いまや北海道の“道民的番組”として以上に名高い「水曜どうでしょう」(以下、「水どう」)。1996年に北海道テレビ放送(HTB)で始まり、2002年にレギュラー放送終了。以来、何度かシリーズ放送されているが、一地方局の番組ながら各地で放映されDVDもバカ売れ、全国区の人気を誇っている。
そんな「水どう」が渋谷PARCO PART1で「水曜どうでしょうEXPO小祭(こまつり)」を8年ぶりに開催。「どうでしょうが大好きなひとのための大展覧会」と題し、ミュージアムや企画展、グッズ販売を展開する中、11月9日(日)まで開設される「水曜どうでしょうカフェ」が早くも大人気!
アニメやドラマなどテレビ番組とのコラボカフェは様々あったが、「水どう」人気はいまだ衰え知らず、入場に必要な整理券はオープン初日の2日までに完売したというから驚き!(注:12日に追加販売開始)
その人気過熱っぷりを今さらながら知らしめることとなった「水どう」カフェ、一体どんなコラボをしているのか? 足を運ぶファンたちのお目当ては? というわけで早速、現地に!
確かに平日にもかかわらず混雑する中、カフェに入ると壁には数々の名言が貼ってあり、周りでファンたちがパシャパシャと写メに収めている。店内の撮影は禁止とのことだが、奥には放映シーンのパネルなどもあり、料理を注文したファンたちはそれを眺めながら待っていた。
提供する料理もかなり凝ったものばかり。大泉洋ら出演者たちが日本各地で名物(主に甘いもの)の早食い対決をする名物企画「対決列島」の体験メニューや、番組内で大泉が作った料理を再現した「炎の料理人 シェフ大泉 体験メニュー」など、ファンにはたまらないコラボ感を実現しているのもマニア心をそそる演出だ。
水どうファンはマニアックな女性ばかり?
「どれも放送のシーンが浮かんで楽しかったです。友達とずっとその回の話をしてて、かなり長居してしまいました。クリスマスパーティーの時に洋ちゃん(大泉)が作ってた『えびチリプレート』を食べたんですけど、ホントに辛くてビックリでしたね」(20代後半女性、ファン歴4年)
カフェの店長に話を聞くと、6割くらいが女性客とのことだが、確かに周りはほぼ女性客ばかり。「水どう」ファンの彼女らを直撃すると、さすが皆さんマニアックだった。その熱狂ぶりはというと、まずは北海道出身在住、30代前半の女性。
「今日は北海道から来ました。たまたま関東に出張になったので、オークションサイトで前売券を購入して駆けつけました。去年の『水曜どうでしょう祭 UNITE 2013』にも参戦したんですけど、会場にあったそのパネルに写っててビックリしました(笑)」
と、まさかの地元・北海道よりの参戦。放送開始当時から観ている生粋(きっすい)のファンなら当然か?
また、ひとりで来ていた20代半ばの女性は、
「こんなにファンの人たちが集まってて嬉しいですね。普段でもたまにステッカーとかストラップのグッズを付けている人を見かけるとニヤけちゃいます。1度だけ、喫茶店で見かけたときは『あっ!』って声だしちゃったんですよ。相手の女性も気付いて友達になっちゃいました(笑)」
結婚相手は水どう好きじゃないと!
さらに、話を聞いたなかで最年少22歳のふたり組は、
「埼玉に住んでるんですけど、去年『水曜どうでしょう祭 UNITE 2013』も行って、今回も絶対行かなきゃって来たんですよ。(番組は)行き当たりばったりの展開とか、4人の会話や関係がなんかかわいくて好きなんです。結婚するなら『水どう』好きな人じゃないと無理だよねってさっきも話してたところです(笑)」
と、ふたりでずっと熱弁。人見知りだというが、「『水どう』の話なら、初対面でもいくらでもできます!」とまでアピールされてしまった。
また、16歳からファンになり、18歳で上京してきたこれまた北海道出身の女性も「東京に来てからは、こっちで放送が待ち切れなくて毎週実家からビデオで送ってもらってました」と、長年の“水どう”中毒を告白。
今回のカフェでは、入場整理券がなく中に入れなくてもグッズ購入は可能で、この日は21時を回って仕事終わりにわざわざ横浜からグッズだけ買いに来た女性までいたのだった。
悩みは「ファンを公言できない」こと?
ところで、この日訪れた20人ほどの女性に話を聞く中、14人が言っていたのは「あまり周りにファンだと言えない」ということ。「みんな知らなくて、自分だけが知っている」という女性もいたが、全国区な知名度になりながら、その“シュールな面白さ”がなかなか伝わらないとか。
「前に友達に薦めてみたんですよ。一応みんな知ってるんですけど、DVDを貸して観てもらってもハマる人はいなかったですね。それからあまり人前で『水どう』の話はしなくなりました」(30代前半女性、ファン歴6年)
「たまたま会社の上司の机の上に『水どう』グッズがあって意気投合しましたけど、自分の周りでは今日一緒に来ているコとその人だけですね。ほかの同僚はファンだってのも知らないはずです」(20代後半女性、ファン歴2年)
ちなみに、「初対面の男性が『水どう』ファンだったら?」と質問してみると、みな「テンション上がる!」とのこと。そのうち5人は「その人にも興味が出てくる。いるなら会ってみたいですよ」との前向きなお言葉を頂戴した(ちなみに記者も「水どう」ファンの男性!)。
これほど熱狂されながら、意外や肩身の狭い?隠れ「水どう」ファンの女性がこれだけ集まってくる、このカフェ。同じ「水どう」好き男性はもちろん、初対面でも「水曜どうでしょう?」の合い言葉をきっかけに、もしかしたら一瞬で仲良くなれる出会いがあるかも!
■「水曜どうでしょうカフェ」の入場整理券(300円)は14日(火)~11月9日(日)の各日11時と21時の回で追加販売される(※本文内の価格は全て税抜き)
(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)