4時間勤務で募集。しかし実働は2時間
ちょっとユニークな「クルーズ船の宴会接客」。日給8500円だが、勤務時間は4時間となっている。これはおいしい! というか、高給すぎて怪しいくらいだ。
気になったのが、仕事中の制服指定。服装がチャイナドレスと定められていたのだ。かなり露出の多い衣装を無理やり着させられるのではないかとビビっていた。
集合場所は横浜の赤レンガ倉庫付近の港。集合時間となる17時にクルーズ船が到着し、出航時間の18時半までしばし待つことに。すでに代表とおぼしき男性2人と筆者含めアルバイト女性が5人待機していた。そのうちリーダー格の女性は代表と知り合いのようで、全員気さくで優しい人ばかりだった。
なお、待機時間も4時間のうちに含まれていた。「おいしいな」という気持ちと、好条件すぎるがゆえに「陸を離れた船の上で何をされるかわからない」という不安が入り交じる。
18時半となりいよいよ乗船。乗り込む前に酔い止め薬を飲む。クルーズ船は100人程度収容可能な中型船で、この日は60人ほどの貸し切りで某企業の飲み会が行なわれていた。
主な仕事はドリンクの提供。居酒屋や飲食店のホール経験がある人ならそつなくこなせる内容だ。
さて、問題はチャイナドレス。着てみると、丈が足首まであるロングタイプなのはいいのだが、スリットがかなり深く入っており、カラダのラインに沿ったピチピチのサイズ感。気分が落ち着かない。
いよいよ接客スタート。客層は30~50代で男女半々ぐらい。女性客も多いし、どんちゃん騒ぎになるような雰囲気ではなかったので、まずはひと安心。
ただ、客の中には昼から飲み始めていた人もいたようで、最初から酔っぱらっており、酒を飲まされそうになったり、カラダを触られそうになっているスタッフもいた。
筆者は幸い泥酔客には当たらなかったものの、男性客からカラダをまじまじと見られたり、「女性についでもらったほうがうれしいから」と酌を求められることも。
とはいえ嫌なことはその程度で、率直に言って楽しいことのほうが多かった。
日没前、時間が空いたときに代表から「デッキを見ておいで」と言われ、外に出てみると川崎の工場地帯が目の前に。オレンジ色の夕暮れをバックに、ライトアップした工場の配管やタンクが輝きを放っており、まさに絶景。仕事で来ていたことをつい忘れるぐらい見とれてしまった。
ほかにも、船内ではイベントがめじろ押し。宴会の合間にマジックショーやマグロの解体ショーも開かれ、お客さんの好意でマグロのおすしを2皿いただいた。途中から働いているのか遊んでいるのかわからない感覚になってしまい、またまた「これでお金をもらって大丈夫か」と思ったほど。
時間はあっという間に過ぎ、20時半頃にクルージングは終了。客を見送った後、すぐに私服に着替えてバイトも終了となった。
4時間の勤務時間だったが、出航前の待機時間などを除くと実働は2時間程度。それでも日給8500円がきちんと振り込まれた。実質時給4000円以上で、レアな楽しい体験もでき、かなりのアタリだった。