前回放送時は中学生だったという北川景子さん。彼女にとって“ヒーロー”とは?

2001年に放送され、全11話すべてが視聴率30%を超えた木村拓哉主演の伝説的月9ドラマ『HERO』。週プレの「好きなドラマ」アンケートでも上位に挙げられており、今回の復活を楽しみにしていた読者も多いはずだ。

続編はどんなドラマになっているのか、そして「現代のヒーロー」とは誰なのか……。麻木千佳役の北川景子さんに直撃インタビュー!

■中学生のときに観ていたドラマでした

―北川さんは今回、木村拓哉さん演じる久利生(くりゅう)公平をサポートする事務官・麻木千佳を演じています。間近で久利生検事を見てどう思われますか?

北川 ヒーローって「誰もがなり得る存在」なんだなってあらためて思いました。久利生さんは別に腕力が強いわけでも、ましてや悪者を倒すために暴力を振るうわけでもない。検事という仕事はしていますが、ある意味、どこにでもいる普通の人なんです。「ヒーロー」という言葉は特別のように聞こえるけど、実は身近な存在で、みんなから好かれていたり、親しまれたりしている人なのかなって思います。

―では今、北川さんにとっての身近なヒーローは?

北川 木村拓哉さんですね。俳優の先輩として尊敬していますし、お仕事をご一緒しているとスゴいなって思うことばかりなんです。

―例えば?

北川 誰に対しても優しくて、分け隔てがまったくない。スタッフさんひとりひとりの顔と名前をしっかり覚えていて、事あるごとに「大丈夫か、頑張ろうな」って声をかけているんです。木村さんは「ドラマに関わっている人は全員ファミリーなんだ」とおっしゃっていて、一体感を大切にされている。本当にチーム愛にあふれているんですよね。

デビュードラマ「セーラームーン」では子供たちのヒロイン

―木村さんの人間性が伝わってきます。

北川 主役はセリフが多いですし、自分の芝居だけを考えていてもいいのに、木村さんは現場の全部が見えていて、各部署の方たちに気を使っている。私もドラマで主役をやらせていただくことはありますが、なかなかできることじゃないです。木村さんを見ていると、いつ準備しているんだろう、いつ寝ているんだろうって、本当に不思議なんですよ。

―北川さんがドラマデビューしたのは2003年放送の『美少女戦士セーラームーン』(TBS)で、子供たちのヒロインでした。

北川 あの頃は道を歩いていても、よく「変身してよ」って声をかけられていました。「ここには悪者がいないから大丈夫よ、変身する必要はないわ」って言ったりして(笑)。当時、私は17歳でしたが、「正義とは何か」「人として大切なことは何か」ということを深く考えるキッカケを与えてくれた作品でした。セーラームーンとは違うけど、それは『HERO』にも通じるものがあると思います。

―前作の『HERO』が放送されていたときは、まだ中学生だったんですよね。

北川 受験勉強の真っ最中でした。毎週は見られていなかったんですが、それでもすごく印象に残っているドラマ。だから今、こうして続編に出演するというのは、ちょっと変な感じなんです。城西支部のセットに初めて入ったとき、「これ、テレビで見たことのあるヤツだ」って濱田岳(はまだ・がく)くんと騒いでいましたもん(笑)。懐かしさもあり、新しさもあるドラマなので、ぜひ楽しんで見ていただきたいですね。

(取材・文/高篠友一 撮影/本田雄士)

●北川景子(きたがわ・けいこ)1986年月22日生まれ、兵庫県出身。木村拓哉さんとの共演は『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ/2010年)以来。『HERO』で演じる麻木千佳は、北川さんいわく「白黒ハッキリつけたい、気の強い性格」とのこと

■週刊プレイボーイ30号「木村拓哉、北川景子ほか『HERO』主要キャスト10人+プロデューサーに聞いた『こんな男こそ現代のヒーロー』」より