写真のHKT48ほか、138組のアイドルグループが出場した東京アイドルフェスティバル2014 写真のHKT48ほか、138組のアイドルグループが出場した東京アイドルフェスティバル2014

炎天下に見舞われた8月2日(土)、3日(日)。東京・お台場で行なわれた、東京アイドルフェスティバル2014(以下、TIF)。

今年で5回目を数える「アイドル界の大甲子園」である当イベント。年々増加する参加グループはなんと138組!

国内最大のアイドルフェスであるTIFには、今回も大小さまざまなグループが参加。そのアツいパフォーマンスでお台場を燃え上がらせたのだ。

例年通り、今年もTIFを振り返り、美しく燃えていたアイドルたちを写真とともに紹介していこう。まずは1日目、8月2日から!

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スマイレージ(SMILE GARDEN) 今年のオープニングアクトは、“アイドル王国”ハロー!プロジェクトからの刺客・スマイレージだ。

同日の昼から、中野サンプラザにて「ハロー!プロジェクトコンサート」に参加する彼女たちが駆けつけ、TIFの幕開けを高らかに叫んでくれた。

真夏ソング『ドットビキニ』のイントロがお台場に流れると、割れんばかりの声援がお台場に響きわたる。

真っ青な空に田村芽実の声が伸びる。良いスタートだ。会場には、あきらかに「ハロプロがどれほどのものか見極めてやる」と、ニラミつけている客もちらほら。関係者ゾーンには、スマイレージと“同期”でありながらハロプロになれなかったアップアップガールズ(仮)をはじめ、様々なアイドルグループがニコニコと笑いながら集まってきた。

そんなアウェイのステージで、2曲目は『ショートカット』を放つ。これもスマイレージの定番曲だ。

続いて、新曲の両A面『地球は今日も愛を育む』と『嗚呼 すすきの』をブツけてくる。「元気なスマイレージ」だけじゃない、大人の色香やカッコ良さも表現できるのだ、というアピールだ。

……先ほどまで微笑んでいたアプガの全員が、直立不動でステージを見ていた。その顔に笑みはない。スマイレージの“本気”を感じ取っていたのだろう。

そして、最後の曲でスマイレージ最強キラー曲『スキちゃん』を投入!……と思いきやメジャーデビュー曲の『夢見る 15歳』でシメ。「ここで『スキちゃん』歌ったら、大人げないだろ」とでも言っているようだった。

一列に並び、青い空に拳を突き上げる6人の少女たち。その力強い歌声と共に、TIFは……今年の夏は、始まった。

リンダ3世(SMILE GARDEN) 昨年のHOT STAGEでオープニングを飾り話題となった群馬県の日系ブラジルユニット『リンダ3世』が二年連続出場だ。

新曲『トベヨマイラ』ではジャンプジャンプ!と飛びながら観客をアオり、サンバに繋ぐ。歓声が湧く!

次の『未来世紀eZ zoo』はリンダ3世を一躍有名にしたデビュー曲だけあって更に盛り上がる。続く3曲目『I'm Happy Girl』ではしっかりとした振り付けを魅せてくれた。

MCのテンポもよく、歌、ダンス全ての面で昨年から大幅に成長していたリンダ3世。

「何かのキッカケでブレイクする」

デビュー当時から、そんな可能性を感じさせてくれる彼女たちは、相変わらず面白いグループだった。

ちなみに、昨年末にこれまでの『リンダIII世』から今の『リンダ3世』に表記が変わったそうだ。

アイドリング!!! & AeLL.ほか2組が登場!

アイドリング!!! & AeLL.(SMILE GARDEN) TIFの見どころのひとつでもある「コラボユニット」。今年も多くの“夢の共演”が実現したが、まず最初に登場したのは、毎年TIFのホストを務めるアイドリング!!!と、今年の9月14日で活動休止となる篠崎愛率いるAeLL.だ。

メンバーは、アイドリング!!!からは、横山ルリカ、河村唯、倉田瑠夏、高橋胡桃。それにAeLL.の4人という8人。華やかさがSMILE GARDENを包む。

まずは、アイドリング!!!がAeLL.の夏ソング『ENDLESS SUMMER』をぶっ放す。タオルをブルンブルンと振り回す鉄板曲だ。SMILE GARDENをリンガー(アイドリング!!!のファン)とAeLL.ファミリー(AeLL.のファン)が回す回す。驚くほどの盛り上りとなった。

続いてはAeLL.。アイドリング!!!の“歌ウマメンバー”で歌った名曲『犯人はあなたです(ハート)』に挑戦。

アイドル界でも屈指の歌唱力を持つ、篠崎愛と西恵利香がこれを正面から受け止め、見事に歌いきったのだ。これだ! これだからTIFのコラボ企画は面白い!

