例年ではアンダーガールズ(17~32位)にランクインしないと全国放送されない総選挙。名前を知ってもらうため奮闘中!

7日に開票日を迎える「AKB48 37thシングル選抜総選挙 夢の現在地~ライバルはどこだ?~」。今年2月の大組閣で交換留学生として、乃木坂46とAKB48のチームBの兼任となった生駒里奈ちゃんは、兼任ということで、今回の総選挙への初出馬を決意。彼女の今の心境は?

■留学の話を聞いたとき迷いはなかったです

――さて、生駒さんは今年の2月24日に行なわれた「AKB48グループ大組閣祭り」で、交換留学生として、AKB48と兼任することが決まったわけですが。

生駒 最初にそのお話を聞いたときは本当にビックリしました。実は、その前の横浜アリーナ(大組閣祭りの2日前の2月22日に行なわれた横浜アリーナでの乃木坂46コンサート)のリハのときに、「まさか誰か“移籍”とか言われてな~い?(笑)」なんて、みんなで言い合ってたんですよ。だから、まさか自分が言われると思わなかったのでもう本当にビックリで! 横アリでのライブが終わった後、全然、息をつくヒマもなかった。混乱。パニック。ポケモンでいうなら技が出にくくなる“麻痺”状態(笑)。

――そのときは、「イヤだ!」って気持ちがあったんですか?

生駒 それはなかったです。もともとライブで、「もっとうまくなりたいな」って思ってたんですよ。横アリが終わって、すごく反省する部分があって。だから、兼任のお話を聞いたときに「これはすごく勉強になるかもしれない」って思えました。

――デビュー2周年記念の横浜アリーナは、ファンの中でも、評価の高いコンサートだったと思います。

生駒 でも、反省点は多くて。私って最初「前に出なきゃ見てもらえないよ!」って、思ってたんですけど、横アリの後、スタッフさんに「でもそれだけじゃダメなんだよ。全体とのバランスを考えて、どうしたらみんなや自分がよく見えるか考えなさい」って言われて。で、「ん~っ!」ってなってて。

“ネガティブを武器に”成長

――それを聞いて「確かに」って思ったんですね。

生駒 思いました。で、「それになんで自分で気づけなかったんだ!」っていうのも、自分自身にムカついちゃって。横アリっていう大きいところでやるっていうので、すごく緊張したし、いっぱいいっぱいだったんですよ。だからみんな達成感もあったし、「楽しかった」っていう気持ちが大きかったんですけど。「でも、それだけじゃダメなんだよな」って、すぐに思って。

――すごい。反省するのって、けっこう難しいことですよね。

生駒 でもウチは、そう考えないとすぐにできなくなっちゃうから。周りからも引かれるくらい、そういうところはネガティブでいようっていうか、自信なんか持たないで「自分はできない」って思ってないとダメなんですよ。

――言ってみれば“ネガティブは生駒里奈の武器”だと。

生駒 そうですね。全部ポジティブに考えちゃうと「このままでいいや」って思っちゃうから。だから技術面については、永遠にネガティブに考えないとプラスにしてくことができないんだなって、あらためて思いました。

――そんなときにAKB48への交換留学の話がきて。

生駒 はい。「もっとうまくなりたい」「うまくなるにはどうしたらいいんだろう?」ってずっと思ってたから、話を聞いたときは、最初は麻痺したけど(笑)、それをやったらきっと、短期間のうちにもっともっといろんなことを学んで、技っていうか新しい“武器”を手に入れられるかもしれないって思ったんです。

■劇場に立ってみて初めて気づいたこと

――そして、実際にチームBのメンバーとしてAKB48劇場のステージにも立ちました。感想は?

生駒 最初の練習、レッスンのときは……もう緊張。どうしよう。「あ、どうもこんにちは」って言って、ススッてやってスッて帰ってました(笑)。でも、みんな話しかけてくれるんです。なっきー(内山奈月)とか同い年なのに敬語を使ってくれて。「ごめんなさい。あなたのほうがAKB48では先輩だから、そんな、そんな」みたいな。それと、チームBには“ザ・アイドル”っていうメンバーが多くて。

――確かに。柏木由紀さんや大和田南那(なな)さん、それになんといっても渡辺麻友さんがいます。

生駒 「どうしよ!」って思います。みんなみたいにできるようになるのかなって。

AKB48では発見の連続!

