聴力も視力も失い、話すこともできないヘレン役の高原(左)に指文字を教えるサリヴァン役の木南(右) 聴力も視力も失い、話すこともできないヘレン役の高原(左)に指文字を教えるサリヴァン役の木南(右)

もはや、キャットファイト!? 近年、注目を浴びる女優ふたりの壮絶(そうぜつ)な争いが見物という一風変わった舞台が10月に上演される。

あの有名なヘレン・ケラーとその家庭教師アニー・サリヴァンの物語を題材に、1959年から世界各地で演じられてきた名作『奇跡の人』だ。

これまで日本でも様々な演出、キャストで何度も上演されたこの作品。今回、ヘレンを演じるのは昨年の朝ドラ『ごちそうさん』で話題となった高畑充希(たかはた・みつき)、サリヴァン先生役が『勇者ヨシヒコと魔王の城』に出演し個性派女優として活躍する木南晴夏(きなみ・はるか)と、過去の舞台に劣らず魅力的な配役となった。

23日に行なった公開練習では、物語の中でも見せ場として知られる“取っ組み合い”のシーンをふたりが熱演。髪を乱れさせ、床を転げ回り、息が上がるほど暴れる両者に観客は息を呑み唖然(あぜん)。

しかし、それでも「(初めて)このシーンをやってすごいヘトヘトで、でも(演出家の森新太郎に)『まだまだ序の口だよ』って。その通りでした」と、木南が語ったようにストーリーが進むにつれ、さらに激しさを増すようだ。

 暴れるヘレンを取り押さえようとするサリヴァン。表情からも互いの必至さが伝わる 暴れるヘレンを取り押さえようとするサリヴァン。表情からも互いの必至さが伝わる

激しいバトルで流血!?

特にセリフがない分、動きでの表現がメインとなる高原は「アミノ酸を買いました。こっそり筋トレもしています」と必死に体力向上に励んでいるそう。そして何度も演じなければならない“暴れる”シーンに

「稽古中、私、ここ(眉間)を切って絆創膏貼ってました、研ナオコさんみたいに(笑)。でも見ていると楽しいかも。舞台ならではの迫力もありますし、やってるほうはやってられないですけど(苦笑)」

そう自身の大変さを笑いにしつつも表情は真剣。華奢(きゃしゃ)な体つきながら、傷を負うほど体を張る彼女に思わずこちらも感涙するほど!

さらに、演技での注意点を訊ねられると、淡々(たんたん)とした語りぶりで「流血しないように気をつけています。痣(あざ)は治るんでいいんですけど、血はビックリするから。引いちゃうんです、お客さんが」と、あくまで観客目線。本人はケロッとしながらも、本気(ガチ)の女優魂で本気度を見せつけてくれた。

今回、演出を手がけるのは『第21回読売演劇大賞』の大賞および最優秀演出家賞を受賞するなど次世代を担う演出家として注目される森新太郎。前回、2009年の上演でもヘレンを演じた高原は当然ストーリーは分かっているものの「まだ場面ごとの稽古だけで、今回、全然演出が違うので全貌はどうなるんだろうってワクワクしています」と抱負を語り、期待をにじませた。

舞台『奇跡の人』は、10月9日(木)から19日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、10月21日には大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。

 木南は「人懐っこい」、高畑は「初めて会ったした気がしない」と互いの印象を述べるふたり。稽古が終われば仲が良いそう 木南は「人懐っこい」、高畑は「初めて会ったした気がしない」と互いの印象を述べるふたり。稽古が終われば仲が良いそう

(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)