最後は、アイドリング!!!の『3度目の記念日』をしっとりと歌いきる8人。美しいコーラスが、観客の心に染みていった。

アップアップガールズ(仮)(SMILE GARDEN) 昨年の、TIFで大注目されたアプガ。先に力を見せつけられたスマイレージに負けじと、気合いが入っていた。

彼女たちがステージにあらわれると、急に日差しが強くなる。太陽が彼女たちに味方をしているようだ。

『全力!!PumpUp!!』 から『アップアップタイフーン』へ。タオルが空をかきまぜる!

ひとたびレスポンスをすれば、一瞬で「フェスの空気」になる! さすがフェス慣れしているアプガである。先ほどのスマイレージに全く負けてない!

そして3曲目は、『サマービーム』! 7人が会場を引っ張り回すように回る。

曲後半の「かき氷レスポンス」で盛り上りはさらにアップ! まだTIFははじまったばかりだというのに、SMILE GARDENは、一気に祭の最高潮を迎えていた。

HKT48(HOT STAGE) 今回は1ステージだけ登場のHKT48。ヲタとして参戦した大先輩SKE48松井玲奈の見守る中(関係者ゾーンで観戦していた)で、まさに“圧巻”のステージを魅せていた。

『桜、みんなで食べた』、『スキ!スキ!スキップ!』、『メロンジュース』とHKTのシングルをすべて見せ、合間には『言い訳Maybe』、『大声ダイヤモンド』と誰もが知るAKB48の名曲をぶっこむ。『恋のお縄』で「博多」と書かれたハッピを着用し、博多アイドルがTIFに多く参加する中で、地元アピールも忘れない!

また、MCでも手は抜かない。人気のちっちゃなふたり組“なこみく”(矢吹奈子&田中美久)のちょっと赤面なトークや、指原莉乃のギリギリな自虐ネタを矢継ぎ早に投入。しっかりと笑いを取っていた。

そして、もはやHKT48のお約束曲となった『ロックだよ、人生は…』(AKB48の劇場曲)では、全員が「TIF」の文字が書かれたレアサイン色紙を客席に投げちゃうサービスまで!

今年に入ってから大会場でのライブを積み重ね、先月には1万人規模の野外ライブを成功させたHKT48。目の肥えたファンの集まるTIFでも結果を残していた。

Rev.from DVLほか2組が登場!

Rev.from DVL【レブフロムディーブイエル】 (HOT STAGE) 「天使すぎる1000年にひとりの美少女」こと、橋本環奈率いるRev.from DVL。なんと、メジャーデビューから約4ヵ月でHOT STAGEに登場だ。

とはいえ、結成は2011年(前身のDVL結成はなんと2003年)。橋本環奈の話題先行グループと思われがちだが、基本は問題なかったりする。

しかし、巨大スクリーンには7~8割の確率で橋本環奈のみが抜かれるのだ。運営チームの意向なのだろうか。

もちろん、HOT STAGEには「どれどれ、橋本環奈ちゃんを見てやろう」と思って集まった客は多かったろう。しかし、かなり露骨だな、と感じた。

正直、ダンスもかなり動いているし、くるくる変わるメンバーの表情も良い。跳ねるジャンプの高さもある。そして、何よりも橋本環奈の“華”っぷり。

メジャーデビュー曲であり、キラー曲でもある『LOVEーarigatouー』からはじまり、『恋してズッキューン!』や『STEP by STEP!』など、その異常なほどのかわいらしさを振りまく。

話題先行で潰れてしまうグループは多々あるだろうが、Rev.は、その類いではない。 「今はまだ、橋本環奈にばかり注目されるだろうが、後に実力を認められるだろう」……そう、感じた。

夢みるアドレセンス(HOT STAGE) ローティーン向けファッション雑誌『ピチレモン』のモデルを中心としたグループ『夢アド』。特筆すべきは、メンバー5人が5人ともカワイイという、驚きの顔面偏差値である。

