盆明けの8月22日から封切り予定だった一本の洋画がひっそりと公開中止になっていた!
「『チャーリーズエンジェル』(2000年)などで一世を風靡(ふうび)したキャメロン・ディアス主演のコメディ映画『SEXテープ』です。ジェイソン・シーゲル演じる夫とのセックス動画がネットにアップされてしまい、なんとか流出を阻止しようとするキャメロンのドタバタぶりを描いたお色気コメディ作品です」(映画ライター)
この映画、41歳になったキャメロンが初ヌードを披露するなど、それなりに話題になりそうな作品だった。
それがなぜ、公開中止に? 配給元のソニー・ピクチャーズエンタテインメントの広報担当者は、こう語る。
「8月22日の公開を発表したのが6月3日のこと。その1週間後に突然、アメリカの本社から日本での公開を中止にするとの連絡がありました。理由については、私たちもはっきりとしたことはわかりません」
映画でキャメロンはオッパイはもちろんのこと、豊満なヒップまで惜しげもなくさらしている。ひょっとしてセックスシーンがあまりにも過激すぎて、公開にストップがかかった?
だが、前出の映画ライターは公開中止のワケをこう見る。
「アメリカでの興行成績が振るいそうにもないと、配給会社が判断したのでは? 本国でもヒットが期待できそうにないのに、さらに日本で封切りとなれば、赤字が拡大するだけです。だったらいっそのこと、日本での公開をやめてしまおうと考えたのでしょう」
ハリウッド事情に詳しいデーブ・スペクター氏もうなずく。
「もともとアメリカでコケた作品でも、無理やりに日本で公開を決め、プロモーションさせるという悪弊がありました。そうなると、プロモーションで出演者を来日させる場合、ファーストクラスの飛行機で呼び寄せ、5つ星ホテルに宿泊させるなど、多額の費用もかかる。なのに、映画が鳴かず飛ばずではたまらない。アメリカでヒットしなかった作品、日本で受けそうにない作品の配給を中止するという今回の判断は賢明だったと思いますよ」
全米公開前に中止決定した理由とは?
とはいえ、疑問も残る。『SEXテープ』が全米公開されたのは7月18日のこと。日本公開の中止が発表された6月8日時点で、どうしてヒットするか、しないかの判断がついたのか。
「作品の公開前に試写会をやりますよね。これには宣伝だけでなく、試写に来た人たちの反応を見て興行成績を事前にリサーチするという役割もあるんです。おそらくアメリカでの試写会の反応がかなり悪く、映画会社が危機感を抱いたのでしょう」(前出・映画ライター)
確かに『SEXテープ』はアメリカで苦戦しており、日本公開でのさらなる赤字出血を抑えるという映画会社の決断は理にかなっていたといえる。
だが、満を持して初ヌードまでお披露目したキャメロン、さぞ悔しい思いをしているはず。そんなキャメロンを前出のデーブ氏はこう気の毒がる。
「41歳のキャメロンのヌード、いまさら誰が見たいのかとも思うけど、当のキャメロンにしてみれば本当にガッカリしているはず。何しろ、彼女は16歳のときにファッションモデルとして半年ほど六本木に住んでいた親日家です。『SEXテープ』の日本公開をきっかけに、来日したかったはずなんだよね」
トップ女優の初ヌード付きでも不入りと見るや、あっさり封切りが見送られる。映画業界も世知辛くなったもんだ。