『機動警察パトレイバー』シリーズの実写版『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』でヒロイン「泉野明(いずみのあきら)」役を演じる真野恵里菜ちゃん。
レイバー隊員のゴツい衣装を着ても、あふれるキュートさは変わらなすぎる! そんな彼女から、実写版にどんな気持ちで臨んだか、撮影の裏話も聞いちゃいます!
■マンガ版もアニメ版もあえて観てません!
―「泉野明」役に抜擢(ばってき)されて、率直にどう思いました?
真野 最初は自分に務まるのかなって不安も大きかったんですけど、押井さんに「野明(のあ/旧作の主人公)じゃなくて明っていう別の役だから」って言っていただいて、すごく気が楽になったんです。それに今回の特車二課は「無能な三代目」なので、無能役なら気負う必要もないかなって(笑)。
―質の高いアニメ版を観たら、プレッシャーも感じますよね。
真野 いえ、実はマンガもアニメも、まだきちんと観てないんです。
―えっ? 押井監督から観ておくようにと指示はなかった?
真野 「観れたら観といて」くらいの感じだったんで……観ませんでした(笑)。野明を見続けてたら、自分の中で混乱しそうだったので。
―ビビリの人なら、つい旧作をたくさん観ちゃうところですよ。
真野 現場に入って、押井さんに「違う」って言われたら観ようぐらいの感じで、強気にいきました(笑)。役づくりとしては「太陽みたいなコでいてほしい」って言われたので、常に明るく元気なコっていうのは心がけてましたね。
―真野ちゃんの笑顔はまさに太陽なので、そこが明役に選ばれた理由なのかもしれないっす!
真野 実はいまだに怖くてキャスティング理由を聞いていなくて。来年の長編劇場版が公開されて全部一段落ついた頃に、押井さんに直接聞こうと思ってます(笑)。
―明を演じてみて、自分に似ているところがあったと思います?
真野 ゲーム好きなところかな。明が格闘ゲームで勝たなきゃいけないシーンがあるんですけど、手元しか映らないから私がやる必要ないのに、「やります!」って言って自分でやりました(笑)。
―真野ちゃんWIN! かなり自分を出していったと。
真野 はい。明から学ぶことはありましたけどね。明は感覚派というか、考えないコなので。それに気がついてから、自分も考えずに演じられるようになりました。
押井監督は「かわいい」
―“世界の押井”の前で考えずに演技するのは怖くなかった?
真野 全然怖くないですよ。むしろ押井さんに笑顔で「OK!」って言われるとうれしくて。たまに、これは本当に満足したんだろうなってシーンには、押井さんが頭の上で大きな丸をつくるんです。それがかわいいんですよ(笑)。
―押井監督をかわいいと!
真野 長回しも多いので、いい意味での緊張感は常にありました。けど、それもずっと一緒にいた特車二課の隊員たちと切磋琢磨(せっさたくま)したから、乗り越えられたんです。
―苦境を乗り越える仲間たちは、まさに特車二課そのもの!
真野 それに私、小さい頃『魔法騎士レイアース』っていうアニメがすごく好きだったんです。それも大きいロボットに女のコたちが乗るんで、そういう意味で、ちょっと夢が叶った気がして♪
― 健気(けなげ)っす……。では最後に週プレ読者に一言お願いします!
真野 これまでパトレイバーを知らなかった人にも観てもらいたいですね。アニメはどうだったんだろうって気になったら旧作も観てもらって、さらにパトレイバーの奥深さを知ってもらえれば!
―でもまだ真野ちゃんもアニメ版、観てないんですよね?
真野 これから観ます!(笑)
(取材・文/昌谷大介、牛嶋健[A4studio] 撮影/高橋定敬)
■真野恵里菜(まの・えりな) 1991年生まれ、神奈川県出身。「ハロー!プロジェクト」からアイドルとしてソロデビュー。近年は女優として映画『わが母の記』やドラマ『みんな!エスパーだよ!』など精力的に活動
■『THE NEXTGENERATION-パトレイバー-』 ついに劇場上映された実写版パトレイバー。日本映画界の鬼才、押井守氏が総監督を務めるこの作品は12話全7章を順次劇場上映、2015年には長編劇場版を公開予定! ○シリーズ第2章…5月31日(土)公開予定 ○長編版…2015年GW、新宿ピカデリーほか全国公開