登場から、まずはイントロが「ちゃん・リン・シャン♪ちゃん・リン・シャン♪」と聞こえることでお馴染みのプリティ少女アップテンポ曲『キャンディちゃん』からスタート。一気に観客の心をつかんだところで、そのまま『絶対的シンパシー』へとつなぐ。

センターの荻野可鈴は、相変わらずのテンションの高さを見せつけて来るし、志田友美は、おかしいんじゃないか?と思うくらいに透明だ。「透明感」という言葉では追いつかないほどの透明さだった。山田朱莉の大人っぽさも、ちょっと冗談じゃない感じだった。

夢アドを、昨年のTIFの記事では「まるで妖精」と称したが、今年は個々の力強さを兼ね揃えていた。ブレイクは目前、と言って間違いないだろう。

おはガールふわわ(FESTIVAL STAGE) クールなストリートファッションにけん玉を持って登場した3人。何だろうと思ったら、現在放送中の「おはスタ」でストリートけん玉に挑戦中とのこと。

「おーはー!」とメンバーが挨拶すれば、「おーはー!」と全力で答えるお兄ちゃんたち。さっそくけん玉で次々にトリッキーなプレイを披露。失敗もあるけど、そこはご愛嬌。大技が決まると歓声が起こる。初披露されたデビュー曲『クロスマイハート♪』もけん玉を振付けに取り入れた曲。ダンスにけん玉にしっかりと見せ場があって、見ていて飽きない。

4月にデビューしたばかりのフレッシュな3人組。まだ全員中学生ということで、これからの成長が楽しみだ。

ななのんほか2組が登場!

ななのん(FESTIVAL STAGE) 雑誌『Popteen』の人気モデル前田希美と、ニコニコ動画の“踊り手”として人気となり芸能界デビューした、なあ坊豆腐@那奈によるユニット。

ふたりともスレンダーで8等身というスタイル抜群っぷりに、近くで見ていたアイドルは羨望の眼差し。

元ピチカート・ファイヴの小西康陽がプロデュースしていて、オープニングの『ななのんのベイビィ・ポータブル・ロック』はバニラビーンズがカバーしたことでもおなじみの名曲だ。

最後に披露されたのは、8月12日発売のデビューシングル『ななななのんのん』。「ななななのんのん」とやたら繰り返す曲で、聞いてるこちらはトランス状態。おしゃれ女子を中心に人気を集めそうです。

たこやきレインボー(FESTIVAL STAGE) ももクロ、エビ中、チームしゃちほこに続く、大阪から来たスターダストの刺客。デビューして2年とのことですが、もうファンはたくさんで、それぞれが推しメン色のTシャツを来て応援。

一曲目は阪神タイガースの『六甲おろし』が曲中に入った『六甲タコおろし』。なぜか途中でメンバーがふたりリコーダーを吹く『なにわのはにわ』は、思わず見入ってしまいました。新曲の『絶唱!なにわで生まれた少女たち』は、ヒャダインサウンド全開で、地元色が豊かな自己紹介ソング。これはハマりそうです。

とにかく全力なステージはももクロイズムをちゃんと継承。ご当地アピールも抜群で、関西を代表するアイドルになっていく予感大。

サンミニッツ(ENJOY STADIUM) 歌う楽曲のほとんどが約3分間という少女たち。PASSPO☆と同じ事務所というからには、もちろんパフォーマンスもハンパない! 都会的なエレクトロなサウンドに乗せて、踊る踊る!

中でも目を惹き寄せられたのは、逢月ひな。カッコイイ曲でも、終始ニコニコニコニコ! その人懐っこい笑顔に吸い込まれそうになった。

それにしても本当に3分で終わってしまうので、「もっともっと盛り上がりたいのに!」という心のボルテージが上がってくる。とくに『Make a fire』の「ファイヤー!」コールはクセになりそうだ。曲が終わった瞬間、「もう一回歌ってくれない?」と、正直、思った。

lyrical schoolほか2組が登場!

lyrical school【リリカルスクール】(ENJOY STADIUM) 今、最も“オシャレなアイドルグループ”と言われる『lyrical school』。

登場すると同時にENJOY STADIUMはほぼ満員になった。恒例の舞台に現れる前の掛け声は『tengal6』の一節。「6本のマイク、さあ調子はどう?」が聞こえると観客から「おっけー!」と声が上がる。

