
坂本慎太郎さかもと・しんたろう
こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
公式X【@bucomi】
パーソナルジム「RIZAP」を2012年にスタートし、大ヒット。その後M&Aによる拡大戦略にかじを切ったが行き詰まり、今は停止中
『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!
すさまじい勢いで拡大を続けているchocoZAP。2024年、企業の試供品を配ったり、チラシを掲示する広告事業をスタートした。これ、想像以上にポテンシャルがありそうだぞ!?
助手 知り合いが通ってるジムで、無料の飲み物や食べ物を配ってるとか。ジム業界って低価格ジムの台頭で会員獲得が大変らしいですけど、今はいろんな手段で集客してるんですね。となると、低価格ジム以外にも、工夫を凝らして業績を伸ばしてるジムはあるんじゃないですか?
坂本 なるほど。でもまぁ、ジム関連で投資先を探すなら「chocoZAP」を運営するRIZAPグループが一番手だと思うけど。
助手 どうしてですか?
坂本 chocoZAPはジムとしては日本一の約130万人の会員を抱えているからね。この会員基盤を生かせば、ジムにとどまらないビジネスを展開できる。
助手 ジム以外にやってました?
坂本 ええ。例えば、君がさっき言ってた、飲み物の無料配布はchocoZAPでもやっています。昨年から始めた広告事業の一環としてね。商品の宣伝をしたい企業にサンプル商品を配布する場所として提供してお金をもらってるわけ。
助手 ジムが会員獲得のためにやってるわけじゃないんですか。でも宣伝する側としては、ジムみたいな密室じゃなく、いろんな人の目に触れる場所のほうが良くないですか?
坂本 いや。商品の宣伝は「売りたい相手」に情報が届けば十分なんです。不特定多数に向けた広告より範囲を絞っている分、費用も安く済む。
助手 「ジムは健康に興味がある人がいるから健康食品が相性良さそう」みたいな感じですか。
坂本 そんな単純じゃないけどね。chocoZAPが広告の場として選ばれる理由は、まず、アプリを通じて会員の属性や行動を詳細に把握していることにある。
助手 どういうことですか?
坂本 chocoZAPは無人だから、アプリを使って入退館するんです。このアプリに広告を掲載するプランがある。アプリには店舗検索やエステや脱毛マシンの予約、運動履歴の管理にゲームまでついています。つまり会員は必ずアプリを使うし、入退館時以外でもチェックしたくなる。広告媒体として優秀ですよ。
加えて、RIZAPがアプリから会員の傾向を詳細に把握しているので、宣伝を検討している企業は自社と会員の親和性を予測しやすい。さらに宣伝後の効果計測もアプリユーザーのデータを追えば容易です。今はユーザーの行動に応じて広告を出し分けるアプリターゲティングはできないみたいだけど、実現すればさらに広告媒体として価値が上がる。
助手 なるほど。chocoZAPが選ばれる理由ってほかにも?
坂本 気軽に来店できる仕組みづくりがうまいから、会員の継続率が高い。つまり会員といい関係を築いています。これが宣伝の効果計測には大事な要素なんです。サンプル配布などのリアルな場を使った広告は、その後にアンケートなどで効果計測をする必要がある。でも、アンケートに答えるのなんて面倒くさくないですか?
助手 確かに。時間も使うし。
坂本 そう。でも、RIZAPといい関係を築いている会員なら「答えないと悪いな」となる。
助手 なるほど。宣伝する側にとってはありがたいわけですね。
坂本 ええ。広告事業は昨年に始まったばかりですが、RIZAPは新たな利益の柱にと意気込んでいます。成功すれば新規出店の原資づくりにもなるし面白いと思う。今のうちに少し投資してみるのもいいかもね。
今週の実験結果
ジムの会費とは別で、がっちり儲けられそうな新事業だと思います!
こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
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