――ユニット曲は、渡辺麻友さんとふたりで『てもでもの涙』という曲を歌ってますよね。ファンの間でも人気の高い名曲です。

生駒 『てもでもの涙』をふたりで練習したんですけど、まゆゆさんが最初に「曲の意味とか表現とかを、ふたりで話して考えてやってみよう」って言ってくれたんです。乃木坂でも、もちろん考えながら歌ってはいたんですけど、やっぱり歌うときの立ち位置とか、そういうことに気がいっちゃってて、ちゃんと曲に向き合えてなかったかもって。「そうか、歌詞とか、いろんなことを考えて理解していけば、きっとお客さんへの見せ方が変わるんだ!」って気づいて。技術だけじゃないんだって。

――すごいですね。早速発見があったと。

生駒 あと、劇場公演の初日に立って思ったのが、私たちって、ありがたいことにデビュー当時から大きなステージでばかりコンサートをやらせてもらっていたので、AKB48劇場みたいな大きさの場所でやったことがなかったんですよ。だから、お客さんがあんなに近いところで、どうやってパフォーマンスをしていいかわからなかったんです。で、初日が終わった後に感想を聞いたら、スタッフさんに「おまえだけステージの盛り上げ方が違ってたよ」ってダメ出しされて。

――なるほど。

生駒 でも自分的には、お客さんの盛り上げ方って、今までやってきたやり方しか知らないんですよ。会場の後ろからだんだん真ん中にくるように盛り上げようと思ってやってきたので。だから、いろんな場所でその会場に合った、お客さんとの接し方とかライブの作り方っていうのを学べるんじゃないかなって思いました。

――まだAKB48劇場のステージに上がって間もないのに、そんなに気づくことがあったんですか!

生駒 そうなんです! 今までステージって、乃木坂46のメンバーとしては、年に何回かって感じだったんですけど。やっぱり劇場って場数も踏めるし、毎回こんなに発見があるんだって思って。『ドラゴンボール』の“精神と時の部屋”(マンガ『ドラゴンボール』に登場する異空間。外界での1日が、部屋の中では1年に相当するため、短期間でパワーアップできる)みたいです。ハンパねぇっす。あれヤバいです!

――“精神と時の部屋”は、秋葉原のドンキの8階にあったんですね(笑)。そこを出たら、“スーパーイコマ人”とか“スーパー秋田人”になってるかもですね。

生駒 そこは普通に“スーパーサイヤ人”にしておいてください!

初めての総選挙にワクワク

■「乃木坂46」の名前を知ってほしい!

――そして、いよいよ選抜総選挙を迎えますが。

生駒 どっちかっていうとワクワクしてます。ウチはAKB48として活動して間もないので「何位になりたい」っていうのも違う気がしていて。だけど、今まで視聴者のひとりとして見てきた総選挙が、中に入ったらどんなふうに見えるのかなっていうのを見てこようと思います。

――でも選挙を経験したら、生駒里奈は、どう感じるんでしょうかね。悔しくて泣くかもしれない。

生駒 でも、泣きそうになっても絶対に泣きたくない。……泣いたら背を向けます、カメラに。

――カメラ、後ろにもあるかもしれませんよ?

生駒 それなら下を見ます。涙は人に見せたくないです。

――ちなみに『乃木坂って、どこ?』(乃木坂46の冠バラエティ番組)では、さまざまな場所で、自分の顔の入ったティッシュを配っていましたね。

生駒 はい。でも、「投票してください」っていう気持ちよりも、「私を知ってください」っていう気持ちが大きいんですよ。

――……正直、「上に行きたい」という気持ちはありますか?

生駒 上のほうにランクインしたほうが乃木坂のことを知ってもらえるっていう気持ちはあります。だって、「名前が知られる」っていうことに関しては、すごいイベントじゃないですか。一気に日本中に広まるわけじゃないですか。選挙で名前が呼ばれると。それは絶対に。

目標はテレビで「乃木坂46」の名前を

――テレビで全国放送ですし、いまや国民的行事になってますからね。でも正直、80位だとテレビでは生放送されないかもしれません。

生駒 いつも何位くらいから放送されるんでしたっけ?

――毎年違いますけど、昨年だとアンダーガールズ(17位~32位)くらいからですかね。ちなみに、生駒さんの目標は何位くらいですか?

生駒 ……テレビの放送に映る!それが目標です。せっかく出るんだから、「乃木坂46」っていう名前をテレビで呼んでもらいたい。兼任してすぐのメンバーですし、ファンの方からは「え?」って思われるかもしれないけど……乃木坂を一気に広められるチャンスだからなーなんて。

――でも、それはすごく正しい考えだと思いますよ。

生駒 なんか、そういうことを最近いろいろと考えます。目標は、生放送で名前が呼ばれるくらい。……でも、私の順位=乃木坂46の順位っていうのはいやだなって。矛盾しちゃうけど。

――その気持ちもすごくわかりますね。頑張ってください!

生駒 ありがとうございます。あ、ティッシュ渡してもいいですか?(そう言ってティッシュをカバンから出す)はい。生駒里奈と申します。覚えてください。あと、よかったらティッシュ使ってください。

――ありがとうございます。覚えました!(笑)

(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/飯塚昌太)

●生駒里奈(いこま・りな)1995年12月29日生まれ 秋田県出身血液型=AB型 身長153cm乃木坂46 の1期生として活動を開始。7月9日(水)発売の9thシングルでは十福神ならびに選抜メンバー入り。2014年春の大組閣でAKB48TeamB兼任に。東京・赤坂ACTシアターにて5月30日(金)~6月15日(日)、乃木坂46「16人のプリンシパル」trois公演開催