そして「このままshowに飛び出そう!」でlyrical schoolが登場した。

『リボンをきゅっと』から始まる人気の3曲メドレーで場内は一気に“リリカル”な空間に。そこから最新曲の『FRESH!!!』まで計7曲! MCで「ここをHOT STAGEにしたい!」と言った通り最高に熱く、楽しいステージとなった。

翌日3日のFESTIVAL STAGE(ガンダム前)では、通路が塞(ふさ)がるほどの人が押し寄せた。来年は確実に大きなステージが用意されるだろう。

Dancing Dolls(DOLL FACTORY) 大阪出身の幼なじみ5人組のグループ。それが「ダンドル」だった。しかし、アイドル性の高い双子のメンバーである、AsukaとKyokaが7月いっぱいで活動休止。TIFから3人体制でのスタートとなった。

しかし相変わらず、Miiの歌は上手い。Misakiのダンスのキレはヤバい。さらに、センターのHonoのガーリーさが若干抑えられ、“アイドルらしさ”が減った印象だ。 まさに「実力派アーティスト」としての貫禄が出てきている。

3人のステージングからは、少し寂しい想いとともに、未来へ向って走ろうとしている“意志”を感じた。これからも注目していきたいグループである。

エレクトリックリボン(ENJOY STADIUM) 昨年から2回目の出場のエレクトリックリボン。昨年はボーカルと奇行担当のericaが自腹で買った二万円の寿司桶を持込み納豆巻きを作るパフォーマンスを見せ、観客の目を点にさせた。

そして今年も寿司桶を持って登場。しかし、納豆巻きは作らず、桶に入れた“エリボンティッシュ”を投げて配っていた。2曲目からは、新メンバーのAzumiが登場。これでasCa、NAOMi、erica、Azumiの四人体制となったエリボンだが、三曲目の新曲『波音チューニング』が終わると、NAOMiから「エレクトリックリボンを含む全ての芸能活動を8月いっぱいで卒業します」と発表された。

どよめきの空気が流れる中、代表曲『星屑ハイランド』が始まり、場内は卒業を惜しむメンバーとファンの気持ちが一体となる盛り上がりを見せた。ちなみに配布されたエリボンティッシュは短い期間で終わるメンバー4人の写真が印刷された貴重なものである。

プラニメほか2組が登場!

プラニメ(SMILE GARDEN) 先日解散した『BiS』の“カミヤサキ”と、8月31日をもって『いづこねこ茉里』としての活動を終了する“ミズタマリ”による注目の新ユニット。それが『プラニメ』だ。

「盛り上がってますかー!」と勢い良くステージに登場したふたり。客の反応に対してサキは「葬式かー!」と激を飛ばす。

一曲目の『PLASTiC 2 MERCY』が始まる。サビ前のEDM全開パートの盛り上りが圧巻だ。激しく上半身を振り回し、一気に絶頂まで上り詰めた。

そして、休むまもなく2回目の『PLASTiC 2 MERCY』(!)へ。まさかの2回目に、盛り上がる観客! そして後半、ふたりは観客の中に突入! 遠目からはふたりの姿が見えなくなった。しかし次の瞬間、リフトされたカミヤサキが人の海から一気に浮上! その体勢で踊り狂い、周囲のファンも熱狂した。

残念ながら、ミズタマリは浮上して来なかったが、夜のSMILE GARDENの客の心には、しっかりと『プラニメ』の名は刻み込まれたことだろう。

BELLRING【ベルリン】少女ハート(SMILE GARDEN) 激しいプラニメの後に登場したベルハーのステージ。穏やかで不安感を誘う曲が流れる中、メンバーそれぞれがフラフラと歩きまわり、手を振ったりハシゴを登ったり、遊んでいるかのようなゆるいステージ。それはまるで、“見てはいけない少女たちの秘密のお遊戯会”のようである。

3曲目の『World World World』。曲の最後の長い絶叫が続くなか、メンバーの柳沢あやのがステージを降り、客の上にダイブ! すると、曲が終わる前にTIF運営から演奏を止められ、「ステージを離れるパフォーマンスはしないでください」と厳しく注意された。メンバーは「誰か助けて」としょんぼり。

しかし再開した次の曲が、奇しくもベルハー最強のロック曲『the Edge of Goodbye』。先ほどのフラストレーションをぶつけるかのように、会場は一体となり激しく盛り上がった。

