「TOKYO MX」の看板番組がアルタに進出、個性的メンバーも手応えあり!

関東ローカルながら“日本一オモロい”と巷(ちまた)で話題のテレビ局「TOKYO MX」が、看板番組『5時に夢中!』と『バラいろダンディ』を先日9月23日、『笑っていいとも!』の聖地・スタジオアルタにて公開生放送! このとんでもない“暴挙(笑)”に挑戦した意気ごみと今後の戦略について、同局の名物プロデューサー・大川貴史氏が高笑いとともに語る!

『5時に夢中!』は2005年4月から放送が始まり、番組初期からマツコ・デラックスや元女子プロレスラーの北斗晶がコメンテーターとして出演するなど、東京ローカルながらネットで何かと話題になる異色の番組。一方の『ダンディ』も、司会を元フジテレビの長谷川豊アナが務め、武井壮や梅沢富美男など話題性のある人気タレントや文化人が日替わりでコメンテーターとして出演している。

その両番組のプロデューサーを務めているのが大川貴史氏だ。今回、なぜTOKYO MXのスタジオを飛び出し、アルタで放送を行なったのか。番組終了直後の大川Pを直撃!

──お疲れさまです。たった今、スタジオアルタでの本番が終わったところですが、率直な感想を聞かせてください!

大川 いやぁ~、やっぱり感慨深かったですね~。小さい頃から『笑っていいとも!』(フジテレビ)を見ていましたし、スタジオアルタは公開生放送の聖地。そこで『5時に夢中!』『バラいろダンディ』の放送ができるなんて……。しかも、『笑っていいとも!』が終了してから初めての試みだったらしく、そんな記念すべき日がオレたちでよかったのかっていう思いはあります(笑)。

──いえいえ(笑)。そもそも、アルタでの公開生放送を決めた理由は?

大川 特に『5時に夢中!』がそうなんですけど、もう10年近く平日に生放送をしていると、どうしてもルーティンワークになりがちなんですよね。そんな中、会社の上司から「公開放送をやってみないか」と言われて。じゃあ、アルタでやってみようと思ったのがキッカケです。

“いいとも”終了後、初めてとなる公開生放送を敢行。観覧者と出演者の距離の近さが異常な空気感を生みだした!

岡本夏生がタモリに扮して登場

──苦労した点はありますか?

大川 今回、普段使っているセットをアルタに持ってきたんですけど、祝日ってアルタ前の新宿通りが歩行者天国になるんですよね。それをすっかり忘れていて、セットの搬入が大変でした。少し遠くに停めたトラックから台車を使って運び込まないといけなかったので……(笑)。でも、これも経験だと思っています。やってみないとわからないことって多いですから。

──今日はアルタビジョンの前にもお客さんがたくさん集まっていました。事前に両番組でスタジオ観覧の募集をかけたときも、かなりの反響があったと聞いています。

大川 そうなんです。2番組トータルで7000人くらいの応募があったんですよ。そこから抽選で選ばれたのは約160人ですから、かなりの倍率だったと思います。本当にありがたいですよね。

──17時に『5時に夢中!』が始まり、最初に大歓声を浴びたのはコメンテーター、岡本夏生さんの登場シーン。今や番組名物ともいえる岡本さんのコスプレですが、まさかタモリさんに扮して出てくるとは(笑)。

大川 さすがですよね。何せ、今日は13時からアルタ入りして、気持ちと集中力を高めていましたから。岡本さんは『笑っていいとも!』に10回以上出演したことがあるらしいんですが、「またアルタに戻ってこれるとは思っていなかった」と感慨深そうに話していましたよ。相当、気合いが入っていたと思います(笑)。

祝日の「アルタビジョン」を、タモさんに扮した岡本夏生がジャック。アルタ前には観覧希望の抽選に漏れたファンも大勢詰め掛けた

──『ダンディ』ではサプライズゲストに内田裕也さんが登場。番組レギュラーである元オセロ・中島知子さんとのテレビ初共演が実現してしまいました。2年前、内田裕也さんの娘婿・本木雅弘さんが所有する物件に対し、入居者の中島さんが家賃を滞納(約785万円)する騒動があった“因縁”の組み合わせ……スゴいキャスティングです(笑)。

大川 おふたりがリハなどでも顔を合わせることはなかったので、どういう展開になるのかは僕らも本番までわからなかったんです。

夜9時からの『バラいろダンディ』には、あの内田裕也が降臨! この並びを見ているだけでも、もう腹いっぱいになるほどオモロい

内田裕也と中島知子ががっちり握手

──番組最後に内田さんが「いい女になるには家賃を滞納しないこと」とネタにして、ふたりはガッチリ握手を交わしました。最高でしたね。

大川 いやぁ、正直ハラハラしましたけどね(笑)。キャスティングに関していえば、予算やスタッフの人数を考えると、僕らはどうやったってキー局のような番組は作れない。だから、ちょっとスキャンダラスだったり、話に深みがあったり、話題性のある方々に出演してもらうことを心掛けているんです。考え方としては週刊誌の作り方に似ているかもしれないですね。10月から板東英二さんに『ダンディ』に出演していただくのもそう。今後は“レジェンド枠”を作って、大御所の方にどんどん出演していただきたいと思っているんです。

──今回、スタジオアルタでの公開生放送が終わってみて、手応えはいかがでした?

大川 手前みそになりますが、かなり良かったんじゃないでしょうか。入社して約20年になりますが、初めて社長に褒(ほ)めてもらいましたから(笑)。

──『笑っていいとも!』のように、平日アルタから毎日生放送というのも、実は考えていたりして…?

大川 いずれはそうなればいいですよね。とはいえ、まずは1クールに1度、そして祝日ごとにアルタから放送……といった感じで、徐々にステップアップしていければと思っています。

“ゴジム”と“ダンディ”の生みの親、大川プロデューサー。「キー局につくれない番組、バシバシつくっていきますよ」

■『5時に夢中!』番組公式HPhttp://s.mxtv.jp/goji/

■『バラいろダンディ』番組公式HP【http://s.mxtv.jp/barairo/

(取材・文/高篠友一 撮影/本田雄士)