しず風&絆(SMILE GARDEN) 機動戦士ガンダムの主題歌から始まった様々なジャンルの懐かしい曲のカバーアレンジは、初見でも盛り上がれるステージとなった。

しず風&絆は“元祖”「客の上を歩くアイドル」と言われている。しかし、先のベルハーの件でわかるようにステージ外のパフォーマンスを厳しく制限されたため、今回は封印。

しかし、自前の脚立を持込み、その上に登って水を口に含んで観客に向かって霧吹きを行うなど精一杯のパフォーマンスを行った。

90年代に活躍したロックバンド、BAKUの『ぞうきん』のカバーでは、観客全員で肩を組んで前後に体を振りながら「TIF!TIF!」と叫び、最高の盛り上がりを見せる。

そして、最後のMCでは「昨年、雨のためSMILE GARDENのステージを行なえなかったリベンジが出来て嬉しい」という喜びの気持ちを伝え、会場は温かい拍手に包まれた。

Negiccoほか2組が登場!

Negicco(SMILE GARDEN) このSMILE GARDENでは、MCなしのノンストップで『ネガティブガール』、『アイドルばかり聴かないで』、『トリプル!WONDERLAND』、『フィスティバルで会いましょう』、『ときめきのヘッドライナー』と5曲連続で歌い上げた。

心地よいリズムが観客を包み、ネギライトと呼ばれる先が緑のペンライトが会場に美しく揺れていた。

2003年に新潟のネギキャンペーンのために地元中学生の女の子で結成。活動期間1ヵ月だったはずのNegiccoは、数々の危機を本人たちの努力と、それを見守る人達の力添えで今年で結成12年目を迎えた。

そして、先日発売した『サンシャイン日本海』はオリコンウィークリー11位。もうベスト10に手が届く所まで来ている。

妄想キャリブレーション(ENJOY STADIUM) でんぱ組.incの事務所「秋葉原ディアステージ」所属。でんぱ組の“妹分”的なグループ。

『何故なら私、妄想少女ですの』からスタートし、『いつだって世界にファイティングポーズ』へと続く。それにしても妄キャリは、ファンのレベルが高い。パキパキ&ペコペコ踊る彼女たちに、バッチリとコールと動きを合わせて来る。とくに4曲目に歌った『初めてだよこんな気持ちにさせてくれたの恋。』が凄い。腕が抜けるほどにオタ芸を打つ! その一体感に圧倒された。

この曲では多くのオタ芸が飛び出すのだが、とくに注目すべきはサビ前。「ムラマサ」と呼ばれるオタ芸を打たれる。その直前にファンが一斉に「一刀両断!」と叫ぶのだ。そこから繰り広げられる景色は……一見の価値あり!

今年のTIFで、妄キャリと妄想族は、多くの“同志”を掴んだに違いない。それだけのインパクトがあった。よく「現場のファンが育っているグループはブレイクが近い」というが、彼女たちのこれからが楽しみになるステージだった。

リンクス(DOLL FACTORY) リーダーであり、“リンクスそのもの”ともいえる、さいとう光恵の卒業が8月26日に決まっている。2012年。はじめてTIFに出場したとき。シークレットコートという、ほぼ人がいないステージで、さいとう光恵は言った。

「3ヵ月前にTIFに出れることが決まって、披露する4曲とも新曲で行こうということになりました。新メンバーが入ったこともあって大変で……何度も挫けそうになったけど……ここまでこれてよかったです!」

あの夏の日。メンバー全員がステージ上で泣いていた。「みんな泣くなよ!」と言いながら泣く者。「私は、アイドルになれたことを誇りに思う!」と叫び、涙する者。そのときいたメンバーの多くは、もうリンクスにはいないが、間違いなく“リンクス”が新たな戦いに挑み、壁を越えた日だった。

そんな彼女たちが、2年後、青春を燃やしたTIFにやってきた。

1曲目の『神回シンドローム』から、バッキバキに踊る。アツいものがこみ上げて来る。2年前とは比べ物にならないくらいに“戦えるアイドルグループ”になっていた。

そして、最後のリンクスの最大の名曲『甘いミント』。最後の大サビ。胸がきゅうっと締め付けられた。

さいとう光恵が卒業し、いったいどんなリンクスとなるのだろうか。これまで以上に“青春”がいっぱい詰まったグループになっていってほしい。彼女たちの素晴らしいステージを見ながら、そう思った。

(取材・文/TIF大好き取材班、撮影/武田敏将・関根弘康)